ーイントロー

右手に切符握りしめて
リュックサックを前に抱えた
夢の詰まった手帳を開いて
どこか遠くに遊びに行ってみようか？

ー間奏ー

揺れる列車の心地よさ
リセットされる都会の苦しさ
行き先は誰にもわからない
少しの眠気を払った

描いた夢への軌跡は
汚い現実で塗りつぶされて
今、ただ少し
懐かしいこのクレヨンの色に
戻ってみたかっただけ

夏のすがすがしさと　背に向けた君への想い
背伸びして買ったサンダルが　似合う子になろう
旅のもどかしさと　不便さに酔う子供の私
列車は淡々と揺れてく　一人の心も知らずに

ー間奏ー

じりじりと肌を刺す陽
忘れてきた日焼け止めは
後で君に会ったとき
笑ってほしいそんな恣意さ

色褪せたあの日のシール
同じ絵が出て影落ちたっけ
今、もう少し
懐かしいこのひまわりの花に
会いたかっただけ

夏のやかましさと　向き合った沢山の道
この喧噪に慣れようと買った　雑誌の山を燃やして
スーツケースは腕を引く　指先には赤い糸
列車に揺れた身体が　まだ少し寂しがっていた

見ているかい？どこかで
返事はしなくてもいいよ
僕はもう少し
君に合う人になるから

影法師と白いシャツ
こぼれても気にしなかった
どうしようもなく鈍感な
一つの初恋の思い出さ

夏のもどかしさと　セミの鳴く帰り道
結局僕はまだ　君を忘れられないよ。

夏の仄暗さと　ホログラムの思い出が
背伸びして買ったサンダルの　リボンを解けさせたの
旅のなつかしさと　友達同士のペアルックを
列車は淡々としている　それ以上触れまいと

君のため持ってきたクッキーを
夢の中で一緒に食べよう