歴史好きの根暗女子は意外とモテる
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~歴史は意外とモテそうです~
「ふむふむ豊臣秀吉は織田信長に「ハゲネズミ」と呼ばれていたのだな。可哀想だが残念ながら歴史は変えられない。それに変えられたとしても織田信長は豊臣秀吉の呼び方をハゲネズミから変えないだろう。」私、峯村つぐみは歴史が大好きな中学3年生。今年は父親の仕事の都合で静岡から東京の中学校へ引っ越すことになった。別にあまり知名度がない私が引っ越したところでクラスのみんなは気にしないだろう。「モグモグ、このみかん美味しいな。酸味が五割甘味が五割と言ったところだろうか。ちょうどいい割合だ。」生まれも育ちも静岡な私はみかんが大好きだ。ここだけの話だが静岡県民はみかんの皮を剥くのがうまいんだぞ。「あらぁ、つぐみ。またみかん食べて。もうみかんだけじゃなくてお弁当も食べなさい。スマホを没収するわよ。」母上、甘いぞ。スマホだけで私の心が動くと思うな。「それと歴史本も没収しようかしらねぇ」「ちょっと待って。みかん食べるのやめるから歴史本だけは取らないで!お願い!」母上、歴史本は私にとって命よりも大事なものなのだ!そんなものを捨てるだなんて私を殺すのと同じことだぞ!「ふふふ、わかっているわよ。捨てるだなんてあなたを殺すのと同じことだものねぇ。私、捕まりたくはないわ。」は、母上!何と私の心を見たのか!それに捕まりたくないだなんて何と・・何と恐ろしいのだ!私はたった今母上を信用しなくなったぞ。腹の底から後悔したまえ。「えーまもなくー東京ですー。まもなくー」「あらぁもうついたのねぇお父さんはもうついているかしら?」そう、父上は仕事があるので飛行機で先に行ったのだ。別行動だが何の支障もない。「ふふふ、新しいとこでは馴染めるといいわねぇ。」「別に友達などいらない。」私には歴史という真実の友達がいるからな。「私の職場の人、教えてあげようかしらねぇ。娘さんが中学3年生って言ってたから仲良くなれるかしら?」だからいらないと言っているだろう!もううんざりだ。友達などいらないぞ!勝手に作るなよ!私の中学3年生。どうなるのだろうか?不安で仕方がないぞ!どうなる私の中学3年生!
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