文字サイズ変更

狐の面は貴方を隠す。

#3

境内

[水平線]
鈴side
賑やかな参道をやっとのことで抜け、境内にたどり着く。
誰もいないかと思っていたがそんなことはないようだ。

境内に人が座っている。
同い年くらいだろうか。あめ色の髪が特徴的で、藍色の浴衣を着ている。

少し、興味が湧いたので柿の入った袋をブラブラさせながら声をかけた。
鈴「ここで何してるの?」
「!…別に」
狐の面のせいで表情がわからないが、返事を返してくれた。
鈴「あたし暇だからさ〜ちょっと話し相手になってくんない?」

「…好きにしr」
鈴「じゃあ話し相手になってもらうね!あ、柿いる?」
ちゃっかり隣に座り、お母さんから受け取った柿を見せる。
この量だし少しくらいなら大丈夫だろう。

「いらねぇよ…」
別の方向を向き、立ち上がる。
ありゃ、構いすぎた?

グゥ〜ッ

お腹の音が、沈黙を破る。
「…」

鈴「…あ…えっと、柿いる?」
改めて聞く。
[小文字]「…いる」[/小文字]

[水平線]

鈴side

柿を一つあげると、お面をずらし口元だけ見せてがっつき始めた。
食べさせている間暇なので少しずつ彼のことを聞いていく。

鈴「へぇ〜名前、[漢字]佐久[/漢字][ふりがな]さく[/ふりがな]っていうんだ〜」
佐久「あぁ。…それとご馳走様。」
鈴「もう食べたの!?」
あっという間に完食してしまった。ってかゴミ一つ無い…

鈴「ヘタまで食べてんじゃん…どんだけお腹すいてたんだよ…」
佐久「…」
申し訳無さそうにお面をずらし、顔が完全に見えなくなってしまった。

鈴「いや別にいいんだけどね!?」

佐久「…サンキューな、鈴。…お礼、するわ。言う事聞きます…」
あ、そうやって返す系?
うーん…あ!
鈴「じゃああれ、明日からもここで話し相手になってよ。ってか祭り回ろう!」

佐久「いいのか…?それくらいで」
鈴「明日から友達、旅行行って暇なんだよ〜」
佐久「…そうか。じゃ、また明日もここ来るわ。鈴。」
鈴「頼むよ!約束!」
握手しようと手を差し出す。
佐久「…お、おう。」
少しためらったようだがちゃんと握手はしてくれる。

ピコン♪

鈴「あ、やべ。友達からL○NE…」

〘今どこ〜!私は鳥居のところにいる!〙
[右寄せ]〘あ〜、私今境内にいるわ〜そっち行くね!〙[/右寄せ]

返信をし、後ろを振り返る。
鈴「佐久、あたしちょっと友達のところに…って…あれ?」

シーン
佐久はいなかった。もう帰ってしまったらしい。
鈴「ったくもう…挨拶もせずに帰っちゃった…」
明日来るか心配になりながら、鳥居に足を進めていった。

[水平線]

※ダブルクリック(2回タップ)してください

作者メッセージ

佐久くん初登場✨️

2024/10/23 06:31

すい ID:≫9pzU0bZ.dRYFw
続きを執筆
小説を編集
/ 3

コメント
[4]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL