運命の糸は絡まり続ける
[明朝体]お昼ご飯を難なく、食べ終えまた教室まで送っててもらってしまった。
いい子だなぁ
「●●さ〜ん........」
『なに、どしたの。後ろにモヤモヤ見えるよ』
だらーんとしながら、私の前の席に座るアナ。前の席の人可哀想
「いやさぁ......?私"一目惚れ"というものをしてしまいまして..........」
『一目惚れぇ?』
バカじゃないの、とアナに突っ込む。
一目惚れって.........思い込みじゃないの
「●●ならそう言うと思ったけど!!」
『.......まぁ、話ぐらいは聞くけども........』
どんな人なの?と、続けて私が聞くと、よくぞ聞いてくれました!と言わんばかりの顔で、机に身を乗り出した。
アナは興奮すると、身を乗り出すねぇ
「ウツ・レイラー先輩って言うんだけど......!!」
『へぇ、ウツ・レイラー先輩ねぇ』
あの、「女好き」で有名な...........見る目ないなぁ
もうちょっといい子を選びなさいよぉ、ガオナァくんとか..........
「私がハンカチ落としちゃった時、わざわざ届けに来てくれたのぉ!」
「"お嬢さん、ハンカチ落としてましたよ"って、優しい笑顔でさぁ!?」
『うんうん』
慣れた手口だな、こりゃ.........
我が親友のセンスを心配しながら、頷く
「でね〜!?」
「アナちゃん居る?」
「えっ"」
なんと、噂の本人「ウツ・レイラー」が来たのだ。
なんで、アナを?少し警戒しながら見ていると、アナがものすごい速さで彼のところへと飛んでいった
「ーーー、ーーーーー?」
「ーー、ーーーー!ーー!?」
何を話しているんだろう?アナは少し照れ気味に喋っているし、彼の方はニコニコしながら喋っている。なんにも内容がわからない
『............わお』
ふと、2人の小指を見てみると2人の糸が綺麗な赤色で繋がっていた
すぐ人の小指を見る癖は直さないとな
ウツさんだっけ?本気なのかなぁ.......?少し気になるな
すると、2人が話し終えたのか、ぴょんぴょん跳ねながらこちらへ向かってくるアナがいた
「ねぇ!!見て!?」
興奮しながら、アナが見せてきたのは「ウツ・レイラー」とのLINE画面だった。一言二言しかないが
『交換したの?』
「そう!!!」
はぁ〜!どうしよっ......何送ればいいかなぁ!?と、恋する乙女の表情でアナは聞いてくる
こっちは本気だな、ちゃんと
『...........まぁ、いい人は選んだんじゃない』
私は2人の小指を思い出しながらアナに語りかける。
アナは、そうだよね!?運命だよね!?と、言っていた
にしても..........本当に糸で繋がってると、惚れるんだなぁ
『運命か...........』
私は"彼"の小指を思い出しながら、呟いた
残念ながらアナには聞こえていなかったようで、聞き返してきたがなんでもない、と誤魔化した
(2人の恋)[/明朝体]
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