運命の糸は絡まり続ける
[明朝体]『ここが穴場!』
『知らなかったでしょ?』
図書室の端っこに案内して、彼に問う。
彼は予想通り「知りませんでした.........!」と、驚きながら言っていた
「ここの角度丁度いいですね........!」
『んふふ〜、そうなんだよねっ』
そう、穴場とは、外からは本棚で見えない、図書室からでも本棚が邪魔になって中々見つけられないこの端っこの机だ。これを3ヶ月前に見つけた私は運がいいんだと思う
「こんなところよく見つけましたね〜.......」
感心するように彼が言う。
『運が良かったんだろうね』
「運命だったりしそうですね!」
今日はよく、"運命"という言葉に遭遇する。
あんまり、好きじゃないんだけどな
『......運命かもね〜』
私はこの話題を切り、食べようと言った
2人が席に座り、お弁当を取り出す
お弁当の蓋を開けると
「●●さんのお弁当すごいですね.....!?」
『そうかな?ガオナァくんのも、色合いいいと思うけどなぁ』
彼のお弁当を覗きながら、褒める
「●●さんの方が栄養が考えられてるっていうか.......,..お母さんすごいですね」
『ん?』
「え?」
お母さん.....?あっ、お母さんが作ってると思って.......
『ごめんね、これ私が作ってるんだ』
「えぇっ!料理上手くないですか!?」
『ふふ、ありがとう』
私の発言にものすごく驚いた彼。リアクションが大きいらしい
「いいお嫁さんになりそうですね!」
『.........え』
お嫁さんって.........私が少しフリーズしていると、彼が慌てて
「あぁっ!すみません!わざとじゃないんですぅ........!!」
『はは、うんいいよ。ちょっと照れたかな』
照れたんですか!?その顔で!?と、またもやリアクションが大きい彼。
多分クラスでも人気者なんだろうなぁ、と考えると同時に、なんでこんな私を好きになったんだろう、と思ってしまう。けど、"今だけ"だから
私はこの思考をシャットダウンして、彼に言った
『早く食べちゃおっか』
「はい!」
(秘密の場所)[/明朝体]
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