運命の糸は絡まり続ける
[明朝体]『あっ、そうだ。君の名前は?』
よくよく考えて、私は彼の名前を知らないことに気がついた。
彼も忘れていたのか、あぁ!言ってなかったですね!?と、焦るように言った
「チーノ・ガオナァと申します!」
胸に手を当て、自分を主張するように彼が言う。
「申します」って、大分改まってるなぁ
『ガオナァくんかぁ』
「エッ」
私が呟くと、彼は驚いた顔のまま固まった。
私はすぐに意味がわかり、笑いを堪えた
『っふ.........ど、どうしたのっ?』
「絶対分かってますよねぇっ!?」
笑わないでください!!と、彼が言い今度は声に出して笑った
「だって名前で呼ばれたかったんですもん!」
『っはは!っふ.......あははっ!.......っひぃ』
笑いすぎじゃないですか!?と、力強く彼が言う。
でも私の笑いは一向に止まらなく、
『っふは........っあはは.......!.........っひー.......おなかいたい......っ!』
いつの間にか校門が前にあった。
あっ、もう着いたんだ。15分って早いんだな
「●●さん、笑い落ち着けました?」
少し拗ねた顔で彼が言う。
『っんふ.............うん、笑い落ち着いてきた』
「まず笑わないでほしいですけど!」
『んふふ、ごめんねぇ』
「謝る気ないでしょう!?」
可愛いからいいですけどっ!と、満足した顔で言う彼
本当にストレートだなぁ
少しして、教室の前まで送ってもらって、お別れの時間がやってきた。
私はドアを開け彼の方へ体を向ける
『またね、チーノ・ガオナァくん』
私は、手を振った反対の手でドアを閉めた
(0.5名前呼び)[/明朝体]
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