運命の糸は絡まり続ける
[明朝体]『ぇ........』
彼の運命の糸は
白かったのだ
私は呆然と、彼の小指を見ていた。
私以外に色の付いている運命の糸なんてあるの?なんの法則?なんで彼は........
「あ、あの.........」
『あっ、えっと..................考えさせてくれるかな』
彼の声で、引き戻されとりあえず結論を言う
「はっ、はい!待ってます!」
そう、元気な声で去っていった
少し静かだった教室が、一気に騒がしくなる
「○○さん、"チーノ"くんから告白!!」
「○○さん、今のところあり!?なし!?」
「●●!イケメン捕まえたね!」
「チーノ許すまじ」
皆んな、すごい勢いで私に駆け寄ってくる。
ちょっと私今すごいパニックなんだけど...........
『あはは..........』
愛想笑いで通しといた。
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少し時間が経って放課後になった。
そろそろ帰ろう、そう席を立った瞬間
「●●さん居ますか!」
聞き覚えのある声で呼ばれた。
『あっ、えっと......いる、よ?』
「あっ!良かったぁ........まだ居た........」
手を胸元に当て、ホッとした様子を見せる彼
でもやはり私の視線の先は彼の小指で
しかし、次に口開いたのは
「一緒に帰りませんか!?」
『えっ........』
私は驚いた。普通、告白考えさせてる時一緒に帰るもんなの?
まぁ、私は断る理由もなかったので
『まぁ、いいけど.........』
了承した
彼と校門を出て歩いていると、少し居心地の悪さを感じてきた
『な、なんでそんなにこっちを見るのかな..........?』
「●●さんが可愛いので!」
と、満面の笑みで言われた。
ストレートだなぁ........
『........重ねてもう一つ..........なんで誘ったの?』
私達、一応気まずいし.........そうつづける私
告白待ちと、待たせてる相手が一緒は気まずい以外ないだろう
「少しでも●●さんに好きになってもらいたいからです!」
嘘偽りない、輝いたような笑顔で彼は言った。
........少し罪悪感があるような気持ちになった。
『........そっか』
多分私は、彼のことを好きになれない。この運命の糸が見えている限り
運命の糸で繋がっている者は、生涯幸せに過ごすんだろうと思う。けど、繋がってない者が結ばれてもいつか終わりがくる。そんな気がしてたまらないのだ、私は
だから、私と彼の見事にすれ違っている運命の糸が繋がらない限り、私は彼を好きになっちゃダメなんだ
好きな相手と一緒に帰って、返事も「考えとく」と言われて、期待満々な彼の気持ちを考えて、私は胸が苦しくなった[/明朝体]
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