運命の糸は絡まり続ける
[明朝体]学校を出て、少し。道路を歩いている私達
水溜りがそこらじゅうにあり、踏んだら終わると思いながら歩いている
「.......●●さんは、好きな人いますか?」
突然彼から話題を振られたので、少々驚いた
それに、その質問は告白の答えになりかねないかなぁ........?
『そ、うだなぁ.........秘密、にしとこうかな』
「教えてくれないパターンですか!?」
『うん、教えたげない』
告白の答えにもなっちゃうかも知んないし、と心の中で付け足す
「●●さんは、じゃあ運命とか信じない人ですか?」
『うん、めい...........』
急に"運命"などと言われて、少し取り乱してしまったが平静を偽る
『.......運命って、どういう意味?』
「こう.......例えば、
[太字]運命の赤い糸[/太字]
とか!」
元気よくそう言った彼。私は少々焦っているのかもしれない、自分のことを言われてないはずなのに、どこか胸が痛む。
「私は、運命なんて信じたくないよ」そう言いたいはずなのにやっぱり出てくるのは
『..........運命なんて、バカらしいな』
その言葉を濁すかのような、発言
私は、左側、道路側に体を動かして大きな水溜りを少し踏んだ
そして、さっきの私が悪かったのだろうか、少し天罰が降った
「あっ、●●さん.....!!」
一台の車が私たちの横を通り、
[大文字]バジャーン[/大文字]
大きい水飛沫が飛んできた
『あっ...........』
水飛沫を飛ばした車はそのまま、私達を置いていくかのようにスピードを落とさず走っていった
『あー..........ガオナァくん私、1人で帰るよ』
下半身全般に掛かった、水を見ながら、手をぶらぶら揺らす
私の足元には小さな水溜りができていた
「そんな●●さん置いてけるわけないでしょ!?」
『えっ』
●●さん家より、俺家の方が早いんで俺家行きましょう!そう言われ、半ば強引に腕を優しく掴まれる
そうして私の方へと傘を傾けて、走る彼
『えっ、そんな.........』
「いいんです!」
前だけを向いて返事をする彼
あぁ.......つくづく彼は優しいな。私はもう濡れているから、傘なんていらないのに、君が濡れるのに......
これ以上濡れないようにと、傾いた傘はとてもカッコ良い
そして、私の腕を掴みながら前を走る真剣な彼の横顔もまた、かっこよく見えた
(傘の傾き方)[/明朝体]
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