二次創作
sha受け短編集
※BLあるぞ!!!
・旧海賊+鬱
・学パロ…(高校一年想定)
・BL
・付き合ってない(shaとzm)
・「救われない恋」のゾムさん視点です。
先にそっちみてから読むことをおすすめしますが、単体でも読めます。
[水平線]
「も〜、ぞむつよ〜!」
「シャオローン! ちょっと雑魚すぎひん?」
雨の日の昼休み。
俺とシャオロンは昼休みはいつも外で遊び回っているのだが、今日は雨なので、室内で遊んでいる。
机の上に投げられたトランプのカード。
ジョーカーが、シャオロンの手元に残っている。
シャオロンの琥珀色の目が悔しげに細められる。
きれいな顔が台無しだ、と言いたいところだが、美人はどんな顔でも美人だ。
俺はこいつの欠点をしらない。
整い過ぎな顔立ち。
絹のようにさらさらとした栗色の髪。
おまけに運動もできて、勉強も完璧だなんて、神様はよほどこいつにご執着なんだろうと思う。
俺は知っている。
こいつは一見ポンコツな抜けてる子、だけど。
本当はそれを意図して作っていることを。
カリスマ性にあふれたシャオロン。
時々そいつの隣りにいていいのかなんて思ったりもする。
けど、悩みはしない。
こいつの隣りにいていいのは、俺だけだから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋
俺は、恵まれた子なんだとわかっていた。
なにをやっても全部完璧にできる。
街にいればスカウトなんてあたりまえ。
女子たちには毎日声をかけられる。
なんかつまんないな。
そう思って、ちょっと抜け目を作ってみたり。
人格で遊ぶのは楽しくて、いつの間にかみんな俺にゾッコン。
あー、楽し。
中学2年。
二学期だっけ。
転校することが決まって、俺はちょっぴり抜けていて末っ子気質な子、を演じることにした。
いつものパーカーを着慣れない制服の上に重ねて。
髪はゆるく後ろで結ぶ。
ざわざわとした教室が、チャイムで静まる。
がらり、ドアを開けて、人懐こい笑顔を浮かべて。
教壇にあがる。
「こんちはー! 鳥居 希っていいます〜。ゾムって呼んでくれや! これからよろしくな」
完璧な演技をして。
ちらりと教室を見渡す。
射抜くように俺を見ているのは藍色の目の男子。
バレてんな。
目の奥からにじみでる感情に、理解する。
一人くらいどうってことはない。
「ということで、今日から仲良くしてやってくれ。席は、一番うしろの端っこだ。シャオロンが隣だから、いろいろ教えてやってくれ」
「りょーかいです! ゾム、よろしくな!」
シャオロン、と呼ばれた男子をみて、鳥肌がたった。
[太字]俺と同じ。[/太字]
「おう、よろしく」
動揺して、声が裏返っていないだろうか。
「じゃあ、これで朝のホームルームは終わりだ。授業に遅れないように」
先生がいなくなると、一気に教室が騒がしくなった。
みんな俺の周りに集まっている。
「ゾムくん! はじめまして、あの、私──」
「ゾム、そのパーカー、マイ◯ラのやつだよな? 今度──」
次々とかけられる質問に、俺は笑って返していく。
慣れた。
「シャオロンっていうねんな?」
俺が初めて自分から話しかけた相手はシャオロン。
「ん、そう! 成績優秀で有名な人気者で〜す!」
金色の目。柔い髪。
完璧な容姿だった。
俺が何よりひかれたのは…[太字]自分を演じていること。[/太字]
「ちゃうやろ、お前は不人気や」
金髪の男─あとでコネシマというと知った─が意地悪く言う。
「は!?!?! ちゃうし!!」
楽しげに笑い合う。
きっとこの男たちはシャオロンの切り返しに笑ったのだろうけれど、俺は違う。
やっと、見つけた。
俺の同士。
似た者同士を。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋
俺が似ている、と感じたのはきっとあっちもなのだろう。
すぐに打ち解けて、一緒にいるようになった。
藍色の目の男子─大先生こと鬱は、未だに俺のことをずっと見つめている。
俺は詳しいことは知らないが、きっと俺が来る前までシャオロンといっしょにいたのだろう。
嫉妬と、独占欲が混じった感情。
「奪われた」って思ってるんやろ?
そんなものとっくにわかっていた。
でも、知ってても、俺はシャオロンをお前から奪い続けるよ。
附属高校に進んだあと、ある有名高校から勧誘を受けた。
シャオロンは中学のころからずっとそうらしい。
「どうする? 一緒に行く?」
ふふふ、と笑いながら聞かれたとき、どうしようもない優越感が湧いてきた。
後ろから感じる、大先生の絶望に染まった視線。
つまるところ、中学の時は行く気なかったのに、俺とならなぜ行くんだ、という絶望だ。
ねえ、大先生。
ようやく理解したやろ?
シャオロンが見てるのは、お前じゃない。
お前は、シャオロンの隣に立っていい人間じゃない。
自分に執着心なんてものがあったなんてびっくりする。
でも、履き違えてでも、シャオロンの隣は絶対渡さん。
ずっと、隣りにいるのは俺やから。
シャオロンに微笑み返して、言う。
「とーぜんやん!」
[太字]ばいばい、大先生♡[/太字]
そんな意地悪なことを考えながら。
我ながら狂ってると思う。
けど、こうまで狂ってしまえるのは、シャオロンだけなんや。
ああ、どうしようもなく。
[大文字]愛してる[/大文字]
・旧海賊+鬱
・学パロ…(高校一年想定)
・BL
・付き合ってない(shaとzm)
・「救われない恋」のゾムさん視点です。
先にそっちみてから読むことをおすすめしますが、単体でも読めます。
[水平線]
「も〜、ぞむつよ〜!」
「シャオローン! ちょっと雑魚すぎひん?」
雨の日の昼休み。
俺とシャオロンは昼休みはいつも外で遊び回っているのだが、今日は雨なので、室内で遊んでいる。
机の上に投げられたトランプのカード。
ジョーカーが、シャオロンの手元に残っている。
シャオロンの琥珀色の目が悔しげに細められる。
きれいな顔が台無しだ、と言いたいところだが、美人はどんな顔でも美人だ。
俺はこいつの欠点をしらない。
整い過ぎな顔立ち。
絹のようにさらさらとした栗色の髪。
おまけに運動もできて、勉強も完璧だなんて、神様はよほどこいつにご執着なんだろうと思う。
俺は知っている。
こいつは一見ポンコツな抜けてる子、だけど。
本当はそれを意図して作っていることを。
カリスマ性にあふれたシャオロン。
時々そいつの隣りにいていいのかなんて思ったりもする。
けど、悩みはしない。
こいつの隣りにいていいのは、俺だけだから。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋
俺は、恵まれた子なんだとわかっていた。
なにをやっても全部完璧にできる。
街にいればスカウトなんてあたりまえ。
女子たちには毎日声をかけられる。
なんかつまんないな。
そう思って、ちょっと抜け目を作ってみたり。
人格で遊ぶのは楽しくて、いつの間にかみんな俺にゾッコン。
あー、楽し。
中学2年。
二学期だっけ。
転校することが決まって、俺はちょっぴり抜けていて末っ子気質な子、を演じることにした。
いつものパーカーを着慣れない制服の上に重ねて。
髪はゆるく後ろで結ぶ。
ざわざわとした教室が、チャイムで静まる。
がらり、ドアを開けて、人懐こい笑顔を浮かべて。
教壇にあがる。
「こんちはー! 鳥居 希っていいます〜。ゾムって呼んでくれや! これからよろしくな」
完璧な演技をして。
ちらりと教室を見渡す。
射抜くように俺を見ているのは藍色の目の男子。
バレてんな。
目の奥からにじみでる感情に、理解する。
一人くらいどうってことはない。
「ということで、今日から仲良くしてやってくれ。席は、一番うしろの端っこだ。シャオロンが隣だから、いろいろ教えてやってくれ」
「りょーかいです! ゾム、よろしくな!」
シャオロン、と呼ばれた男子をみて、鳥肌がたった。
[太字]俺と同じ。[/太字]
「おう、よろしく」
動揺して、声が裏返っていないだろうか。
「じゃあ、これで朝のホームルームは終わりだ。授業に遅れないように」
先生がいなくなると、一気に教室が騒がしくなった。
みんな俺の周りに集まっている。
「ゾムくん! はじめまして、あの、私──」
「ゾム、そのパーカー、マイ◯ラのやつだよな? 今度──」
次々とかけられる質問に、俺は笑って返していく。
慣れた。
「シャオロンっていうねんな?」
俺が初めて自分から話しかけた相手はシャオロン。
「ん、そう! 成績優秀で有名な人気者で〜す!」
金色の目。柔い髪。
完璧な容姿だった。
俺が何よりひかれたのは…[太字]自分を演じていること。[/太字]
「ちゃうやろ、お前は不人気や」
金髪の男─あとでコネシマというと知った─が意地悪く言う。
「は!?!?! ちゃうし!!」
楽しげに笑い合う。
きっとこの男たちはシャオロンの切り返しに笑ったのだろうけれど、俺は違う。
やっと、見つけた。
俺の同士。
似た者同士を。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━╋
俺が似ている、と感じたのはきっとあっちもなのだろう。
すぐに打ち解けて、一緒にいるようになった。
藍色の目の男子─大先生こと鬱は、未だに俺のことをずっと見つめている。
俺は詳しいことは知らないが、きっと俺が来る前までシャオロンといっしょにいたのだろう。
嫉妬と、独占欲が混じった感情。
「奪われた」って思ってるんやろ?
そんなものとっくにわかっていた。
でも、知ってても、俺はシャオロンをお前から奪い続けるよ。
附属高校に進んだあと、ある有名高校から勧誘を受けた。
シャオロンは中学のころからずっとそうらしい。
「どうする? 一緒に行く?」
ふふふ、と笑いながら聞かれたとき、どうしようもない優越感が湧いてきた。
後ろから感じる、大先生の絶望に染まった視線。
つまるところ、中学の時は行く気なかったのに、俺とならなぜ行くんだ、という絶望だ。
ねえ、大先生。
ようやく理解したやろ?
シャオロンが見てるのは、お前じゃない。
お前は、シャオロンの隣に立っていい人間じゃない。
自分に執着心なんてものがあったなんてびっくりする。
でも、履き違えてでも、シャオロンの隣は絶対渡さん。
ずっと、隣りにいるのは俺やから。
シャオロンに微笑み返して、言う。
「とーぜんやん!」
[太字]ばいばい、大先生♡[/太字]
そんな意地悪なことを考えながら。
我ながら狂ってると思う。
けど、こうまで狂ってしまえるのは、シャオロンだけなんや。
ああ、どうしようもなく。
[大文字]愛してる[/大文字]
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