ナツレテン。
#1
第一話 ハジマリ
[下線][太字]七月三十一日 夏休み最終日[/太字][/下線]
[太字]立花「あちい〜…」[/太字]
[太字]三崎「この島の夏は灼熱だからね〜…でも明日で帰るんでしょ?それまでの辛抱だよ…」[/太字]
[太字]立花「ああ…………色々あったけど…楽しかったな……」[/太字]
[太字]三崎「うん…私もナツイロといて楽しかった。冬休みもこっち来てよ」[/太字]
[太字]立花「どうしようかな…」[/太字]
蝉の鳴き声が響く。俺と三崎は太陽がチリチリと焼くアスファルトの下り坂を降りて行った。
[水平線]
中2になってはじめての夏休み、[漢字]立花夏色[/漢字][ふりがな]たちばなかしき[/ふりがな]こと俺は両親の仕事の都合上
親戚の[漢字]冬二[/漢字][ふりがな]とうじ[/ふりがな]おじさんがいる『[漢字]廻島[/漢字][ふりがな]まわりじま[/ふりがな]』に預けられることになった。
そして廻市立中学校というところに転校した。
夏色「え?夏休みの間しかいないんだから転校する必要なくない?」
冬二「うちの島じゃふつーに夏休みも午前中は学校があるんだなこれが!それに一ヶ月も過ごすんだから友達ぐらい欲しいだろ!」
(それはもう夏休みじゃねーだろ。)と内心突っ込んだ。
そして廻島に行った俺は過去最高に夏休みを楽しんだ。
島の同級生(8人しかいないが)はみんな優しくてよそ者の俺を川や海、ゲーセンなど色々な所に誘ってくれる。特に女子の[漢字]三崎美咲[/漢字][ふりがな]みさきみさ[/ふりがな]とは一番仲が良かった。趣味や価値観がとにかく一致していてたった一ヶ月の付き合いなのに他の友達にカップルだと冷やかされるくらいには仲が良かった。
そしてみんなは俺のことを[漢字]夏色[/漢字][ふりがな]かしき[/ふりがな]ではなく[漢字]夏色[/漢字][ふりがな]なついろ[/ふりがな]という。最初は俺も訂正していたのだが全く治らずみんなナツイロというので自然と受け入れてしまった。
そんな楽しい日々は終わりを告げ、明日俺は島を出て帰ることになった。
寂しくないといえば嘘になる。廻島と廻島のみんなから離れるのはとてつもなく辛かった。
俺は廻市立中学校の最後の授業を終えて、おじさんの家に帰る。
冬二「夏色、最後の授業はどうだった?」
夏色「…楽しかったよ」
冬二「おいおいーそんな悲しい顔すんなよ!冬休みきたらいいじゃねえか!」
夏色「か、悲しい顔なんてしてねーよ‼︎」
そんな話をしていると
[大文字][太字]ゴゴゴゴゴゴゴ[/太字][/大文字]
地面が、世界が大きく揺れた。
食器棚、テレビ、家具という家具がバタバタと倒れ家の原型が無くなってゆく
俺と冬二おじさんは急いでテーブルの下に隠れて縮こまる。
揺れが収まると俺はほっと胸を撫で下ろした。
しかしそれと同時にこんな小さな島で大きな地震が起きたならば当然津波も来るだろう。俺はおじさんと一緒に急いで避難場所に向かう。
[水平線]
避難所に着くと既に同級生達が集まっていた。しかし、一人足りない。そう、美咲がいないのだ。
夏色「みんな!美咲は!?」
同級生たちに訴え掛けるとみんな首を横に振った。
俺は堪らず避難所を飛び出す。
後ろから呼び止める声がしたが振り返らない。
美咲は、俺の一番の親友なのに______。
走り続け、美咲の家[太字]だった[/太字]場所に着いて俺は絶句する。
美咲の家はもはやペースト状だった。
震える足でそこに立ち瓦礫をのけて『探す』。
見つからないで欲しいものを。
しかし[太字]ソレ[/太字]は見つかった。
[斜体][太字]瓦礫に押しつぶされた、美咲の肉体。[/太字][/斜体]
[斜体]俺は目の前が真っ暗になった。
どうして、どうしてこうなった。
なぜ、なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ…
お願いだから、やり直させてくれ。[/斜体]
[水平線]
[下線][太字]六月二十八日、夏休み初日[/太字][/下線]
[太字]立花「あちい〜…」[/太字]
[太字]三崎「この島の夏は灼熱だからね〜…でも明日で帰るんでしょ?それまでの辛抱だよ…」[/太字]
[太字]立花「ああ…………色々あったけど…楽しかったな……」[/太字]
[太字]三崎「うん…私もナツイロといて楽しかった。冬休みもこっち来てよ」[/太字]
[太字]立花「どうしようかな…」[/太字]
蝉の鳴き声が響く。俺と三崎は太陽がチリチリと焼くアスファルトの下り坂を降りて行った。
[水平線]
中2になってはじめての夏休み、[漢字]立花夏色[/漢字][ふりがな]たちばなかしき[/ふりがな]こと俺は両親の仕事の都合上
親戚の[漢字]冬二[/漢字][ふりがな]とうじ[/ふりがな]おじさんがいる『[漢字]廻島[/漢字][ふりがな]まわりじま[/ふりがな]』に預けられることになった。
そして廻市立中学校というところに転校した。
夏色「え?夏休みの間しかいないんだから転校する必要なくない?」
冬二「うちの島じゃふつーに夏休みも午前中は学校があるんだなこれが!それに一ヶ月も過ごすんだから友達ぐらい欲しいだろ!」
(それはもう夏休みじゃねーだろ。)と内心突っ込んだ。
そして廻島に行った俺は過去最高に夏休みを楽しんだ。
島の同級生(8人しかいないが)はみんな優しくてよそ者の俺を川や海、ゲーセンなど色々な所に誘ってくれる。特に女子の[漢字]三崎美咲[/漢字][ふりがな]みさきみさ[/ふりがな]とは一番仲が良かった。趣味や価値観がとにかく一致していてたった一ヶ月の付き合いなのに他の友達にカップルだと冷やかされるくらいには仲が良かった。
そしてみんなは俺のことを[漢字]夏色[/漢字][ふりがな]かしき[/ふりがな]ではなく[漢字]夏色[/漢字][ふりがな]なついろ[/ふりがな]という。最初は俺も訂正していたのだが全く治らずみんなナツイロというので自然と受け入れてしまった。
そんな楽しい日々は終わりを告げ、明日俺は島を出て帰ることになった。
寂しくないといえば嘘になる。廻島と廻島のみんなから離れるのはとてつもなく辛かった。
俺は廻市立中学校の最後の授業を終えて、おじさんの家に帰る。
冬二「夏色、最後の授業はどうだった?」
夏色「…楽しかったよ」
冬二「おいおいーそんな悲しい顔すんなよ!冬休みきたらいいじゃねえか!」
夏色「か、悲しい顔なんてしてねーよ‼︎」
そんな話をしていると
[大文字][太字]ゴゴゴゴゴゴゴ[/太字][/大文字]
地面が、世界が大きく揺れた。
食器棚、テレビ、家具という家具がバタバタと倒れ家の原型が無くなってゆく
俺と冬二おじさんは急いでテーブルの下に隠れて縮こまる。
揺れが収まると俺はほっと胸を撫で下ろした。
しかしそれと同時にこんな小さな島で大きな地震が起きたならば当然津波も来るだろう。俺はおじさんと一緒に急いで避難場所に向かう。
[水平線]
避難所に着くと既に同級生達が集まっていた。しかし、一人足りない。そう、美咲がいないのだ。
夏色「みんな!美咲は!?」
同級生たちに訴え掛けるとみんな首を横に振った。
俺は堪らず避難所を飛び出す。
後ろから呼び止める声がしたが振り返らない。
美咲は、俺の一番の親友なのに______。
走り続け、美咲の家[太字]だった[/太字]場所に着いて俺は絶句する。
美咲の家はもはやペースト状だった。
震える足でそこに立ち瓦礫をのけて『探す』。
見つからないで欲しいものを。
しかし[太字]ソレ[/太字]は見つかった。
[斜体][太字]瓦礫に押しつぶされた、美咲の肉体。[/太字][/斜体]
[斜体]俺は目の前が真っ暗になった。
どうして、どうしてこうなった。
なぜ、なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ…
お願いだから、やり直させてくれ。[/斜体]
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[下線][太字]六月二十八日、夏休み初日[/太字][/下線]
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