”手術中”のランプが怪しく光る”手術室”の中。
”黒人”の猛攻をひたすら避け続ける結真。

結真『(この部屋じゃ狭すぎてこっちから攻撃が出来ないっ‼とりあえず廊下に出たいけど･･･)』

先程からずっと、避けながら扉を攻撃しているが一向に開く気配がない。このままだと正直言って決着はつかないままだ。
”黒人”が振った手が当たり、”手術室”にある道具が音を立てて床に落ちていく。その落ちていったものたちをすぐに拾い、結真は”黒人”にとてつもない速さで投げ続ける。その速さは人が本来出せる速度を超えている。
だが”黒人”はやはり避けようとせずにその巨体で全て受け止めている。勿論、体には傷一つも残っていない。

結真『傷がつかないって･･･私結構強めに投げてっからショックなんだけど‼』

床、壁、天井、部屋の中のあらゆるものを使って動き回る結真は、その大きな瞳を細めて”黒人”を睨む。
そのまま、状況は動かず＿＿＿＿＿＿
ｶﾞﾁｬ
いくら結真が蹴ってもびくともしなかった扉がまたひとりでに開いたのだ。
まるで結真をどこかへ誘うように。