結『中は思ったよりキレイなんだ』

電気が途絶えた暗い病院の中を見回しながら歩く。
ちなみに結真は怖いのが大の苦手だ。随分前に薫と青◯をした結果、大声で叫びながら逃げ惑いうくらいには苦手だ。一応クリアはしたが。
だが、怖がるにも条件がある。
＿＿＿＿＿ｶﾞﾀﾝｯ
診察室の散らかっていたカルテを眺めていた結真はふと、他の部屋から聞こえた微かな音に形の良い耳をピクッと動かした。

結『(何かが風か何かで落ちる音？いや、この音は･･････人がたてた音だ)』

普通の人間よりも桁違いに優れた聴覚により、音の原因を考える結真。

結『(そもそも、なんでこんな50年も前に潰れた病院が残ってるんだ？･････････なんかがいるからか)』

そこまで考えると、結真は診察室をあとにした。


その頃＿＿＿＿＿＿＿病院のある一室にて。

「ああ、また新たな実験体がやって来た･･････。だが体は薬に耐えられるかだけは試さなければならないなぁ･･･ああ、忙しい忙しい」

暗く広い部屋を、病院のカメラからの映像が映し出されたモニターが薄暗く照らしていた。
その部屋の中央で、体のサイズよりも遥かに大きい白衣を着た人影がある。
その人影は廊下を歩く結真が映ったモニターを熱心に見つめていた。