その話を聞いて数日後。
八神家専用の飛行機『スィエロ』に乗って『レヴォル』までやって来た。
テレビでしか見たことのない島にやって来た二人は目を輝かせた。

楓「でも、咲原さんって旅行とかで来たことありそうな気したけど」

結香「この島には来たことないわよ？なんか色々と許可ないといけないって話だもの。それに私、別に旅行とか好きじゃないし」

結香はそこまで言ってからジト目で楓を見つめると、

結香「もう私ら、呼び捨てでいいでしょ？あんな目に遭って、まあ成り行きとはいえ協力したわけだし･･･」

後半につれ声が小さくなっていく結香。楓はそんな彼女に驚きながらも、笑いながら、

楓「咲原さんって優しいんだね。なんか勘違いしてたかも」

結香「だから‼️呼び捨てでいいって言ってるでしょ!?よろしくねっ、楓‼️」

ヤケクソのようにそう叫んだ結香は頬を赤らめながら先に行く羅真に着いて行く。楓は目を見開き、そして笑った。そのまま結香の隣まで走り、

楓「よろしく、結香」

結香「お願いだから気は遣わないでよ？」

そう笑い合う二人を羅真は首だけで振り返り、見つめる。

羅真「青春じゃなあ、お二人さんよ。ちなみにここからはワシから離れんほうがいいぞ。はぐれたらめんどくさいからのぅ」

そう言い前を見た羅真。彼につられ、二人も前を見つめる。
＿＿＿＿＿＿＿そこには森があった。別世界と見間違いそうなほどの幻想的な森。見たこともない神秘的な生き物たちがこちらを見つめてくる。

結香「ここは･･･」

羅真「”賢者の森”。大昔に、”賢者”と呼ばれた男が作った結界じゃ。正しいルートを通らない限り、ゴールに辿り着くことができない森」

楓「ちなみに･･･辿り着くことができなかった場合はー･･･」

羅真「運が良かったら”賢者”が封印されている祠に辿り着く、運が悪かったら森の主にくわれてお陀仏じゃな」

平然とそう言った羅真の言葉に震え上がる二人。だが羅真はそのまま森の中へと進む。楓と結香はそんな羅真の後ろを慌てながら追いかけていった。