―――――縁側に座って景色を眺めながら鼻歌を歌う。
奏でられるリズムは歌っている本人の声質の影響か、誰が聞いても飽きないような、耳心地のいい歌だ。

『〜♪〜〜♫』

ふと、歌っていた者――――少女は歌声を止め、懐かしむような、それとも奥深くの記憶を探り出すようにその赤い瞳を細めた。
そして小さく、先程の歌声とは全く違う掠れた声で呟いた。

『[漢字]結伊[/漢字][ふりがな]ゆい[/ふりがな]･･･』