二次創作
先輩、俺だけ見て下さい 【kzh】
#1
Prologue
中三、うだるような夏の日
セミがうるさく耳を刺激して
進める足を急かしながら
涼しい叶の家に向かっていた。
俺以外のやつはチャリだけど
あいにく俺はチャリを持ってないせいで
リュックにゲームを詰めて歩く。
重たいし何より暑い。
あちー、はやくつかねえかな、
そんなことを考えつつ
溶けかけのアイスを頬張った。
葛葉「お、あいつら来てんじゃん」
葛葉「てかチャリで来てるやつキモすぎ」
口の中のアイスがなくなり
ふと顔を上げると目に入る
置いてある数台のチャリ。
絶対ジュース奢ってもらお、と
タオルで汗を拭いつつ
インターホンを押し込んだ。
葛葉「あっつ、死ぬだろこれ」
相変わらず小言を呟いていると
玄関のすぐ隣にある窓のカーテンが
シャッと開いて叶が顔を覗かせる。
するとそれにつられてか
にょきにょき顔が生えてきて
思わず顔をしかめた。
ここからでも聞こえる
ローレンのクセつよ笑い声。
いやはやく開けろよ。
そして扉が開いたのは
あいつらがひっこんで数十秒
しばらくしてだった。
ガチャ、とドアが開くと同時に
ミルクティーの髪色が見えたから
てっきり叶だと勘違いして。
だから、おせーぞ、とでも
文句垂れてやろうと思ってて。
●●「わ、かなえくんのお友達かな?こんにちは〜」
でも、出てきたのは
俺の初恋を奪っていった
あの人だった。
不思議と体がこわばって
暴れ出す心臓が痛い。
葛葉「ア、そう、っす葛葉です、遊びにきました、」
●●「他の子も来てるみたいだよ」
空色を閉じ込めた
ガラス玉のような瞳に
思わず息を呑んだ。
高校生である●●さんは
俺の知る姿とはすこし変わっていて
あの柔らかい雰囲気を残したまま
すっかり大人の女性になっていた。
叶「●●ちゃん二階にいてって言ったよね?」
●●「かなえくん待って話を聞いてほしいの」
叶「問答無用なんだけど?早く行くよ」
叶「あ、●●ちゃんがごめん葛葉」
葛葉「え?あ、や、別に」
目は合わせてない。
声はどもってる。
覚えられてない。
その3コンボに殺されそうで
●●さんが見えなくなってすぐ
コ゚シャ、と玄関で崩れた。
ロレ「え?え?くっさん熱中症?」
不破「ちゃうっしょさっきの見とった?」
ロレ「は?」
久しぶりの●●さんに
悶え苦しみながら
交わした言葉を噛み締めていた。
セミがうるさく耳を刺激して
進める足を急かしながら
涼しい叶の家に向かっていた。
俺以外のやつはチャリだけど
あいにく俺はチャリを持ってないせいで
リュックにゲームを詰めて歩く。
重たいし何より暑い。
あちー、はやくつかねえかな、
そんなことを考えつつ
溶けかけのアイスを頬張った。
葛葉「お、あいつら来てんじゃん」
葛葉「てかチャリで来てるやつキモすぎ」
口の中のアイスがなくなり
ふと顔を上げると目に入る
置いてある数台のチャリ。
絶対ジュース奢ってもらお、と
タオルで汗を拭いつつ
インターホンを押し込んだ。
葛葉「あっつ、死ぬだろこれ」
相変わらず小言を呟いていると
玄関のすぐ隣にある窓のカーテンが
シャッと開いて叶が顔を覗かせる。
するとそれにつられてか
にょきにょき顔が生えてきて
思わず顔をしかめた。
ここからでも聞こえる
ローレンのクセつよ笑い声。
いやはやく開けろよ。
そして扉が開いたのは
あいつらがひっこんで数十秒
しばらくしてだった。
ガチャ、とドアが開くと同時に
ミルクティーの髪色が見えたから
てっきり叶だと勘違いして。
だから、おせーぞ、とでも
文句垂れてやろうと思ってて。
●●「わ、かなえくんのお友達かな?こんにちは〜」
でも、出てきたのは
俺の初恋を奪っていった
あの人だった。
不思議と体がこわばって
暴れ出す心臓が痛い。
葛葉「ア、そう、っす葛葉です、遊びにきました、」
●●「他の子も来てるみたいだよ」
空色を閉じ込めた
ガラス玉のような瞳に
思わず息を呑んだ。
高校生である●●さんは
俺の知る姿とはすこし変わっていて
あの柔らかい雰囲気を残したまま
すっかり大人の女性になっていた。
叶「●●ちゃん二階にいてって言ったよね?」
●●「かなえくん待って話を聞いてほしいの」
叶「問答無用なんだけど?早く行くよ」
叶「あ、●●ちゃんがごめん葛葉」
葛葉「え?あ、や、別に」
目は合わせてない。
声はどもってる。
覚えられてない。
その3コンボに殺されそうで
●●さんが見えなくなってすぐ
コ゚シャ、と玄関で崩れた。
ロレ「え?え?くっさん熱中症?」
不破「ちゃうっしょさっきの見とった?」
ロレ「は?」
久しぶりの●●さんに
悶え苦しみながら
交わした言葉を噛み締めていた。
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