二次創作
先輩、俺だけ見て下さい 【kzh】
前回のあらすじ
[小文字]久々にエクスと会って、エクスの流されるままイブの家へ訪れる。[/小文字]
[小文字]葛葉がやんやしてるなか今から部屋に向かうところだった。[/小文字]
誰もいない静かな空間で
忙しなく足を組んだり降ろしたりする
落ち着かない様子の剣持刀也。
剣持から連絡を寄越したきり
送信先からは音沙汰なしで
なお帰りが妙におそい。
何してんだ、と叫びたいのを抑えて
自身を落ち着かせるべく座り直し
なんでこんなに遅いのか考える。
剣持「あ、そういや明那、って」
家を出る前の例のグループの話。
眠たくてぼーっとしていると
佐藤が突然「明那」なんて
大きな声を出すもんだから。
しかもそのあと誰かに連絡してたよな。
...や、何か急に関わってきてる気がしてきた。
だとして、そう仮定してみれば
今佐藤はきっと明那くんのとこにいて。
剣持「いやいやいや...だいぶまずくないか?それは」
いまだに好きなんじゃないかと、
小学生から思ってた奥底の疑いが
根拠を有して再浮上する。
まだ決定したわけでもないのに
頭がどんどん痛くなっていく。
無理無理、無理に決まってる。
帰ってきて、開口一番に
彼氏できたとか言い出したら
さすがに一発かますかもしれない。
『刀也がいちばんすき、だから___』
剣持「...そういうの、良いってば。いつの話だよ」
大人になったら結婚しようね。
ガン、と金属で頭を殴られる感覚。
この言葉を盲信してきたおかげで
どうにか●●の隣を、
恋する●●の隣を歩けたのに。
そういえば、いつからだろうか。
僕たちがお互いを
苗字で呼び合うようになったのは。
受験生になってから。
中学生から。
それとも高校から。
たぶん、どれもちがくて。
おそらく●●が渡会くんと
付き合い始めてしばらく経った頃だった。
高校が違うくせに●●と仲の良い僕は
渡会くんからすれば脅威だったらしく
●●を介して離れるよう告げられた。
●●「雲雀くんが、刀也と仲良くしないでほしいらしい」
●●「から、ちょっと話せないかも」
そうそう、あれにはどう返事したんだっけ。
座り直したはずの姿勢は
いつの間にか寝転がる姿勢になっていて、
それに気付いた瞬間
過去に浸っていた意識がハッと戻ってくる。
不安定な呼吸を整えつつ
放心して天井を見つめていると
ゆるく握られたスマホが主張する。
葛葉:マリカー中。もちさん来る?
葛葉:●●先輩もいますよ
誘いを見た瞬間、行くとだけ送って
家を出る準備を進めた。
[小文字]久々にエクスと会って、エクスの流されるままイブの家へ訪れる。[/小文字]
[小文字]葛葉がやんやしてるなか今から部屋に向かうところだった。[/小文字]
誰もいない静かな空間で
忙しなく足を組んだり降ろしたりする
落ち着かない様子の剣持刀也。
剣持から連絡を寄越したきり
送信先からは音沙汰なしで
なお帰りが妙におそい。
何してんだ、と叫びたいのを抑えて
自身を落ち着かせるべく座り直し
なんでこんなに遅いのか考える。
剣持「あ、そういや明那、って」
家を出る前の例のグループの話。
眠たくてぼーっとしていると
佐藤が突然「明那」なんて
大きな声を出すもんだから。
しかもそのあと誰かに連絡してたよな。
...や、何か急に関わってきてる気がしてきた。
だとして、そう仮定してみれば
今佐藤はきっと明那くんのとこにいて。
剣持「いやいやいや...だいぶまずくないか?それは」
いまだに好きなんじゃないかと、
小学生から思ってた奥底の疑いが
根拠を有して再浮上する。
まだ決定したわけでもないのに
頭がどんどん痛くなっていく。
無理無理、無理に決まってる。
帰ってきて、開口一番に
彼氏できたとか言い出したら
さすがに一発かますかもしれない。
『刀也がいちばんすき、だから___』
剣持「...そういうの、良いってば。いつの話だよ」
大人になったら結婚しようね。
ガン、と金属で頭を殴られる感覚。
この言葉を盲信してきたおかげで
どうにか●●の隣を、
恋する●●の隣を歩けたのに。
そういえば、いつからだろうか。
僕たちがお互いを
苗字で呼び合うようになったのは。
受験生になってから。
中学生から。
それとも高校から。
たぶん、どれもちがくて。
おそらく●●が渡会くんと
付き合い始めてしばらく経った頃だった。
高校が違うくせに●●と仲の良い僕は
渡会くんからすれば脅威だったらしく
●●を介して離れるよう告げられた。
●●「雲雀くんが、刀也と仲良くしないでほしいらしい」
●●「から、ちょっと話せないかも」
そうそう、あれにはどう返事したんだっけ。
座り直したはずの姿勢は
いつの間にか寝転がる姿勢になっていて、
それに気付いた瞬間
過去に浸っていた意識がハッと戻ってくる。
不安定な呼吸を整えつつ
放心して天井を見つめていると
ゆるく握られたスマホが主張する。
葛葉:マリカー中。もちさん来る?
葛葉:●●先輩もいますよ
誘いを見た瞬間、行くとだけ送って
家を出る準備を進めた。