邪神と言う存在が実際に存在し、ニンゲンが《遺能力》を持つこの世界では時々、〔[漢字]花嫁[/漢字][ふりがな]ファタール[/ふりがな]〕と言うものが現れる。
邪神の花嫁と呼ばれ、閏年に決まる、帰ってきた娘は居らず帰ってきた時は国宝として扱われ、家族には多額のお金が渡される。
だからといって子を思う親は閏年は憂鬱…と言うか、絶望する。ま、中には自分の子が決まってほしい人も少なくないけど、決まった少女は皆、左目が赤く染まる、そして大抵の場合は食い殺される…という感じだ
かと言う私も今日の朝起きて割れた鏡を見て左目が赤くなったことに気づいた。
どうやら私が花嫁らしい。
そういえば今年閏年だったな、とか、食い殺されるんだったっけ、とか色々考えてみるが、埒が開かないので外へ行こうとした瞬間に、
私は大きな穴に落ちた。