僕はドアをくぐった。ハスミンに言われるままに。
ドアをくぐると見覚えのある女の人が立っていた。
「ようこそ。」「あれ？あの子は？」
女の人は僕の周りをキョロキョロ見回した。
「あの…さっきまでいたんですけど」
その言葉で女の人はハッと目覚めたかのような顔になった。
「その…腕輪を見てくれる？」「は、はい」
僕が腕輪を見るとある一部分だけが膨らんで白色に光っていた。
女の人は「そこを押してくれる？」と行ったので僕が膨らんでいる部分を押すと、前にはハスミンの姿があった。
女の人はハスミンに言った。「きちんと説明した？私の名前とかも」
ハスミンの顔を見ると真っ青だった。きっと全部説明できていないのだろう。
ハスミンはゆっくり口を開いて涙をポツポツ落としながらいった。
「ち、朕がわるぅいのでござぃまぅ。ごめんなさぃい。」そういいながらハスミンはわーっと泣き出してしまった。
女の人は優しそうにハスミンに話しかけた。
「別にあなたが説明できなかったのを責める気はないのよ。説明できてないのだったら私が説明すればいいのだから。ただ、聞きたかっただけなのよ。説明したの？」
するとハスミンは首を横に振った。
女の人は「わかった。あなたは登世の腕輪の中で休んどきなさい」
その言葉が合図なのかのようにハスミンは消えていて、また私の腕輪の一部分が膨らんで、光っていた。
女の人はこちらを向いた。「あなたが登世さんよね」「は、はい！」
僕は急にハスミンがいなくなったからなのか急に緊張してきた。
女の人は「そんなに緊張しなくてもいいわよ」と爽やかな笑顔で返してきた。
「では、説明するわね」急に女の人の顔が真面目になったので、僕もつられて真面目な顔で聞いていた。
「あなたがここにきたのは間違いなく魔力特別教会の会長に選ばれた7人だからなのよ」へ？魔力特別教会？会長？選ばれた？7人の中に？
女の人は僕が聞く前に言った。
「魔力特別教会っていうのは普通の世界にいて、魔力の才能を持っている人をさがしだすという教会よ。で、あなたはその魔力の才能を持っている人なの」
「あなたの腕輪がその証よ。その選ばれた人は腕輪を授けれ、その7人の中で自分だけの色で自分だけのペットがその腕輪に授けられる」
「でね、才能があるイコールいますぐ魔法を使えるってわけじゃないの。練習をしないといけないのよ」僕はうんうんと頷いた。確かに才能がある人は何をしなくても勉強ができるってわけじゃないからね。
「で、もう少しでその7人が揃うんだけどその、練習をするときにあなたの腕輪が光るから、絶対に来てね。」「はい」僕は返事をした。
「では今日はこれで終わり」と女の人が言いかけたとき
「ああ、いうのを忘れていたわ。私がその7人に教える人の師範よ。師範って呼んでね」
そう言ってまた気づくと物置の前に立っていた。