君からもらった宝物。
私はこっそりと2人の後を追った。
会長はみみに何を話すのか知りたかった。
2人について行ったのは興味本位ではあったけど、もしかしたら私について何か言うかもしれないと思った。
屋上に上るまでの階段のところで立ち止まった。
「ここなら誰も来ないはず。」
私は来てますけどね。私は物陰に隠れて話を聞いていた。音を一つも立てられない。ホコリっぽくてくしゃみが出そうだったけど、なんとかこらえた。
「話って何?急にどーしたの、そんな真剣な顔しちゃって、まあそういうところが好きなんだけど」
みみはすっかり笑顔で幸せそうだった。
会長は全く笑わない。
「俺ら、……………別れよう。」
「えっ!?………またまたそんなこと言って冗談でしょ」
みみはまだ本気で受け止めていないそうだ。私は聞いていて、声も出なくなった。
「笑わないでくれ、真剣に話したい」
みみは涙目だった。
「……私の何がだめだったの?何がいけなかったの?!ねえ、教えて!」
興奮しているみみを見ても、会長は落ち着いていた。揺るがない気持ちがあるらしい。
「全部話すから……俺が全部言い終わってから文句は言ってくれ、まず最初に言うけど、これは俺が決めたこと。この前、古田先生と梅野が話しているのを聞いた時、思った。梅野が俺のことをそんな風に思っていたなんて全く気づいてなかった。それはすごく嬉しかったよ。だけど、同時に俺自身も考えさせられた。俺じゃ、みみを幸せにできない。かわいくて、優しくて、素敵なみみの隣にはこんな俺なんかじゃなくて、もっと素敵な人がいるべきだ、そう思った。俺にはお前を幸せにはしてやれない。みみにはもっともっと最高の運命の人がいる。そう感じた。こんな考えは俺の勝手だし、みみは俺のことが好きだって知ってる。だけど……今後のみみのことを思って今、俺はこう言ってるんだ。俺はみみの隣に似合わない。」
みみは泣きながらも話を聞いていた。
「それで私と分かれてどうするつもり?結局、梅野さんと付き合おうって言うんでしょ。」
「まだそこまで考えてない。とりあえず、一旦リセットしたいだけなんだ。俺に考える時間をくれ。それでみみにどうしても未練が残るなら、またそのときはその時だ。一回、終わりにしないか?」
その場は静かになった。
みみは涙をこぼして、声を荒げて言った。
「………わかった。私のことなんてどうでもいいんでしょ?ずっとそうだったんでしょ?!今まで思わせぶりなこと言ったりして!
もう知らない!もういいよ、あなたが決めたことなら私は尊重するわ。」
「そんなことは思ってない。俺はずっとみみのこと好きだった。だけど、俺自身、一回冷静になりたいんだ……それだけなんだ……ほかに好きな人が出来たから、とかそんなんじゃない。分かってくれ。」
会長は泣き崩れるみみをギュッと抱き寄せた。
2人の時間が流れる。
―――私はここにいていいのだろうか。
「じゃあな。また生徒会では普通に話そう。」
会長はそう言い残し、去って行った。みみはその場で大泣きした。私はある演出を企んでいた。
いったん物陰から出て、遠くから歩いてくるふりをした。私は勝ち誇った表情でみみに聞いた。
「どうしたの?大丈夫?」
みみは泣きながらも言った。
「私は、負けた。彼、梅野さんに惚れ込んでるのよ。一生懸命なところとか、きっと魅力的なのよ。こうなったら、もう絶対あんたたちが幸せにならないと私が許さないわ。」
「……うん」
「何で元気ないのよ、あんたが落ち込んでどうするの、ほら行くよ。もう下校時刻よ。」
廊下が月明かりで照らされた。私は目まぐるしいほどの急展開に全く実感が湧かなかった。
あまりの激しさに、夢じゃないか、とまで思うほどだった。
会長はみみに何を話すのか知りたかった。
2人について行ったのは興味本位ではあったけど、もしかしたら私について何か言うかもしれないと思った。
屋上に上るまでの階段のところで立ち止まった。
「ここなら誰も来ないはず。」
私は来てますけどね。私は物陰に隠れて話を聞いていた。音を一つも立てられない。ホコリっぽくてくしゃみが出そうだったけど、なんとかこらえた。
「話って何?急にどーしたの、そんな真剣な顔しちゃって、まあそういうところが好きなんだけど」
みみはすっかり笑顔で幸せそうだった。
会長は全く笑わない。
「俺ら、……………別れよう。」
「えっ!?………またまたそんなこと言って冗談でしょ」
みみはまだ本気で受け止めていないそうだ。私は聞いていて、声も出なくなった。
「笑わないでくれ、真剣に話したい」
みみは涙目だった。
「……私の何がだめだったの?何がいけなかったの?!ねえ、教えて!」
興奮しているみみを見ても、会長は落ち着いていた。揺るがない気持ちがあるらしい。
「全部話すから……俺が全部言い終わってから文句は言ってくれ、まず最初に言うけど、これは俺が決めたこと。この前、古田先生と梅野が話しているのを聞いた時、思った。梅野が俺のことをそんな風に思っていたなんて全く気づいてなかった。それはすごく嬉しかったよ。だけど、同時に俺自身も考えさせられた。俺じゃ、みみを幸せにできない。かわいくて、優しくて、素敵なみみの隣にはこんな俺なんかじゃなくて、もっと素敵な人がいるべきだ、そう思った。俺にはお前を幸せにはしてやれない。みみにはもっともっと最高の運命の人がいる。そう感じた。こんな考えは俺の勝手だし、みみは俺のことが好きだって知ってる。だけど……今後のみみのことを思って今、俺はこう言ってるんだ。俺はみみの隣に似合わない。」
みみは泣きながらも話を聞いていた。
「それで私と分かれてどうするつもり?結局、梅野さんと付き合おうって言うんでしょ。」
「まだそこまで考えてない。とりあえず、一旦リセットしたいだけなんだ。俺に考える時間をくれ。それでみみにどうしても未練が残るなら、またそのときはその時だ。一回、終わりにしないか?」
その場は静かになった。
みみは涙をこぼして、声を荒げて言った。
「………わかった。私のことなんてどうでもいいんでしょ?ずっとそうだったんでしょ?!今まで思わせぶりなこと言ったりして!
もう知らない!もういいよ、あなたが決めたことなら私は尊重するわ。」
「そんなことは思ってない。俺はずっとみみのこと好きだった。だけど、俺自身、一回冷静になりたいんだ……それだけなんだ……ほかに好きな人が出来たから、とかそんなんじゃない。分かってくれ。」
会長は泣き崩れるみみをギュッと抱き寄せた。
2人の時間が流れる。
―――私はここにいていいのだろうか。
「じゃあな。また生徒会では普通に話そう。」
会長はそう言い残し、去って行った。みみはその場で大泣きした。私はある演出を企んでいた。
いったん物陰から出て、遠くから歩いてくるふりをした。私は勝ち誇った表情でみみに聞いた。
「どうしたの?大丈夫?」
みみは泣きながらも言った。
「私は、負けた。彼、梅野さんに惚れ込んでるのよ。一生懸命なところとか、きっと魅力的なのよ。こうなったら、もう絶対あんたたちが幸せにならないと私が許さないわ。」
「……うん」
「何で元気ないのよ、あんたが落ち込んでどうするの、ほら行くよ。もう下校時刻よ。」
廊下が月明かりで照らされた。私は目まぐるしいほどの急展開に全く実感が湧かなかった。
あまりの激しさに、夢じゃないか、とまで思うほどだった。