二次創作
君にサーブ!
「チビマネちゃん、起きてる?ってか、生きてる〜?」
「……生きてますぅぅ……」
夏合宿初日。
午前から夕方までの猛練習により、私は完全に電池切れだった。
「マネージャー業も、甘くないでしょ〜?」
にやっと笑う及川先輩。でも、その手には、私のために持ってきてくれた冷えたスポドリ。
「ほら、水分とって。倒れたら大変だからさ」
「せ、先輩……やさしい……」
「うんうん、惚れていいよ?☆」
「調子乗りましたね今!」
夜、宿舎の縁側。
少し涼しい風が吹いて、疲れた体がふっと軽くなる。
「ところでさー、夜のレク、やっぱ花火に決定らしいよー?」
と、松川先輩がやってくる。
「花巻が“浴衣着たら絶対盛り上がる”とか言ってさ。で、強制着替えタイムが始まるから準備しとけって」
「浴衣!?……え、えええっ!?きいてないですー!」
「ふふ、楽しみにしてるね」と松川が微笑む。
◇ ◇ ◇
その夜。
「チビマネちゃ〜ん、準備できた〜?」
浴衣姿の及川先輩が迎えに来た瞬間、時が止まった。
まぶしい。まぶしすぎる。なにその完璧な着こなし。
「……って、うわ、なにその可愛さ!え、チビマネちゃん、それ反則じゃない?」
「ちょ、ちょっと、見ないでください〜!」
「いやいや、無理でしょ!かわいすぎて、こっちのHPがゼロなんですけど!!」
「くそ川うっせぇ!」とすかさず岩泉先輩が蹴りをいれる
「いたっ」
浴衣姿でぞろぞろと集まる青葉城西メンバー。
どこかいつもよりリラックスしてて、部活の時とはまた違う顔をしてる。
「ねぇ、線香花火、一緒にやらない?」
及川先輩に誘われて、私はうなずいた。
◇ ◇ ◇
2人で並んで座る。小さな炎が、線の先でぱちぱちと踊る。
「……合宿、しんどいけど、楽しいね」
「はい……すごく。先輩たちのことも、もっと好きになりました」
「……そっか」
及川先輩が、静かに笑う。
「チビマネちゃんさ、最初はちっちゃくて、ふわふわしてて、頼りなさげだったけど……今は、青葉城西に欠かせない存在だよ」
「……っ」
「ほんと、ありがとう。俺ね、マジで助かってる」
そして、そっと彼の指先が私の指に触れた。
ほんの一瞬。でも、確かにあたたかいぬくもりだった。
「……もっと、近くで見ててくれる?」
「……はい」
ぱちっと火が落ちて、闇の中に光が消えた。
でも――私の胸の中には、まだずっと、あの火が灯っていた。
「……生きてますぅぅ……」
夏合宿初日。
午前から夕方までの猛練習により、私は完全に電池切れだった。
「マネージャー業も、甘くないでしょ〜?」
にやっと笑う及川先輩。でも、その手には、私のために持ってきてくれた冷えたスポドリ。
「ほら、水分とって。倒れたら大変だからさ」
「せ、先輩……やさしい……」
「うんうん、惚れていいよ?☆」
「調子乗りましたね今!」
夜、宿舎の縁側。
少し涼しい風が吹いて、疲れた体がふっと軽くなる。
「ところでさー、夜のレク、やっぱ花火に決定らしいよー?」
と、松川先輩がやってくる。
「花巻が“浴衣着たら絶対盛り上がる”とか言ってさ。で、強制着替えタイムが始まるから準備しとけって」
「浴衣!?……え、えええっ!?きいてないですー!」
「ふふ、楽しみにしてるね」と松川が微笑む。
◇ ◇ ◇
その夜。
「チビマネちゃ〜ん、準備できた〜?」
浴衣姿の及川先輩が迎えに来た瞬間、時が止まった。
まぶしい。まぶしすぎる。なにその完璧な着こなし。
「……って、うわ、なにその可愛さ!え、チビマネちゃん、それ反則じゃない?」
「ちょ、ちょっと、見ないでください〜!」
「いやいや、無理でしょ!かわいすぎて、こっちのHPがゼロなんですけど!!」
「くそ川うっせぇ!」とすかさず岩泉先輩が蹴りをいれる
「いたっ」
浴衣姿でぞろぞろと集まる青葉城西メンバー。
どこかいつもよりリラックスしてて、部活の時とはまた違う顔をしてる。
「ねぇ、線香花火、一緒にやらない?」
及川先輩に誘われて、私はうなずいた。
◇ ◇ ◇
2人で並んで座る。小さな炎が、線の先でぱちぱちと踊る。
「……合宿、しんどいけど、楽しいね」
「はい……すごく。先輩たちのことも、もっと好きになりました」
「……そっか」
及川先輩が、静かに笑う。
「チビマネちゃんさ、最初はちっちゃくて、ふわふわしてて、頼りなさげだったけど……今は、青葉城西に欠かせない存在だよ」
「……っ」
「ほんと、ありがとう。俺ね、マジで助かってる」
そして、そっと彼の指先が私の指に触れた。
ほんの一瞬。でも、確かにあたたかいぬくもりだった。
「……もっと、近くで見ててくれる?」
「……はい」
ぱちっと火が落ちて、闇の中に光が消えた。
でも――私の胸の中には、まだずっと、あの火が灯っていた。