貴方に恋をした。
真夏特有の温い風が頬を撫でた。
誰か、入って来たのだろう。
大方、選手やコーチ、監督なのだろうと思いつつ顔を上げる。
「あの、周東佑京って呼べますか?」
そこに来たのは応援席で泣いていた女性だった。
纏めていた髪も今は下ろしているし、泣いたことを裏付けるかのように目元は赤い。
あの女性で間違いなかった。
「あの…?」
「あ、はい。佑京さんですね。僕も今待ってるんですけど、奥さんと連絡してるっぽくて…」
慌てて女性の質問に答える。
名前、何て言うんだろ…。
少なくとも佑京さんと何らかの関係があることは明らかだ。
それも親戚か、家族か。
「おっそーい!」
「あ、佑京さ──「は?何言ってんの?キッショ。ねぇ、早く交通費頂戴?」
女性がいきなりやって来た佑京さんに牙をむく。
「はいはい、いくら?」
「3100円」
僕の、背番号。
31、
ふーん…。
なんか、少しだけ嬉しい。
「お、ニヤけてるー!」
「黙って、兄さん」
「兄さん、?」
兄妹なんだ。
年齢とか聞いちゃった方がいいかな、
失礼か。
「──…改めまして、周東佑京の妹の周東●●です。…あと、正木選手と同い年ですね。よろしくお願いします」
僕の事、知ってたんだ。
「そうなんですね、こちらこそよろしくお願いします。正木智也です」
一応、名前は言っておいた方がいい気がした。
「なんでそんな二人固いの?まさか、文春とか怖がってる?大丈夫だと思うけど…」
あ、そうか。そういう事も考えないといけないのか。
「ホームランボール、私の手の中に落ちてきたんです」
佑京さんの言葉をフル無視して●●さんは話し出す。
僕のホームランボール、ちょうど●●さんのところに落ちたんだ…。
「すっごく痛かったですけど、おかげで目が覚めました」
よく見れば、●●さんの両手には冷えピタが貼られていた。
──…冷えピタ、手に貼るんだ。
「ああ、冷えピタですか?冷やせるものがこれしかなくって」
「!?ちょっ、待っててください!」
誰か、入って来たのだろう。
大方、選手やコーチ、監督なのだろうと思いつつ顔を上げる。
「あの、周東佑京って呼べますか?」
そこに来たのは応援席で泣いていた女性だった。
纏めていた髪も今は下ろしているし、泣いたことを裏付けるかのように目元は赤い。
あの女性で間違いなかった。
「あの…?」
「あ、はい。佑京さんですね。僕も今待ってるんですけど、奥さんと連絡してるっぽくて…」
慌てて女性の質問に答える。
名前、何て言うんだろ…。
少なくとも佑京さんと何らかの関係があることは明らかだ。
それも親戚か、家族か。
「おっそーい!」
「あ、佑京さ──「は?何言ってんの?キッショ。ねぇ、早く交通費頂戴?」
女性がいきなりやって来た佑京さんに牙をむく。
「はいはい、いくら?」
「3100円」
僕の、背番号。
31、
ふーん…。
なんか、少しだけ嬉しい。
「お、ニヤけてるー!」
「黙って、兄さん」
「兄さん、?」
兄妹なんだ。
年齢とか聞いちゃった方がいいかな、
失礼か。
「──…改めまして、周東佑京の妹の周東●●です。…あと、正木選手と同い年ですね。よろしくお願いします」
僕の事、知ってたんだ。
「そうなんですね、こちらこそよろしくお願いします。正木智也です」
一応、名前は言っておいた方がいい気がした。
「なんでそんな二人固いの?まさか、文春とか怖がってる?大丈夫だと思うけど…」
あ、そうか。そういう事も考えないといけないのか。
「ホームランボール、私の手の中に落ちてきたんです」
佑京さんの言葉をフル無視して●●さんは話し出す。
僕のホームランボール、ちょうど●●さんのところに落ちたんだ…。
「すっごく痛かったですけど、おかげで目が覚めました」
よく見れば、●●さんの両手には冷えピタが貼られていた。
──…冷えピタ、手に貼るんだ。
「ああ、冷えピタですか?冷やせるものがこれしかなくって」
「!?ちょっ、待っててください!」
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