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貴方に恋をした。

#3


言われた通り、ホテルのロビーで一人、佑京さんを待ち続ける。

かれこれ十分はもう待っているだろうか。

「何見てるの?」

やっと佑京さんが来た…。とはならかった。

声の正体は佑京さんではなく、ホームランバッターとして今シーズンからホークスにやって来た山川さん。

「近藤さんのバッティング映像ですね」

「へぇ、真面目だね~。あ、ご飯いかない?ラーメンとか」

ラーメン、かぁ…。

「これから少し、佑京さんと約束があって…」

ほんの少しだけ迷い、断る。

「あ、そう?そっか、じゃあまた今度行こうね」

「はい、すみません。良ければ今度、食堂で一緒にどうですか?」

「お、いいねぇ…!うまかっちゃんとか言えば出してくれるかな?」

「マルタイラーメンじゃないですかね?あっても」

「そっかぁ…。まぁ、言ってみるよ。」

ラーメンはとんこつが一番好き。

「あー…そうだ、周東さんなら多分、奥さんと連絡中かな。ニマニマしてたから」

それはそれは…。

流石に連絡しないでとは言えないし、奥さん大好きなのはいい事だろうし。

何も言えないな。

「そうなんですね、教えてくれてありがとうございます。もう少し待ってみます」

「うん。力になれずにごめんね~。じゃあ、また!」

「はい、ありがとうございます!」

山川さんはるんるんと軽い足取りで食堂に向かって行った。

──…試合でもあれぐらい足が早ければいいのに。

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作者メッセージ

シーズン──…3月末か、4月初めから10月初めまで。

2024/10/12 16:03

伊折 ID:≫ppBd7rNLoAd1k
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