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【曲のリクエスト募集中】アカペラ歌手から始まる三人組バンド

#29

合格者

一次審査通過者が発表されてから数秒後。

審査から落ちた二人のアバターが、小刻みに震える。

今回のアバターに涙を再現する機能はないが、それでも泣いているのがわかる。

今の私にはわからない感情が心を掠めた。

孤湖「そっか。そっかぁ……」

震える唇で、言葉を並べる。

孤湖「あはは、でもしょうがないよね。私じゃ実力不足だってわかったいい機会だった!」

孤湖は笑顔を見せた。だが、顔を歪ませている。

澪「…孤湖ちゃん…。無理に笑わなくていいんだよ…?こういう時は、泣いていいんだよ…?
またチャンスがあるよ。そう信じないと、この世界ではやっていけない…」

孤湖「…うん。澪ちゃん、ありがとう。挑戦をやめる気はないよ。
ただ、輝く場所が違ったってだけ。だから、見ててよ澪ちゃん」

もう声は震えていない。

澪「うん……」

音「僕だって…っまだまだ挑戦しますよ。孤湖さん、負けませんからね」

孤湖「望むところ〜!」

二人は元に戻っていた。いや…さらに輝いているようにも見える。

スイ「そうそう!その意気だよ!頑張ってね!
そして三人ともおめでと〜!明日の面接も頑張ってね〜!」

スイが画面から消える。

レン「五人とも、確かな実力がある。
引き続き精進してほしい。また明日会おう」

レンも消える。練習があるのかな。

そしてプロデューサーも頷きながら静かに画面からいなくなった。

そうして、一次審査は静かに幕を下ろした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日

二次審査は三人別の時間帯で行われるらしく、くじ引きで順番を決める。

私は三番目だった。

澪「はあー…、緊張するなぁ〜」

今回は、トーク力を試される。

特技の披露なども要求される可能性があるので、一週間とことん練り上げてきた。

5Rayのことはよく知っていると思ってるけど、油断はしてられない。

今回は新メンバー加入と言う大きな目的があるオーディションだ。

そしてついに私の番。

パソコンを開く。

普段の私を見せる。それだけだ。

5Ray「5Rayです!今日はよろしくお願いします!」

澪「澪です、こちらこそよろしくお願いします!!」

スイ「はいはーい!あ、澪ちゃんって呼ぶね!しつもーん!」

澪「スイさん!なんですか〜?」

スイ「特技は何っ!」

ほらきた!いつも通り全力発揮!!

澪「急ですね!?特技は、ダンスです!!」

スイ「ダンス!?やばすぎるぅ!」

ユノ「歌も上手かったよね。全力で楽しんでたし、輝いてた」

澪「ありがとうございます!私やばすぎるんです⭐︎」

シオン「そういえば、澪さんは作詞作曲もできるんだよね」

そういえばってなんだよ。

澪「…はい!そうです!」

おいおいまさかバラす気じゃないだろうな雫よ…!

シオン「5Rayが歌詞を取り上げていた作詞家さんがいたんだけど、知ってる?」

やめて普通に恥ずいから!黒歴史抉られてるみたいな感覚だから!

澪「え〜?なんのことでしょうか〜?」

カイル「いや知ってるやんw」

澪「くっ……」

スイ「え?なになにどういうこと!?」

シオン「澪さんは、僕達が歌詞を取り上げた「星」さんなんだ」

レン「マジか」

シオン「うん、マジ。ね、澪さん」

澪「………ハイ⤴︎」

やべっ、声裏返った。

カイル「ww面白いなぁ自分w」

ユノ「…僕からも質問、いい?」

澪「もちろんですよ〜!」

ユノ「ダンスは誰から習った?」

澪「父です!今はいませんけどね」

カイル「親父さん!?親父さんダンスできんの!?」

澪「はい。ダンスの先生を営んでいて、私が小学生になる前亡くなりました」

レン「そうだったのか……。それは辛かったな」

澪「いえ…それほどでもなかったですよ。ほとんど覚えてないし、泣いたかも忘れてしまいました。
父は難病を患っていて、いつ亡くなるかわからなかった。
父は今を楽しめっていつも言ってました。私はその言葉通り、今を楽しみたいんです」

ユノ「そうか。…じゃあ、ここで楽しもうよ。今を」

…ん?今なんて?

澪「……んえぇ?」

スイ「あー!ユノー!なんで言うんだよぉ!」

澪「ど、どういうことですか…?」

レン「話し始めてから、全員即決だったな」

スイ「うん!!即決即決ぅ!他の二人は歌は超上手いけど、
Vtuberにとって超大切な表現力が足りなかったかなぁ。でも、いつか他の事務所で採用されてデビューすると思うよ。
孤湖っちみたいに、輝く場所が違ったってだけ。澪ちゃんが輝くのはここ!」

どうやら、私は合格してしまったらしい。

レン「おめでとう、…澪。5Ray…いや、[漢字]6Ray[/漢字][ふりがな]シクスレイ[/ふりがな]にようこそ」

…本当に…本当に…ッッ!

さっきより大粒の涙が大量に流れた。

シオン「あー、泣いちゃった」

カイル「俺も泣ぎぞゔ」

澪「いやもう泣いてるwグスッ
…私!これから6Rayのメンバーとして頑張るので、よろしくお願いします!
目指すは6Rayチャンネル登録者数200万人!!」

5Ray「おう!」

澪「あ、でもその前に…一つだけ、伝え忘れていたことがあります。
それを聞いてから、合格者を決めて欲しいです。いいですか?」

スイ「…?うん!」

澪「…私は、"楽しい"と"温かい"以外の感情を知りません。
元々はあった…けど、大切な人の死を通じて、失ったんです」

シオン「感情を…失った…?」

それを聞いたみんなが驚愕した。

澪「はい。信じられないかもしれないですけど、私の中には天照大御神がいるらしいです。その継ぐ子である天邪鬼に、歌の才を授かりました。
歌は天照大御神が目覚め、そして私の感情を取り戻すための鍵になる」

カイル「なるほど〜、それで歌が上手いんやな」

澪「わからないです。歌は前から好きだったし、小学生の頃から歌詞作ってたぐらいですからね。
ただ与えられた才能って言われると、
今までの努力は…乗り越えてきたものはなんのためだったんだってなっちゃいます」

スイ「てかさー?感情はここで取り戻せばいいんじゃん?
新メンバーが澪ちゃんじゃなくなるとは関係なくない?ね!」

レン「そうだな。澪は澪で頑張ってるんだろ。
努力してる奴は好きだし、報われて欲しいと思う」

ユノ「異論ない。僕も澪がいい」

シオン「うん。僕達にとって澪さんはもう、仲間で家族だから」

カイル「でもどうするん?
澪一人だけ女子ってなったらファン暴れまくるんちゃう?」

清水「それは大丈夫ですよ」

ディ○ダみたく画面外から現れた清水さん。

澪「何か対策があるんですか?」

清水「澪さんには、男として活動してもらいますので」

…ふざけてます??私女ですよ??どっからどう見ても。

清水「『高音でも中音でも低音でも歌えます』とおっしゃっていましたよね?」

Oh…一言一句覚えてらっしゃる…。

澪「うぅ…はい…」

清水「ニコッでは、Vはこちらで用意させていただく形になりますが、
プロフィール表を送ってもらってもいいですか?」

圧がすごいッ

澪「はい……」

全く予想してなかった結果だもんなぁ…。琴音に報告しなきゃ。

明日からもっと楽しい生活になる気がするぜ⭐︎

作者メッセージ

まぁまぁ予想通りの結果ですかね?
ただ単に動画上げてる澪ちゃんいっぱい書きたかっただけです。

2026/03/04 19:02

夢楽 ID:≫ 13U0WLjJcZw1g
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