口から自然と溢れた言葉。
初対面なのに、目と心を奪っていった彼女は...



妖夢　え、え〜っと...こ、魂魄妖夢です...が...
と、少しぎこちなさそうに自己紹介をした。
軽くペコリ、と会釈をしながら。

その振る舞いは、なんだか謙虚で。
私は更に彼女に惹かれてしまった。

霊夢　あっ、ごめんなさいね！急にこんな...
そこで初めて私は自分の名前すら明かしていなことに気がつく。

霊夢　あ、私の名前は言ってなかったわね。
私は博麗霊夢。博麗神社の巫女よ
私がそう言うと、彼女はあっ、と声を漏らして
妖夢　巫女様でしたか...！すみません！！なんとも無礼な態度を...！！

そういうと彼女はすぐさま体制を低くし、頭を下げた。
[漢字]私[/漢字][ふりがな]博麗の巫女[/ふりがな]のことは知ってるんだ。
皆、私と話すときは、私と目があったときは必ずそうする。
幻想郷のパワーバランスの中で「博麗の巫女」は、
三賢者の次に強いのだから、当たり前っちゃあ当たり前だけど...でも、私はそういう[太字]特別扱い[/太字]が嫌いなので、
是非ともやめてもらいたい。
だから...

霊夢　あ〜...頭を上げて頂戴。私、そういうのはあんまり好きじゃないの
そう言うと彼女はバッと顔を上げた

妖夢　あ、さ、左様でございますか...
霊夢　その敬語もやめて。私はプライベートな意味で貴方と仲良くなりたいと思ってるから。
妖夢　え、あ、本当ですか？

少し意味がわからないというように頭をコテンと傾ける。
その仕草が何でも愛らしい。

霊夢　ええ。だからよっぽどのことがなければ祓いはしないし、できれば話し相手になってほしいのよ。

自分でも驚くほど、スラスラと言葉が出てくる。私って、こんなに嘘吐きだったんだ＿＿...