stop
目を閉じてしばらくすると、遠くの方から車の走る音が聞こえてきた。
俺以外にも動ける人がいる。
飛び起きてリビングの窓から外の様子を伺うと、家の前に白のワゴン車が停まった。
中からは白の防護服の様な物を装った大人二人組が出てきた。
顔も防護服だけでは飽き足らず、サングラスにマスクまで付けており、性別や年齢、国籍も全く分からなかった。
ただひとつ、見つかってはいけないことは本能が理解した。
白服の二人組は車の荷台から、透明なビニールシートの様なものを被せたマネキンを下ろした。
見にくかったが、あのマネキンの顔は向かいのおっちゃん。
悪趣味なマネキンだ。
おっちゃんどころか、その奥さん、娘さんまでもそっくりなマネキンを出してきた。
それを担いで向いの家へと運び入れたかと思いきや、しばらくしてまた同じマネキンを担いで、そのまま荷台へと積み直した。
何をしているんだ。
見入っていると、今度は俺の父さん、母さん、そして妹のミサそっくりのマネキンが出てきた。
こうなれば俺に似たマネキンもあるだろう。
そんな物見たくない。
向いの家と同じならば、俺のマネキンを出した後に家へと侵入してくる。
俺は急いで階段を掛け上り、自室から繋がっている屋根裏部屋へと隠れた。
あいつらは何者なんだ。
何しに来たんだ。
手で口を押さえて息を殺す。
ほどなくして部屋のドアが開く音がした。
奴らが入ってきたんだ。
「おかしいな」
「もう一人いるはずなんだが」
なぜか日本語を話している白服の奴ら。
どうやら俺のことを探しているみたいだ。
「リストに不備があるんじゃないか?」
「一度帰るか」
「いや、もう時間がない。記憶操作をした方が早い」
言葉は分かっても言っている意味は分からない。
だけど、時間がないのであれば早く帰ってくれ。
「分かった、撤退する」
ドアの開く音がしたと思ったら、部屋から気配が消えた。
俺は助かったのか?
やった……やった!
喜びもつかの間、俺は白い光に包まれた。
階段から落ちたときと同じ光。
そして、光が収まると同時に俺の心臓は動かなくなった。
ーーFinーー
俺以外にも動ける人がいる。
飛び起きてリビングの窓から外の様子を伺うと、家の前に白のワゴン車が停まった。
中からは白の防護服の様な物を装った大人二人組が出てきた。
顔も防護服だけでは飽き足らず、サングラスにマスクまで付けており、性別や年齢、国籍も全く分からなかった。
ただひとつ、見つかってはいけないことは本能が理解した。
白服の二人組は車の荷台から、透明なビニールシートの様なものを被せたマネキンを下ろした。
見にくかったが、あのマネキンの顔は向かいのおっちゃん。
悪趣味なマネキンだ。
おっちゃんどころか、その奥さん、娘さんまでもそっくりなマネキンを出してきた。
それを担いで向いの家へと運び入れたかと思いきや、しばらくしてまた同じマネキンを担いで、そのまま荷台へと積み直した。
何をしているんだ。
見入っていると、今度は俺の父さん、母さん、そして妹のミサそっくりのマネキンが出てきた。
こうなれば俺に似たマネキンもあるだろう。
そんな物見たくない。
向いの家と同じならば、俺のマネキンを出した後に家へと侵入してくる。
俺は急いで階段を掛け上り、自室から繋がっている屋根裏部屋へと隠れた。
あいつらは何者なんだ。
何しに来たんだ。
手で口を押さえて息を殺す。
ほどなくして部屋のドアが開く音がした。
奴らが入ってきたんだ。
「おかしいな」
「もう一人いるはずなんだが」
なぜか日本語を話している白服の奴ら。
どうやら俺のことを探しているみたいだ。
「リストに不備があるんじゃないか?」
「一度帰るか」
「いや、もう時間がない。記憶操作をした方が早い」
言葉は分かっても言っている意味は分からない。
だけど、時間がないのであれば早く帰ってくれ。
「分かった、撤退する」
ドアの開く音がしたと思ったら、部屋から気配が消えた。
俺は助かったのか?
やった……やった!
喜びもつかの間、俺は白い光に包まれた。
階段から落ちたときと同じ光。
そして、光が収まると同時に俺の心臓は動かなくなった。
ーーFinーー
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