好きです、殺させて下さい。
眼鏡、高身長、ヒョロガリ陰キャ。
これが俺の全スペック。
特別ゲームが上手いわけでもなく、頭がいいわけでもなく。
いわゆる...可もなく不可もなくってところ。
だから当然告白なんてされたこともなかったし
これからもされない____
はずだった。
ほんと、なんでもない日。
強いて言えばひどく雨が降っていたことくらい。
それくらい特徴のない日だった。
そんな日に、なんの脈絡もなく手紙が届いた。
宛名だけが書かれた、つまり俺の名前だけが書かれたレターパック。
質素なグレーで包まれた中には
「好きです、大好きです、愛してます」
それだけが書かれていた。
いちばん目を引いたのはすごく整った達筆な字。
ズレることを知らないかのような綺麗さ。
思わず見惚れるほど正確な字だった。
「ずいぶん熱烈な手紙だな...差出人は?」
くるりとグレーを翻す。
けれど、どれだけ探しても差出人の名は見つけられない。
ン?あれ、もしかして。
一瞬脳内をよぎった罰ゲームという単語。
真に受けすぎた自分に目眩がして、顔に熱が集中する。
手紙を丁寧に封し直し、密かに引き出しへしまう。
「勘違いも甚だしいよなァ...」
やけに細い自分の手首で顔を覆い隠す。
でも、浮ついた気持ちを拭いきれない。
仮に罰ゲームだったとして
ラブレターを貰ったことに変わりないんだから。
「ふふ、へへ」
俺は知らなかった。
これから送られてくる手紙のことを。
これから起こる、不自然なことを。
始まりは間違いなくこの日の手紙だ。
言ってしまえば...「拝啓」の部分。
実際こんな手紙はまだ序章に過ぎなかったんだ。
”好きです、殺させて下さい”
雲居 晃汰 (くもい こうた)
・高校1年生
・絵だけは上手
これが俺の全スペック。
特別ゲームが上手いわけでもなく、頭がいいわけでもなく。
いわゆる...可もなく不可もなくってところ。
だから当然告白なんてされたこともなかったし
これからもされない____
はずだった。
ほんと、なんでもない日。
強いて言えばひどく雨が降っていたことくらい。
それくらい特徴のない日だった。
そんな日に、なんの脈絡もなく手紙が届いた。
宛名だけが書かれた、つまり俺の名前だけが書かれたレターパック。
質素なグレーで包まれた中には
「好きです、大好きです、愛してます」
それだけが書かれていた。
いちばん目を引いたのはすごく整った達筆な字。
ズレることを知らないかのような綺麗さ。
思わず見惚れるほど正確な字だった。
「ずいぶん熱烈な手紙だな...差出人は?」
くるりとグレーを翻す。
けれど、どれだけ探しても差出人の名は見つけられない。
ン?あれ、もしかして。
一瞬脳内をよぎった罰ゲームという単語。
真に受けすぎた自分に目眩がして、顔に熱が集中する。
手紙を丁寧に封し直し、密かに引き出しへしまう。
「勘違いも甚だしいよなァ...」
やけに細い自分の手首で顔を覆い隠す。
でも、浮ついた気持ちを拭いきれない。
仮に罰ゲームだったとして
ラブレターを貰ったことに変わりないんだから。
「ふふ、へへ」
俺は知らなかった。
これから送られてくる手紙のことを。
これから起こる、不自然なことを。
始まりは間違いなくこの日の手紙だ。
言ってしまえば...「拝啓」の部分。
実際こんな手紙はまだ序章に過ぎなかったんだ。
”好きです、殺させて下さい”
雲居 晃汰 (くもい こうた)
・高校1年生
・絵だけは上手
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