悪役令嬢、ヒロインの攻略対象に好かれる件。
「あれ、クレカリー。起きたんだね。おはよう」
黒髪が目立つ美しい青年。
彼こそが兄の、アクシア・クローネである。
「ええ、おはようございます。兄様」
私の前に並んだままの料理を見てアクシアは微笑む。
「もしかして、待っててくれたの?珍しい」
「久々にどうかと思いまして…っ」
アクシアの笑顔は優しくて、恐ろしい。
不思議な圧があるのだ。
「──…うん、いいよ。さっ、早く食べちゃおう。これ以上、冷めたらあれだからね」
…………よかった。
一応は認めてもらえているみたいだ。
「兄様、これからお仕事ですか?」
「ん?、ああ、うん」
美味しそうに料理を頬ばるアクシア。
こんなにも愛される人がヒロイン如きに奪われるなんて…。
「ねぇ、兄様。今日、帰りはいつごろになりそうですか?」
「どうかした?」
「いえ…。帰りに合わせてお菓子でも作ろうかと思いまして…。日頃の感謝ですよ」
探るような目線。
何を企んでいるんだというような目線。
──…さほど、悪役令嬢っぽい事はしていないのだけれど。
「何時になるかわからない。ローレンと連絡先でも交換しておいて。分かり次第、連絡させる」
妹だから、甘いのではない。
信用したから、甘いのだ。
「わかりました。では頑張りますね」
「うん」
黒髪が目立つ美しい青年。
彼こそが兄の、アクシア・クローネである。
「ええ、おはようございます。兄様」
私の前に並んだままの料理を見てアクシアは微笑む。
「もしかして、待っててくれたの?珍しい」
「久々にどうかと思いまして…っ」
アクシアの笑顔は優しくて、恐ろしい。
不思議な圧があるのだ。
「──…うん、いいよ。さっ、早く食べちゃおう。これ以上、冷めたらあれだからね」
…………よかった。
一応は認めてもらえているみたいだ。
「兄様、これからお仕事ですか?」
「ん?、ああ、うん」
美味しそうに料理を頬ばるアクシア。
こんなにも愛される人がヒロイン如きに奪われるなんて…。
「ねぇ、兄様。今日、帰りはいつごろになりそうですか?」
「どうかした?」
「いえ…。帰りに合わせてお菓子でも作ろうかと思いまして…。日頃の感謝ですよ」
探るような目線。
何を企んでいるんだというような目線。
──…さほど、悪役令嬢っぽい事はしていないのだけれど。
「何時になるかわからない。ローレンと連絡先でも交換しておいて。分かり次第、連絡させる」
妹だから、甘いのではない。
信用したから、甘いのだ。
「わかりました。では頑張りますね」
「うん」
このボタンは廃止予定です