悪役令嬢、ヒロインの攻略対象に好かれる件。
「私とずっと一緒にいてくれないでしょうか?」
それが咎人に願う事。
二人がずっと一緒にいれば安心だし、ヒロインを遠ざけることができると思うからだ。
「──…もちろんですよ。ねぇ?がっくん」
「あたりまえッスよ!」
にこにこと笑う二人は本当に頼もしい。
「そう、ありがとう。じゃあ、登校するときから宜しくお願いします。」
少しだけ微笑めば咎人はとてもいい返事を返してくれる。
「「はいッ」」
「遅くないですか…?他の奴等、もうとっくに起きましたよ」
赤髪の男、ローレン・イロアスが暇そうに呟く。
兄の相棒で親友であるローレンはよく我が家に入り浸っている。
「そう?いつもと同じだと思うんですけどね…。兄様は、どちらに?」
「さぁ?どこだったっけな~。あー…。父親のところ行くって言ってたっすけど」
兄様である、アクシア・クローネには一度、会って世間話でもしてみたいと思う。
そこでヒロインの名前と情報を聞ければ上等だろう。
「へぇ、珍しいですね。最近はよく?」
「や、昨日から、だな」
ローレンの回答は少し意外だった。
珍しい、悪役令嬢には話しかけない立場だったのに。
今日は話しかけてくれるし、答えてくれる。
「ふーん。ところで、その手に持っているものは?」
「タバコですけど?」
ヤニカスである、ローレンはもう誰にも止められない。
「せめて、ベランダで吸ってくださいね」
「──…禁煙、いつもみたいに進めないんですかー?」
棒読みな下手くそな演技。
これは、きっと揶揄うような演技だろう。
其の手には乗らない。
当たり前だ。
「今までは進めてたましたね。まぁ、でもいっかなって」
言えばちゃんとベランダで吸ってくれるのだ。
それ以上、何かを言う必要はないだろう。
「──…そ」
ふいっとローレンが、ふいっと顔を逸らした。
ほんのりと香るタバコの香りはローレンの匂いで優しい匂いだった。
それが咎人に願う事。
二人がずっと一緒にいれば安心だし、ヒロインを遠ざけることができると思うからだ。
「──…もちろんですよ。ねぇ?がっくん」
「あたりまえッスよ!」
にこにこと笑う二人は本当に頼もしい。
「そう、ありがとう。じゃあ、登校するときから宜しくお願いします。」
少しだけ微笑めば咎人はとてもいい返事を返してくれる。
「「はいッ」」
「遅くないですか…?他の奴等、もうとっくに起きましたよ」
赤髪の男、ローレン・イロアスが暇そうに呟く。
兄の相棒で親友であるローレンはよく我が家に入り浸っている。
「そう?いつもと同じだと思うんですけどね…。兄様は、どちらに?」
「さぁ?どこだったっけな~。あー…。父親のところ行くって言ってたっすけど」
兄様である、アクシア・クローネには一度、会って世間話でもしてみたいと思う。
そこでヒロインの名前と情報を聞ければ上等だろう。
「へぇ、珍しいですね。最近はよく?」
「や、昨日から、だな」
ローレンの回答は少し意外だった。
珍しい、悪役令嬢には話しかけない立場だったのに。
今日は話しかけてくれるし、答えてくれる。
「ふーん。ところで、その手に持っているものは?」
「タバコですけど?」
ヤニカスである、ローレンはもう誰にも止められない。
「せめて、ベランダで吸ってくださいね」
「──…禁煙、いつもみたいに進めないんですかー?」
棒読みな下手くそな演技。
これは、きっと揶揄うような演技だろう。
其の手には乗らない。
当たり前だ。
「今までは進めてたましたね。まぁ、でもいっかなって」
言えばちゃんとベランダで吸ってくれるのだ。
それ以上、何かを言う必要はないだろう。
「──…そ」
ふいっとローレンが、ふいっと顔を逸らした。
ほんのりと香るタバコの香りはローレンの匂いで優しい匂いだった。
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