二次創作
時間と13人の優者たち
じゃぱぱ「よ〜し、切るよ〜」
『おっけ〜!』
一週間に渡り調べたが、時の国が時間達が集まる国ということ、それからチケットを切ると時の国に行くゲート前まで移動できるということしかわからなかった。
あからさまに怪しいが、好奇心に勝てずチケットを切ることになったメンバー。
手順通りに地面に円を描き、その中に全員が入る。
そして、チケットを切る。極めて簡単だ。
じゃぱぱ「えいやっ!」
パリパリっと、乾いたのりの音がする。
一瞬静かになったかと思うと、空気が揺れだす。
いや、正確には円の中の空気だけが揺れているのだ。
円のサイズの時計が現れ、なぜか長針しかない時計の針がカチリ、とと音を立てててっぺんを指す。
ゆあん「うわッ!」
もふ「ひえッ…」
悲鳴をあげるメンバーを無視し、文字盤が開いたかと思うとそこに全員を吸い込み始める。
のあ「う…」
●●「う…ぐぐ…」
結果、引力に逆らえずにメンバーは穴の底まで落ちていった。
[水平線]
*●●side
●●「う…うん…はッ!」
目を覚ますと、たくさんの時計に囲まれていた。
鳩時計、振り子時計、砂時計…中には、歯車がむき出しの変わった時計もある。
何より底が見えない。ゆっくりと落ちているので死なないとは思うが、バンジージャンプをスローモーションで体験している気分である。
なおきり「みなさんいますか〜!」
なおきりの呼びかけに、全員答える。
じゃぱぱ「あ〜、よかったぁ…ところでここは?」
ヒロ「時計がいっぱいあるよね…」
カチコチカチコチと規則正しく流れる音に、少し気分が悪くなる。
のあ「なんか…お腹空きません?」
のあの発言を聞いて、この吐き気は空腹からか、と納得する。
全員がそうなのか、のあの発言にツッコむ者は誰1人いない。
起きたばかりは焦っていたものの、時の流れと同時に冷静になってくる。
どぬく「あれ底じゃない?」
見ると、自分たちが吸い込まれた時計の枠がある。
その下は真っ暗で何も見えないが、何やら変わった匂いがする。
どこか懐かしく、この匂いに慣れているかと思いきや新しい。
るな「この匂い…どっかで嗅いだことあるような…」
うり「…?匂い?俺は音に聞こえるけど…」
ヒロ「俺も音!」
たっつん「俺は匂いやな」
人によって音か匂いか異なるようだが、嗅いだことがあるような無いような不思議な香りであることは確かだ。
落ちてから10分ほど。
慣れてきたメンバーもいるが、自分はまだ慣れないようで時々心臓の裏が撫でられるような錯覚を感じる。
体が一際古い時計が置いてある地点に到達すると、あっという間にその文字盤に吸い込まれた。
[水平線]