二次創作
時間と13人の優者たち
●●「時の国?」
うり「そう。何か知らね?」
シェアハウスに帰ると、女子3人は出かけていて●●だけが留守番をしていた。
●●「ん〜、そうねぇ…」
シェアハウスの2階にあるサンルームで煎餅をかじりながら首を傾げる●●。
じゃぱぱ「やっぱ知らない?」
●●「日本かどうかもわかんない。ちょっと待ってて…」
煎餅を口の中に押し込むと、フェニックス寮の方向に歩いて行く。
実を言うと●●がメンバーになったのは3ヶ月前ほどで、クリスタル寮はその時点で満員。
唯一空いていたフェニックス寮で生活しているのだ。現時点では男子禁制。
しばらくすると何冊かの分厚い本を抱えて帰ってきた。
さすが怪力、と言いかけたところを飲み込むうり。
余計なことを言うと命の危機になりかねないということは、うりが一番わかっていた。
たっつん「それなんや?」
●●「地図帳。それから伝説に関連する本とか?」
ドサっと机の上に本類を置くと、椅子に座って調べ始める。
手持ち無沙汰になった男子たちは、「参考資料を持ってくる」と言って図書室に向かっていった。
しばらく経つと、玄関の方から物音が聞こえてくる。
えと「ただいま〜」
ひょっこり顔を出した女子組。
●●「おかえり〜、時の国って知らない?」
のあ「随分急ですね…」
るな「それ日本ですか?」
えと「何それ…?」
同じような反応を示す3人に経緯を説明すると、るなが何かを思い出したようだ。
るな「商店街の福引でやってたやつですよね!実は私も引いたんです!」
のあ「そういえば…当たると思っていなかったので景品までは見ませんでしたけど…」
●●「そうなの!?なんか知らない!?」
るな「う〜ん、チケット切ったら行けるってことしか…」
●●「ド◯えもんみたいな?」
るな「それですそれです!まぁ、私はハズレちゃいましたけど…」
るながカバンから出したのはタワシだ。
少し高価なものだが、ちょうど同じものを買ったばかりのようで嘆いている。
じゃぱぱ「お〜い!参考になりそうなもの持ってきたよ〜」
シヴァ「あ〜女子達帰ってきてたんだ〜」
大量の本を抱えて帰ってきた男子達。
えと「ただいま〜…ってあれ?もふくんとゆあんくんは?」
ヒロ「パソコン室。スマホだと操作しづらいからって…」
●●「あ〜、わかる。○○もフリック入力苦手だし…」
のあ「でもタイピングはすごい早いですよね」
●●「好きなんだよねぇ〜、タイピング。」
ニコニコと得意げに言う●●にどぬくは声をかける。
どぬく「ここ狭いから移動しない〜?多目的室とか…」
たっつん「お、ええやん!テーブルあったっけ?」
なおきり「確かこの前動画で使ったのをそのままにしてたはずです…」
のあ「ではいきましょうか。もふさんとゆあんくんを呼んできてもらえますか?」
うり「俺呼んでくるわ〜!先行ってて!」
パソコン室に向かったうりを見送り、多目的室に足を進める。
シェアハウスの窓に、何やら不穏な影が忍び寄る。
「ふふ…楽しみだなぁ…特にあの子、いじめ甲斐があるよ…」
不気味な笑みをこぼしたかと思うと、空気中に溶けるようにそれはいなくなった。