【参加型】わたしをみつけてくださいー楓稀ー
*楓稀side
口についた血をぬぐい雨太の様子を見に行こうと腰をうかしたところで、音割れしまくったベルの音が大音量で響く。
卑弥子「ひゃっ!?!?」
結衣「ひっ…!」
まだ慣れないこの大音量に肝をぶん取られる気分だ。あたしの肝は誰にも渡さんぞ!
弥生「あのスピーカーから…ってことは放送…?」
弥生がそう呟いた瞬間に、見るからにオンボロなスピーカーが爆音でガスガス言い始めた。
どうやらそれは花子さんの声のようだが、あの無機質で透き通るようなアルトの声とは真逆にガッスガスである。
『これ─らする─とについての説明をす─ので、─階多目的室にお集ま─ください。』
かろうじて聞き取れたのはこの内容だが、多目的室が何回にあるかを聞き逃してしまった。
楓稀「ねぇ、多目的室何階だかわかる?」
悠華「三階って言ってたような気が…定かではありませんがね。」
答えた後にすかさず保険をかける悠華。
だが、今はその情報を信じるしかないので、とりあえず女子寮を出た。
[水平線]
*雨太side
正波「おぉ〜っ!!!卑弥子!制服似合ってるぅ〜」
卑弥子「…そうですか」
弥生「まぁまぁ…」
あからさまに嫌そうな顔をしてこちらを向いてくる卑弥子さん。
君の気持ちは痛いほど伝わってくる。だが、俺には何もできん。無理。
楓稀「おっ!雨太復活!?」
雨太「おう!おかげさまで。ありがとう!」
しばらく霊のいないところでゆっくりすると気分は回復した。
別に霊そのものが気持ち悪くなるわけではない。むしろ慣れている。
だが、この場所についている霊たちは怒りと憎しみの感情しか持っていない場合が多いようだ。誰だって他人の黒い部分を大量に浴びせられたら気持ち悪くなるだろう。
悠華「あの、三階多目的室に行くって話でしたよね…多分本館だと思うんですが…」
有流「あぁ。本館の三階だと聞き取ったぞ。」
そこでふと気がついた。
女子たちが配られた制服はセーラー服のようで、小さめのセーラー襟と赤いスカーフがよく似合っている。
ただ、悠華さんのスカートから覗いた足だけがレッグウォーマーを着用しており、ほんの少しずり落ちる度に元の位置に戻している。
そこまで足を見せたくないのだろうかと上半身を見ると、長袖からちょこんと出ている華奢な手にもアームカバーが付けられているようだった。
アームカバーでも隠しきれていない細くて長い指には絆創膏が二、三個貼り付いている。
雨太「悠華さ…」
そこまで言って言葉を止めた。
なんでしょう、と言って振り向いた彼女の背中に、ある影が。
雨太「…っ!……すまん、続けてくれ!」
悠華「…?そうですか…」
結衣「皆さん、行きましょうか。」
先頭に立った結衣さんに続いて、何事もなかったように歩き出す。
俺は細かいことは気にしない方だ。
だが、俺は全員と会ったばかり。本題の悠華さんに関しては個人的に喋ったこともない。
流石にこれは、言えねぇ。
そんなことを思いながら、配布された学ランの裾を引きずるように歩いて行った。
口についた血をぬぐい雨太の様子を見に行こうと腰をうかしたところで、音割れしまくったベルの音が大音量で響く。
卑弥子「ひゃっ!?!?」
結衣「ひっ…!」
まだ慣れないこの大音量に肝をぶん取られる気分だ。あたしの肝は誰にも渡さんぞ!
弥生「あのスピーカーから…ってことは放送…?」
弥生がそう呟いた瞬間に、見るからにオンボロなスピーカーが爆音でガスガス言い始めた。
どうやらそれは花子さんの声のようだが、あの無機質で透き通るようなアルトの声とは真逆にガッスガスである。
『これ─らする─とについての説明をす─ので、─階多目的室にお集ま─ください。』
かろうじて聞き取れたのはこの内容だが、多目的室が何回にあるかを聞き逃してしまった。
楓稀「ねぇ、多目的室何階だかわかる?」
悠華「三階って言ってたような気が…定かではありませんがね。」
答えた後にすかさず保険をかける悠華。
だが、今はその情報を信じるしかないので、とりあえず女子寮を出た。
[水平線]
*雨太side
正波「おぉ〜っ!!!卑弥子!制服似合ってるぅ〜」
卑弥子「…そうですか」
弥生「まぁまぁ…」
あからさまに嫌そうな顔をしてこちらを向いてくる卑弥子さん。
君の気持ちは痛いほど伝わってくる。だが、俺には何もできん。無理。
楓稀「おっ!雨太復活!?」
雨太「おう!おかげさまで。ありがとう!」
しばらく霊のいないところでゆっくりすると気分は回復した。
別に霊そのものが気持ち悪くなるわけではない。むしろ慣れている。
だが、この場所についている霊たちは怒りと憎しみの感情しか持っていない場合が多いようだ。誰だって他人の黒い部分を大量に浴びせられたら気持ち悪くなるだろう。
悠華「あの、三階多目的室に行くって話でしたよね…多分本館だと思うんですが…」
有流「あぁ。本館の三階だと聞き取ったぞ。」
そこでふと気がついた。
女子たちが配られた制服はセーラー服のようで、小さめのセーラー襟と赤いスカーフがよく似合っている。
ただ、悠華さんのスカートから覗いた足だけがレッグウォーマーを着用しており、ほんの少しずり落ちる度に元の位置に戻している。
そこまで足を見せたくないのだろうかと上半身を見ると、長袖からちょこんと出ている華奢な手にもアームカバーが付けられているようだった。
アームカバーでも隠しきれていない細くて長い指には絆創膏が二、三個貼り付いている。
雨太「悠華さ…」
そこまで言って言葉を止めた。
なんでしょう、と言って振り向いた彼女の背中に、ある影が。
雨太「…っ!……すまん、続けてくれ!」
悠華「…?そうですか…」
結衣「皆さん、行きましょうか。」
先頭に立った結衣さんに続いて、何事もなかったように歩き出す。
俺は細かいことは気にしない方だ。
だが、俺は全員と会ったばかり。本題の悠華さんに関しては個人的に喋ったこともない。
流石にこれは、言えねぇ。
そんなことを思いながら、配布された学ランの裾を引きずるように歩いて行った。