二次創作
【リクOK】さしす組と転生って…ウケんね
孤児院を出るとすぐに、緑谷引子が美容院に行こうと言ってきた。確かに私の身なりはボロボロで、まあ見るからに孤児だわな、と思う。
美容院で、白かった髪を緑に染めた。
緑谷引子「これで違和感ないわね!」
●●『ありがとうございます』
ストレートボブ。少し髪は邪魔だけど前より見た目はかなりマシになった。
ガチャ
緑谷引子「出久、ただいま〜」
緑谷引子「出久にお姉さんを連れてきたわよ」
緑谷出久「ほんと!?!?」
ほ〜、随分可愛らしいガキだなぁおい((
●●『君が出久くんですか、これからよろしく』
笑顔を貼っつけてそう言った。
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転生とやらをしてから数日。私は緑谷家のリビングのソファに座っていた。
●●『…ありがとうございます』
緑谷引子…私の義母、とでも言ったら良いのだろうか。ココアを手渡される。この人は、私にとても優しい。
●●『(うめー…)』
サマーオイルもどきのせいで忙しかったからなぁ…ロクなもん食べてなかった。つか、食べてなかった。
●●『(半分水で生活してたみてーなもんだよな)』
人間ってな、意外と食べなくてもいけんだぜ((←良い子じゃなくても絶対真似しないでください
緑谷引子「●●、それ飲み終わったら出かけるから準備してね」
●●『…はーい』
緑谷出久「どこ行くの?」
出久…というかブロッコリーが、オールマイトのフィギュアを握りながらこちらを見る。
そんな奴の何がいいんだか。…好みは人それぞれだから特に言わねーけど。
●●『私も知らない』
緑谷引子「お姉ちゃんはね、お医者さんに行くのよ」
ああ、個性検査だっけか。
そういや術式って引き継がれてんのか?
緑谷出久「ふーん…?」
絶対よく分かってねえなこの野菜野郎((
●●『…出久も連れていった方が安全じゃないですか?』
緑谷引子「ああ、そうね」
最近、ヴィランによる事件が多発していて、ニュースでもよく報道されている。また同時に、オールマイトの活躍が増えている。
今も、つけっぱなしのテレビに彼が映っている。
緑谷出久「あっ!オールマイトだ!!」
"もう大丈夫!!!私が来た!!!"
●●『……』
舌打ちをこらえた。
なんでそんな無責任なことをホイホイ口にできる?そんな言葉を言っていい人間なんてこの世に一人もいない。
あの悟ですら、最後は─────
●●『ん………』
違う。悟は悪くないし、私は渋谷事変の結果を知らない。何も、言う権利は無い。
ココアと一緒に、頭をよぎった考えを飲み込んだ。
緑谷引子「いくよ、2人とも」
●●『はーい』緑谷出久「はい!」
電車に乗って病院へ向かう。出久はこの程度の景色ではしゃいでいた。
●●『(ま、人生1周目だもんな。そりゃそうなるわ)』←2週目
電車なんていつぶりだっけな。いつも補助監督に送迎してもらっていたから。
●●『(…だいぶ伊地知に無理させてたな)』なんて今頃思う。
伊地知は大丈夫かな、新田たちは…ああ、野薔薇も心配だ。恵は………ほんと、誰の安否も確認できないまま死んだな、私は。
悟としょーこは、生きてるかな
この世界に来てから四六時中、頭のどこかで私が[漢字]見捨てた[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]人達のことを考えてしまう。メカ丸の情報によれば、悟は獄門疆に閉じ込められたらしい。
●●『(開け方すら知らねーんだよな)』
私がもう少し強くて、もう少し博識だったらな。九十九さんなら分かってたかもしんねーな。自嘲的な笑みが浮かぶ。
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数週間後。
仲が悪い、というよりは私が一方的に拒絶していた。緑谷家の暖かさと平和さが大きなプレッシャーになる。この暖かさに混じるのが、私にはどうしても怖かった。
家に帰ればいつもあったかい匂いがした。洗濯洗剤と夕飯の下ごしらえの匂いが玄関にいてもする。
●●『…………』
何度目か分からない。
悟が、
しょーこが、
夜蛾ちゃんが、
そして傑が、
家族の暖かさを感じる度に脳裏にちらつく。
素直に受け取れなかった。殉職した仲間や後輩に後ろ指を指されている気がする。
リビングまでの廊下を歩きながら思う。
●●『(私だけ幸せなんて、許されないよな)』