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二次創作
【リクOK】さしす組と転生って…ウケんね

#49

番外編 家族





 孤児院を出るとすぐに、緑谷引子が美容院に行こうと言ってきた。確かに私の身なりはボロボロで、まあ見るからに孤児だわな、と思う。

 美容院で、白かった髪を緑に染めた。
緑谷引子「これで違和感ないわね!」
●●『ありがとうございます』
 ストレートボブ。少し髪は邪魔だけど前より見た目はかなりマシになった。


ガチャ

緑谷引子「出久、ただいま〜」
緑谷引子「出久にお姉さんを連れてきたわよ」
緑谷出久「ほんと!?!?」
 ほ〜、随分可愛らしいガキだなぁおい((
●●『君が出久くんですか、これからよろしく』
 笑顔を貼っつけてそう言った。


[中央寄せ]*[/中央寄せ]


 転生とやらをしてから数日。私は緑谷家のリビングのソファに座っていた。
●●『…ありがとうございます』
 緑谷引子…私の義母、とでも言ったら良いのだろうか。ココアを手渡される。この人は、私にとても優しい。

●●『(うめー…)』
 サマーオイルもどきのせいで忙しかったからなぁ…ロクなもん食べてなかった。つか、食べてなかった。
●●『(半分水で生活してたみてーなもんだよな)』



 人間ってな、意外と食べなくてもいけんだぜ((←良い子じゃなくても絶対真似しないでください


緑谷引子「●●、それ飲み終わったら出かけるから準備してね」
●●『…はーい』
緑谷出久「どこ行くの?」
 出久…というかブロッコリーが、オールマイトのフィギュアを握りながらこちらを見る。
 そんな奴の何がいいんだか。…好みは人それぞれだから特に言わねーけど。
●●『私も知らない』
緑谷引子「お姉ちゃんはね、お医者さんに行くのよ」
 ああ、個性検査だっけか。
 そういや術式って引き継がれてんのか?
緑谷出久「ふーん…?」
 絶対よく分かってねえなこの野菜野郎((
●●『…出久も連れていった方が安全じゃないですか?』
緑谷引子「ああ、そうね」

 最近、ヴィランによる事件が多発していて、ニュースでもよく報道されている。また同時に、オールマイトの活躍が増えている。
 今も、つけっぱなしのテレビに彼が映っている。
緑谷出久「あっ!オールマイトだ!!」


"もう大丈夫!!!私が来た!!!"


●●『……』
 舌打ちをこらえた。
 なんでそんな無責任なことをホイホイ口にできる?そんな言葉を言っていい人間なんてこの世に一人もいない。
 あの悟ですら、最後は─────


●●『ん………』
 違う。悟は悪くないし、私は渋谷事変の結果を知らない。何も、言う権利は無い。
 ココアと一緒に、頭をよぎった考えを飲み込んだ。
緑谷引子「いくよ、2人とも」
●●『はーい』緑谷出久「はい!」

 電車に乗って病院へ向かう。出久はこの程度の景色ではしゃいでいた。
●●『(ま、人生1周目だもんな。そりゃそうなるわ)』←2週目
 電車なんていつぶりだっけな。いつも補助監督に送迎してもらっていたから。
●●『(…だいぶ伊地知に無理させてたな)』なんて今頃思う。
 伊地知は大丈夫かな、新田たちは…ああ、野薔薇も心配だ。恵は………ほんと、誰の安否も確認できないまま死んだな、私は。

 
悟としょーこは、生きてるかな


 この世界に来てから四六時中、頭のどこかで私が[漢字]見捨てた[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]人達のことを考えてしまう。メカ丸の情報によれば、悟は獄門疆に閉じ込められたらしい。
●●『(開け方すら知らねーんだよな)』
 私がもう少し強くて、もう少し博識だったらな。九十九さんなら分かってたかもしんねーな。自嘲的な笑みが浮かぶ。


[中央寄せ]*[/中央寄せ]


数週間後。


 仲が悪い、というよりは私が一方的に拒絶していた。緑谷家の暖かさと平和さが大きなプレッシャーになる。この暖かさに混じるのが、私にはどうしても怖かった。

 家に帰ればいつもあったかい匂いがした。洗濯洗剤と夕飯の下ごしらえの匂いが玄関にいてもする。
●●『…………』

 何度目か分からない。

 悟が、
 しょーこが、
 夜蛾ちゃんが、
 
 そして傑が、

 家族の暖かさを感じる度に脳裏にちらつく。
 素直に受け取れなかった。殉職した仲間や後輩に後ろ指を指されている気がする。

 リビングまでの廊下を歩きながら思う。

●●『(私だけ幸せなんて、許されないよな)』

作者メッセージ

シハさんリクエストありがとうございました!多分もう1話あります。
転生直後はメンタル不安定だったと思います。さしす達にも会ってないし。

2025/12/01 21:39

Ariadne ID:≫ 21wZBxLeuknvc
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