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魔王とツインメイドのご奉仕生活

#8


「じょ、条件?」
 ラツンが目を若干泳がす。我はウムと頷く。
「ああ、そうだ」
「……いいわ。私の魔力はくれてあげる。でもこの娘だけは生かして、逃がしてちょうだい」
 む?
「お姉様! 何を……!」
 レツンが声を上げる。全くだな。
「貴様は何を勘違いしている?」
「え?」
 ラツンが呆けた声を上げる。我はマントをバサッとした。
「我の条件と言うのは、ラツン、レツン貴様ら……」
 ゴクッとラツンが固唾を飲む。我はニヤリとして言い放った。
「我のメイドとなれ!!」
「……………………………はあ!?」
 ラツンがたっぷり間をとって叫ぶ。
「メイドさんですか~~?」
 レツンがぽ~っとしながら我に確認を取る。
「そうだ」
 我がグッと拳を握る。そして力説する。
「我のこの力はメイドあってのものだ。メイドなくして我の魔法は成立しないであろう」
「そ、そこまで……」
 ラツンは、ドン引きな表情をしている。我のメイド愛に気圧されているのか?
「メイドと魔法って関係あるんですか~~?」
 そもそもと言ったようにレツンが我に問いかけてくる。
「ふっ。無論だ」
 我は再びメイドエナジーオーブを手元に出現させる。
「あ、パーフェクトオーブ……!」
 ラツンはメイドエナジーオーブを見て悔しそうにぐぎぎと歯噛みしている。ふむ。
「我のメイド魔法は唯一無二。誰にも真似は出来んだろう」
「別にしたかないわよ!」
「ほう? それにしては物欲しそうにしていたではないか」
「そ、それは!」
 ぐぬぬっとラツンはまた押し黙ってしまう。代わりにと言わんばかりにレツンが前に出てきた。
「私とお姉様はある理由があって、パーフェクトオーブを手に入れるためにここへやってきたのです~~」
「メイドエナジーオーブを、か」
「はい、もうそれでいいです~~」
 ククク……理解が早いではないか。
「まあ、これは我のだから譲るわけにはいかんが……」
 我はふと思い出した。
「そういえばもうひとつ未使用のやつがあったな」
「ほんとに!?」
「ほんとですか!?」
 我がポツリと零した一言にえらく食いついてくるラツンとレツン。我は考える。
「ふむ。……そうだな。我の条件を飲めば譲ってやらんこともない」
 パアアアアアアと双子の顔が明るくなる。萌え~~な顔をするではないか。
「そ、それってメイドになるっていう……?」
 ラツンが一転ちょびっと不安そうに聞く。
「そうだ」
「具体的に何をすればいいんですか~~?」
 レツンが疑問を呈する。
「我にご奉仕をしろ」
「「…………」」
 む? 何だこの沈黙は? 2人ともやけに顔が赤いが……。
 やがてラツンはわなわなと唇を震わせ、叫ぶ。
「あ、あ、あんた、な、な、何考えてんのよ~~~~~~!」
「お、お姉様、落ち着いてください~~!」
 貴様らが何を考えているのだ?

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

双子ちゃんたちは何を考えているのだ? 萌え~~ですね~~。次もまたよろしくである~。

2024/10/26 13:26

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