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怪異専門探偵事務所

#2

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_____紫苑がソファにどかっと思い切り座る。
なんとも言えない態度の彼女に、依頼主である宇垣は肩身を狭くした。
雲「えーっと・・・まずは依頼主の[漢字]宇垣庵[/漢字][ふりがな]うがきあん[/ふりがな]さんですよね?」
資料を片手に宇垣を見る雲雀。そんな少年の目線に宇垣は緊張した様子で、
庵「はい・・・えっと、本当にこの人が噂の凄腕の”祓い”というものなんですよね?」
紫「半信半疑だなぁ・・・」
雲「紫苑さんの態度が悪いからっすよ、そのせいでいつも依頼主さんが困るんですから」
出されたお茶をちまちまと飲みながら宇垣は事務所内を見回した。
生活感はあまりない、アニメとかでよく見る探偵事務所といった雰囲気だ。ただ、人が出入りしている様子はなく、事務員もこの二人だけなのだろう。
宇垣が考えていると、紫苑の隣に座った雲雀が話しかけてきた。
雲「宇垣さんは学生さんですよね?その制服、ここらでは有名な[漢字]晴嵐[/漢字][ふりがな]せいらん[/ふりがな]学園のですし」
庵「一応、です。世間一般的には”不登校児”と呼ばれる類の人間ですから」
宇垣が不登校になったのは去年、中学2年生の夏だ。記憶にない罪を着せられ、クラス内で酷い目に合った。思い出すだけでも体が震える。
恐怖心で肩を揺らす宇垣を紫苑は瞳を細めながら見つめた。
紫「とりあえず、詳しいことは話してもらうぜ。そっちがある程度話したら、質問にも答えてやる」
庵「・・・・・・・・・去年の夏前のことでした」
なんの前置きもなく話し始めた宇垣の話に、二人はそれぞれ耳を傾けた。


______まだ、夏前なのにやけに暑かったのを覚えています。
私は友人といつも通り休み時間に話していたら、急に言われたんです。
____「昨日、カフェで会ったよね?」____
友人によると、昨日の夕方に駅前のカフェで私を見かけたとのこと。でも、その時間はちょうど塾に行っていて、カフェに行く余裕なんてありませんでした。
その日からだった気がします、私に似た人の目撃情報が増えていったのは。
最初は見かける程度だったり、声かけても反応されない程度で友人も疲れが溜まってるのかと思ってたらしいですが、ある日無視されるのがイヤになった友人が腕を掴んだら、私に似た人物は友人の頬に強く爪を突き立てたらしいんです。
それからは、そういった”傷つけられた”という情報が増えていったんです。
そのせいで、クラスでも居場所をなくして、現在”不登校”に_____。


宇垣の話に雲雀は小さく溜息を付いた。
雲「危害を加えるタイプの怪異っすか・・・」
紫「急にそんなことになったらそりゃクラスの奴らも気味悪がるわな」
庵「私っ、本当に何もしてないんですっ!誰かがきっと企んで・・・」
必死に訴えかける宇垣の言葉がそこで止まった。紫苑が宇垣の額に人差し指を突き立てたからだ。
紫苑の紫色の瞳と、宇垣の茶色の瞳が交わる。
紫「・・・・・・別に疑っちゃねェよ、嘘をついてるかそうじゃないかくらいは分かるつもりだ」
紫苑はそう言うと、強気な笑みを浮かべた。


名前:宇垣庵(うがき あん)
年齢:15歳 身長:156cm
好きな〇〇:スイーツ、読書
嫌いな〇〇:痛いこと、運動
その他:頭は良い方。学校では友人も多い方だったが例の件で友人と距離を置くようになる。

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2024/09/30 17:05

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