【リクエスト型】妖怪ゆるゆる物語
「えっ、何……何!?狐!?」
そいつはパピコを咥えたまま、こん、って頷いた
びっくりしてたら、その真っ白い狐はパピコを咥えたまま、ちょこん、って俺の横に座った。
俺がびっくりしてる間に、口から離したパピコを両手に(いや前足……?)で持ち直して食べ始めた!
「えっ、狐ってパピコ食うの……?」
チョコレート味なんだけどこれ。確か犬とか猫ってチョコ食べちゃいけないんじゃなかったっけ?
なんかすげえ変な狐じゃないのかな?こいつ。よく見たら尻尾2本あるし。あれ?じゃあこいつ妖怪?それとも神様?
なんか変な狐を見てたら、狐はパピコをちゅーちゅーやってたところから口を離して、こん、ってまた鳴いた。尻尾がふさふさ揺れて、隣りに座っている俺の背中をもふもふ撫でていく。くすぐったい。
よく考えたら俺、この狐にパピコ盗られたんだな。せっかく1人で食おうと思ったのに。
「……うまい?」
なんか腹立ったけど山分けってことで持ってったのかな、って思うから何だか複雑な気分。聞いてみたら、狐はまた、こん、って頷いた。尻尾がふりふりゆさゆさしてるから機嫌がいいのかも。
「……じゃあ、こういう風に山分けってことでいい?」
聞いたらまた、こん、って頷いた。いいってことだと思うから、俺は諦めた。
……結局1本だけになってしまったパピコは、まあ、美味しかった。だが、美味しかったから2本とも食べたかった。
寄り道して帰ったら親に怒られた。いや、知らねぇし。風呂掃除とか弟にやらせればいいじゃん。なんで俺ばっか。風呂掃除したら塾の宿題をやる。学校の宿題はどうせ漢字ドリルだから学校でやってきた。
……でも、宿題をやっているとあの変な狐のことがちょっと気になってくる。
あの狐、やっぱり妖怪だよな。尻尾2本あったし、真っ白だったし、妖怪じゃないんだったら神様とか神様のお使いとか?
「……変なの」
変な狐だったな。パピコ食べてたし。
……明日は雪見だいふくにしようかな。あれも2人で分けられるし。まだ、あと1回か2回は『山分け』しておかないと、フェアじゃないし。
次の日は塾だったし、また次の日に神社に行った。雪見だいふくを買っていった。
変な狐がいなかったら、2つとも食べればいいし。むしろ、その方がいいな。
……と思ってたんだけど。
「あ、いるんだ」
俺が石段に座ったら、すぐ変な狐が来た。こん、って鳴いて、俺の膝の上に……。
「えっ、お前も買ってきたの?マジで?」
パピコだ!期間限定のやつ!
狐って、買い物するんだ……
「……葉っぱのお金とかで買ったり?」
聞いてみても、狐は澄まして、こん、って言うだけだしパピコ開けて1本俺にくれたし。
「あ、ありがと……。あ、こっちも。雪見食お」
だから俺も雪見大福開けて、1個どうぞ、ってした。……あ、ピック使われた。マジで?器用じゃん、この狐。
「……へへへ、期間限定のも美味い」
パピコの封切って食べ始める。美味い。雪見大福はピック使われちゃったから、手掴みで食べる。……あのさ、俺と狐、これ逆じゃない?狐と人間だったら、狐の方が手掴みしない?普通。
……いや、普通は狐は雪見大福食わないんだった!
「あ、切れない?貸して」
狐がパピコの封を切れずにもたもたしてたから、俺の分のパピコ咥えといて両手開けて、狐のパピコの封切ってやった。パピコのこれ、硬いよな。弟のよく切ってやるから、慣れてるんだ。
「……な?美味いよな」
狐がパピコ食い始めたの見て話しかけてみたら、狐は、こん、って言って、尻尾で俺の背中をふさふさやっていった。
……最初、狐に1本持ってかれた時には損した気がしたけど、結局、パピコ2本食べられたなあ。弟に1本も分けずに!
まあ、代わりに変な狐と分けてるけど……こういうのは、そんなに嫌じゃないよ。なんでだろ。
それからもうちょっと、狐と喋ってることにした。
話してるうちに、段々日が暮れて、影が長く長く伸びている。夕方の放送が聞こえて、ああ、もう帰らなきゃなって思う。
「帰りたくねーなー」
帰らなきゃいけないんだけど、帰るのめんどいな。家帰ったらまた風呂掃除とかあるんだろうし。帰らなかったら弟がやることになんないかな。
……でも、狐は帰るみたいで、立ち上がって、すたすた、って数歩、神社の横の竹林の方に歩いていって、それから俺の方振り返って、こん、って鳴く。『またね』ってことかな。
「……また来ていい?」
狐に聞くの、変な気もしたけど。でも、聞いてみたら狐は、こんこん、って、頷いてくれた。
だからなんか、ちょっと嬉しかった。パピコ2本と雪見大福1個分と、それからもうちょっと、やる気出た。まあ、風呂掃除やる分ぐらいは。
変な狐のこと、誰かに自慢したいな。でも自慢したら会えなくなっちゃいそうだし、黙っておこう。
……次は何を持っていこうかなー。狐もまたなんか持ってきたりして。
そいつはパピコを咥えたまま、こん、って頷いた
びっくりしてたら、その真っ白い狐はパピコを咥えたまま、ちょこん、って俺の横に座った。
俺がびっくりしてる間に、口から離したパピコを両手に(いや前足……?)で持ち直して食べ始めた!
「えっ、狐ってパピコ食うの……?」
チョコレート味なんだけどこれ。確か犬とか猫ってチョコ食べちゃいけないんじゃなかったっけ?
なんかすげえ変な狐じゃないのかな?こいつ。よく見たら尻尾2本あるし。あれ?じゃあこいつ妖怪?それとも神様?
なんか変な狐を見てたら、狐はパピコをちゅーちゅーやってたところから口を離して、こん、ってまた鳴いた。尻尾がふさふさ揺れて、隣りに座っている俺の背中をもふもふ撫でていく。くすぐったい。
よく考えたら俺、この狐にパピコ盗られたんだな。せっかく1人で食おうと思ったのに。
「……うまい?」
なんか腹立ったけど山分けってことで持ってったのかな、って思うから何だか複雑な気分。聞いてみたら、狐はまた、こん、って頷いた。尻尾がふりふりゆさゆさしてるから機嫌がいいのかも。
「……じゃあ、こういう風に山分けってことでいい?」
聞いたらまた、こん、って頷いた。いいってことだと思うから、俺は諦めた。
……結局1本だけになってしまったパピコは、まあ、美味しかった。だが、美味しかったから2本とも食べたかった。
寄り道して帰ったら親に怒られた。いや、知らねぇし。風呂掃除とか弟にやらせればいいじゃん。なんで俺ばっか。風呂掃除したら塾の宿題をやる。学校の宿題はどうせ漢字ドリルだから学校でやってきた。
……でも、宿題をやっているとあの変な狐のことがちょっと気になってくる。
あの狐、やっぱり妖怪だよな。尻尾2本あったし、真っ白だったし、妖怪じゃないんだったら神様とか神様のお使いとか?
「……変なの」
変な狐だったな。パピコ食べてたし。
……明日は雪見だいふくにしようかな。あれも2人で分けられるし。まだ、あと1回か2回は『山分け』しておかないと、フェアじゃないし。
次の日は塾だったし、また次の日に神社に行った。雪見だいふくを買っていった。
変な狐がいなかったら、2つとも食べればいいし。むしろ、その方がいいな。
……と思ってたんだけど。
「あ、いるんだ」
俺が石段に座ったら、すぐ変な狐が来た。こん、って鳴いて、俺の膝の上に……。
「えっ、お前も買ってきたの?マジで?」
パピコだ!期間限定のやつ!
狐って、買い物するんだ……
「……葉っぱのお金とかで買ったり?」
聞いてみても、狐は澄まして、こん、って言うだけだしパピコ開けて1本俺にくれたし。
「あ、ありがと……。あ、こっちも。雪見食お」
だから俺も雪見大福開けて、1個どうぞ、ってした。……あ、ピック使われた。マジで?器用じゃん、この狐。
「……へへへ、期間限定のも美味い」
パピコの封切って食べ始める。美味い。雪見大福はピック使われちゃったから、手掴みで食べる。……あのさ、俺と狐、これ逆じゃない?狐と人間だったら、狐の方が手掴みしない?普通。
……いや、普通は狐は雪見大福食わないんだった!
「あ、切れない?貸して」
狐がパピコの封を切れずにもたもたしてたから、俺の分のパピコ咥えといて両手開けて、狐のパピコの封切ってやった。パピコのこれ、硬いよな。弟のよく切ってやるから、慣れてるんだ。
「……な?美味いよな」
狐がパピコ食い始めたの見て話しかけてみたら、狐は、こん、って言って、尻尾で俺の背中をふさふさやっていった。
……最初、狐に1本持ってかれた時には損した気がしたけど、結局、パピコ2本食べられたなあ。弟に1本も分けずに!
まあ、代わりに変な狐と分けてるけど……こういうのは、そんなに嫌じゃないよ。なんでだろ。
それからもうちょっと、狐と喋ってることにした。
話してるうちに、段々日が暮れて、影が長く長く伸びている。夕方の放送が聞こえて、ああ、もう帰らなきゃなって思う。
「帰りたくねーなー」
帰らなきゃいけないんだけど、帰るのめんどいな。家帰ったらまた風呂掃除とかあるんだろうし。帰らなかったら弟がやることになんないかな。
……でも、狐は帰るみたいで、立ち上がって、すたすた、って数歩、神社の横の竹林の方に歩いていって、それから俺の方振り返って、こん、って鳴く。『またね』ってことかな。
「……また来ていい?」
狐に聞くの、変な気もしたけど。でも、聞いてみたら狐は、こんこん、って、頷いてくれた。
だからなんか、ちょっと嬉しかった。パピコ2本と雪見大福1個分と、それからもうちょっと、やる気出た。まあ、風呂掃除やる分ぐらいは。
変な狐のこと、誰かに自慢したいな。でも自慢したら会えなくなっちゃいそうだし、黙っておこう。
……次は何を持っていこうかなー。狐もまたなんか持ってきたりして。
このボタンは廃止予定です