●●・クローディア。

恵まれた環境で育つ主人公カローラに対して嫉妬心を抱き、あらゆる手段を講じて皇子との関係を引き裂こうとしたが、すべて失敗に終わった。
最終的には処刑され、命を落とすこととなる。
努力を嫌い、家庭教師を呼んで社交ダンスやマナーを学ぼうとしても拒否するため、社交界では「黒百合の君」として知られるようになっていた。
彼女は7歳の誕生日に行われた初めての社交界デビューで、一目惚れした皇子に長年にわたり熱い視線を送り続けていたという。

何かと嫌われ者だった彼女に、私が憑依してしまったのだと、ため息をつく。
（初めての社交界が失敗だったのね…）
しかし、ふとあることに気づく。
きょろきょろと辺りを見渡して、窓に映る"小さな手足"の自分を見て、確信する。

「7歳の誕生日…って今日じゃない！！！」
そう決意し、廊下を全速力で駆け抜け、自分の部屋に飛び込み、机の上にノートを広げて、カリカリと何かを書き始めた。