# 完璧令嬢は悪女を演じる .
「 ... 一体、どういった経緯でしょうか。デトワール様。」
デトワール・アイリス。兼ねては私の婚約者。
この国の第三皇子であり、私との婚約は親同士で決まった政略結婚。
( [漢字]この[/漢字][ふりがな]政略[/ふりがな]結婚は...そう簡単には破棄出来ない、筈なんですけれども。 )
"妙に落ち着いた"私の様子が気に入らないのか、少し目を見開く彼。
だが直ぐに普段通りの様子になり、これを、と従者達に数枚の書類を読み上げさせる。
そこには、私が身に覚えの無い様々な罪が並べられていた。
( あ〜〜成程 ... [漢字]仕組まれていた[/漢字][ふりがな]全員がグルだった[/ふりがな]のね。 )
理解した様に1人で頷いていると、デトワールの後ろから、
薄い桃色の髪をゆるく巻いた小柄で可憐な令嬢が顔を出す。
「 あの...デトワール様... ? 」
( カローラ・ロミリア嬢 ... )
男児が多かった家系で、1人愛されて育った子爵家の娘。
デトワールはくるっと振り向き、愛おしげに彼女の頬を撫でる。
「大丈夫、カローラは何の心配も要らないよ。」
( ドレスが ... 随分とマナーがなっていない令嬢ね。)
彼女の大きくスリットが入ったドレスを見て、心の中でそう呟く私。
いや、誰もがそう思う筈だ。
『 パーティーでは露出の高いドレスの着用を禁じる 』
婚約披露パーティーとはいえ、そのマナーを破って良い訳ではない。
デトワールは私に向き直ると、鋭い目付きで私を睨む。
( では、そろそろ発言しましょうか。 )
ただ一方的に罪をなすり付けられるのも癪に触る。
ならば少しは発言しても良いだろう。
顔を隠していた扇子をパチンと閉じ、手で握る。
「_____婚約破棄の件、承知致しました。」