「そうか？お前も見慣れないうちにもっと白くなったんじゃないか？ハンターに狙われやすくないか？」とオルが聞き返しました。

「それ、褒めてるの？全っ然褒めてるようには聞こえないんだけど？まあ、いいわ。おかえり、オル」とミカが頭を下げました。

「ただいま、ミカ」とオルも頭を下げておでことおでこをミカとくっつけました。これがここの挨拶の仕方です。

「晩餐会がもうすぐ始まりま〜っす！広場に集まってくださ〜っい！」とさっきオルが声をかけたキルアが叫びました。

そのその声を聴くとと、ゾロゾロと動物たちは広場に集まって行きました。

「みんな集まってきているわ。そろそろ行かなくっちゃ。私、一人で行くことにしたの。じゃあね」とミカも広場に走って行きました。

「うん。あっもうこんな時間か。ミカとの時間が長すぎた」と言いながら、オルも広場へ走って行きました。そして、晩餐会が始まりました。

「ようこそ、集落の皆さん！今夜は一年に一回しかない、晩餐会です！存分にお楽しみください！」とキルアが言いました。

広場には、たくさんの食べ物屋さん、お店や椅子やテーブルなどがありました。

「久しぶりの晩餐会だ！楽しみだな！何からやろう？」とオルは何からやるか迷っていました。

「あれなんかどう？」とイグが大きな遊具を指差しました。

「あっイグ！来てくれのか！一緒に店まわるか？」とオルは目を輝かせました。

「あっいや、ボク連れがいるんだ。だから、今日は一緒にお店は回れないんだ。ごめんね」とイグが悲しそうに言いました。

「いやっ！全然気にしなくていい。連れがいるんだよな！さ、俺のことは気にしなくていいから、早く行きな？」とオルがイグを励ましました。

「うん……本当に大丈夫なの？一人で回れる？あ、もしかして一人じゃない？」とイグがオルの後ろを指差して言いました。

「えっ？」とオルは驚いて後ろへ振り向きました。

「あっミカ！お前、一人でまわるって言ってたのに、どうして…？」とオルが聞きました。

「どうしてって、あなたが一人でいたから、何かあったのかな〜ってなるでしょ？普通」とミカが答えました。

とみんなと話していると、ようやく冬が過ぎました。冬が過ぎたので、オルは北の森へ帰ります。

「みんなまた一年後！じゃあな！」と南の森の動物たちに手を振って、オルは北の森へ帰って行きました。ずうっとずうっと進んで行くと、またビリーの住む村へ着きました。

「ビリー‼︎…ビリー？ビリー、いるか？戻って来たぞ！」とオルが叫びました。

「あっオル！戻って来たの？また久しぶりだね！」とビリーが暖かく迎えてくれました。

「どうしたんだ？さっきも呼びかけて、来なかったのに」とオルが不思議そうに聞きました。

「えっああ、ちょっと用事があって……まあ、そんなことは気にしない！気にしない！」とビリーが言いました。

「そうか、何もなかったのならいい。じゃあ、俺はもう行く。何かあったらすぐ頼れよ！あっお前にこれをあげるよ。俺の助けが欲しくなったら、いつでもそれを吹け。悪いことには使うなよ？」とオルは手作りの笛をビリーにあげました。

「うん！もちろんだよ！でも、いいの？これ貰っても」とビリーが聞きました。

「ああ。お前は臆病だからな。それがあった方がいいだろう。じゃ、またな！」とビリーに手を振って、オルは帰りました。

「臆病って……。あはは、オルらしい。うん！またね！」とビリーも手を振って、オルを見送りました。