1章 デストロイワールド-Destroy World
[大文字][太字]1章 第7話「恐怖を超えて」[/太字][/大文字]
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
レイス・フロギストン
ジャック・カーソン
_____________
「クッソ……攻撃範囲が広い!」
ディオスはジャックの攻撃を避けながら呟く。そしてその後からジャックがさらに斬りかかる。
「すばしっこいなぁ…この剣重いんだよ、あんまり動かせんなよな」
するとジャックの後ろから小さい氷でできた弾が数発飛んできた。
「なんだぁ?このちっこい氷は。戦う気あんのか?」
「ディオス君!逃げて!私がおびき寄せとくから!」
レイスがディオスをかばって言うと、ジャックはレイスに向かって飛びかかる。
「そんなんで俺をどうするつもりだったんだ?ちっとも痛くねぇからな!」
ジャックが目の前まで来ると、レイスは呟いた。
「………私はいつも戦えない……この実力主義な世界では戦わないといけないことはわかってる。でも私は……」
そう呟くとレイスは自分の過去を思い出す。
(私は昔から静かな子だった。周りの子供たちはみんな
元気で、はしゃいだり、遊んだりしていた。でも私だけは違った。昔から一人で本ばかり読んで、誰ともしゃべらず無口だった。私はクラスの人達にいると思われず、置物だと思われたこともあった。そしてある日、私が本を読んでいると、私の本を取って馬鹿にするやつがいた。私はそれがとても嫌だった。それでスキルを使って相手に怪我をさせてしまった。するとクラスのみんなが怪我をした子に集まった。私のとこには誰も来なかった。……そして次の日、みんなが私をみてこう言った。『雪女』私はこう呼ばれた。私はこの日からいじめられた。近づいたら、『おい!みんな!凍らされるぞ!』と言われ、私の周りには誰も近づくことはなかった。それ以降私は人にスキルを使うのが怖くなった。中学なんか、測定以外で使うことなかった。能力値〈8〉だった私が、今では〈5〉にまで落ちていた。でも、私はそれでいいと思っていた。私が何もしなかったら傷つく人もいない。この……ままで………)
そのまま自分の過去に飲まれそうになったレイスだが、ディオスが懸命に呼びかけた。
「レイス‼‼」
[太字]【渾身の一撃】
【海洋斬】[/太字]
ディオスとジャックの攻撃がレイスの前でぶつかり合った。そしてディオスはレイスの前へ出て言う。
「レイス、お前に何があったか知らないが………今のお前の顔は、すごい自信がなさそうだ!お前のスキルも動きも測定で見たぞ!お前はすごい奴だ!だから、自分に自信をもて!」
「…………私、すごいんだ……自信……そうだよね……私も………自信を持っていいんだ!ディオス君!力を貸して!」
レイスの目は水色に光り、覚醒状態になった。
「うっしゃ!そんじゃ、いくぞ!」
レイスに言われたディオスは構え、ジャックへ向かった。
そしてレイスも後に続く。
「スキル『氷結』発動……[太字]【冷千氷満】[/太字]」
レイスがそう言うと手に氷でできた剣を持った。
「【冷千氷満】は氷で独自の武器を作れるのよ!」
レイスはそのままジャックへ向かう。するとジャックは剣から水の斬撃を飛ばした。レイスはその斬撃を剣ではらい、ジャックとの距離をさらに縮める。そしてジャックと剣でしばらく押し合った後、2人とも後ろへ下がり体勢を整える。そしてレイスに代わりディオスがジャックの前へ出ると、ジャックは呟いた。
「くっそ、なんだこいつら…これはよけるしか……」
ジャックがそう呟いたと同時に放送がかかる。
「今から各クラスの教室を禁止エリアにします」
それを聞いたディオスは言った。
「聞いたか、レイス!あの作戦でいくぞ!」
その時、レイスも同じことを考えていた。
「うん!スキル『氷結』……BURST発動[太字]【凍封氷結】[/太字]」
レイスがそう言うとあたり一面が凍りついた。
「って、は!?足が!?」
ジャックの足は凍りつき、動けなくなっている。そして さらに足から体へとジャックは凍りついていく。
「氷で……動……けん……」
ディオスはその間にジャックへトドメを刺す。
「終わりだ!ジャック!」
そう言ってディオスはジャックのことを蹴る。ジャックは動けないまま氷で滑り、教室へ入ってしまった。
「ジャック・カーソンさん、禁止エリアに入ったので脱落です」
そう放送がかかり、ジャックとの戦いは終わった。
「やっと倒せたなレイス!お前がいなきゃ負けてたよ。ありがとな!」
ディオスは笑顔でレイスへ言った。
(『ありがとう』って私が言うはずなのに……あの時に私に自信を持てって言ってくれたのは、ディオス君なのに………)
レイスは心の中で呟くと口を開いた。
「私こそありがと ‼」
レイスも今まで見せたことのない笑顔で返した。
「レイス、なんか表情豊かになったか?何か前より顔が柔らかくなったっていうか……」
ディオスはいつものレイスと雰囲気が違うことに疑問を 覚える。
「え、ほんと?それはちょっとうれしいかも……!」
レイスはまた微笑んだ。その頃、フレイと一緒に行動しているジークは呟く。
「何か冷たい気配を感じる。でもその中にどことない暖かさが感じられる…」
ジークが呟き終えると放送がかかった。
「こちら、対抗戦司令部です。現在の状況をお送りします。追加の脱落クラスは、2-2、3-2、以上のクラスが脱落しました。次の禁止エリアは校舎2階、 3階となります。30分後に禁止エリアとなりますので、早めに出るようにしてください」
「フレイ、聞いたか」
「あぁ、聞いた。これで残ったのは、1-4、1-1、2-1、3-1、だけになったな」
「たぶん、2、3年の2組を倒したのは1-1だ」
「え、そうなのか?でもなんでそんなことを……」
「今年の1年は能力値〈10〉が3人もいる。お前含めな。他にも〈8〉や〈9〉も沢山いる。だから今年の1年は 最強と呼ばれているんだ。そしてハデスの姿は1階には見られない…」
「2、3階で喧嘩売りに行ってるってわけか……上位クラスにそんなことを……じゃぁ、1-3は誰が!?」
「たぶんだが、ディオスとレイスたちがやってくれた。 この辺の空気が冷たいだろ?」
「た、確かに。お前、よく気付けるな」
「じゃあ、フレイ、ここから俺たちはどうすべきだと思う?」
「え?ディオスたちの元に戻るとか?」
「それもありだが結果的には負けるな。俺らがずっと隠れ続けるとやがて1-1の連中が来る。そしてただでさえ生き残りの少ないクラスが1組に急襲でもされてみろ」
「確かに、やられる……じゃあ、どうするんだよ」
「俺らも2階に上がるんだ」
「は?お前!そんなんしたらお前がやられて俺らは全滅だぞ!」
「俺のことまだ舐めてんのか?お前は目の前で俺を見てきただろ。それにお前は能力値〈10〉だ。いい感じに戦えば倒せる。それに俺はもう実力を隠さない。誰にも邪魔はさせない。こっからは全部…………[太字]俺のターンだ[/太字]」
[大文字][太字]1章 第7話「恐怖を超えて」 終わり[/太字][/大文字]
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
レイス・フロギストン
ジャック・カーソン
_____________
「クッソ……攻撃範囲が広い!」
ディオスはジャックの攻撃を避けながら呟く。そしてその後からジャックがさらに斬りかかる。
「すばしっこいなぁ…この剣重いんだよ、あんまり動かせんなよな」
するとジャックの後ろから小さい氷でできた弾が数発飛んできた。
「なんだぁ?このちっこい氷は。戦う気あんのか?」
「ディオス君!逃げて!私がおびき寄せとくから!」
レイスがディオスをかばって言うと、ジャックはレイスに向かって飛びかかる。
「そんなんで俺をどうするつもりだったんだ?ちっとも痛くねぇからな!」
ジャックが目の前まで来ると、レイスは呟いた。
「………私はいつも戦えない……この実力主義な世界では戦わないといけないことはわかってる。でも私は……」
そう呟くとレイスは自分の過去を思い出す。
(私は昔から静かな子だった。周りの子供たちはみんな
元気で、はしゃいだり、遊んだりしていた。でも私だけは違った。昔から一人で本ばかり読んで、誰ともしゃべらず無口だった。私はクラスの人達にいると思われず、置物だと思われたこともあった。そしてある日、私が本を読んでいると、私の本を取って馬鹿にするやつがいた。私はそれがとても嫌だった。それでスキルを使って相手に怪我をさせてしまった。するとクラスのみんなが怪我をした子に集まった。私のとこには誰も来なかった。……そして次の日、みんなが私をみてこう言った。『雪女』私はこう呼ばれた。私はこの日からいじめられた。近づいたら、『おい!みんな!凍らされるぞ!』と言われ、私の周りには誰も近づくことはなかった。それ以降私は人にスキルを使うのが怖くなった。中学なんか、測定以外で使うことなかった。能力値〈8〉だった私が、今では〈5〉にまで落ちていた。でも、私はそれでいいと思っていた。私が何もしなかったら傷つく人もいない。この……ままで………)
そのまま自分の過去に飲まれそうになったレイスだが、ディオスが懸命に呼びかけた。
「レイス‼‼」
[太字]【渾身の一撃】
【海洋斬】[/太字]
ディオスとジャックの攻撃がレイスの前でぶつかり合った。そしてディオスはレイスの前へ出て言う。
「レイス、お前に何があったか知らないが………今のお前の顔は、すごい自信がなさそうだ!お前のスキルも動きも測定で見たぞ!お前はすごい奴だ!だから、自分に自信をもて!」
「…………私、すごいんだ……自信……そうだよね……私も………自信を持っていいんだ!ディオス君!力を貸して!」
レイスの目は水色に光り、覚醒状態になった。
「うっしゃ!そんじゃ、いくぞ!」
レイスに言われたディオスは構え、ジャックへ向かった。
そしてレイスも後に続く。
「スキル『氷結』発動……[太字]【冷千氷満】[/太字]」
レイスがそう言うと手に氷でできた剣を持った。
「【冷千氷満】は氷で独自の武器を作れるのよ!」
レイスはそのままジャックへ向かう。するとジャックは剣から水の斬撃を飛ばした。レイスはその斬撃を剣ではらい、ジャックとの距離をさらに縮める。そしてジャックと剣でしばらく押し合った後、2人とも後ろへ下がり体勢を整える。そしてレイスに代わりディオスがジャックの前へ出ると、ジャックは呟いた。
「くっそ、なんだこいつら…これはよけるしか……」
ジャックがそう呟いたと同時に放送がかかる。
「今から各クラスの教室を禁止エリアにします」
それを聞いたディオスは言った。
「聞いたか、レイス!あの作戦でいくぞ!」
その時、レイスも同じことを考えていた。
「うん!スキル『氷結』……BURST発動[太字]【凍封氷結】[/太字]」
レイスがそう言うとあたり一面が凍りついた。
「って、は!?足が!?」
ジャックの足は凍りつき、動けなくなっている。そして さらに足から体へとジャックは凍りついていく。
「氷で……動……けん……」
ディオスはその間にジャックへトドメを刺す。
「終わりだ!ジャック!」
そう言ってディオスはジャックのことを蹴る。ジャックは動けないまま氷で滑り、教室へ入ってしまった。
「ジャック・カーソンさん、禁止エリアに入ったので脱落です」
そう放送がかかり、ジャックとの戦いは終わった。
「やっと倒せたなレイス!お前がいなきゃ負けてたよ。ありがとな!」
ディオスは笑顔でレイスへ言った。
(『ありがとう』って私が言うはずなのに……あの時に私に自信を持てって言ってくれたのは、ディオス君なのに………)
レイスは心の中で呟くと口を開いた。
「私こそありがと ‼」
レイスも今まで見せたことのない笑顔で返した。
「レイス、なんか表情豊かになったか?何か前より顔が柔らかくなったっていうか……」
ディオスはいつものレイスと雰囲気が違うことに疑問を 覚える。
「え、ほんと?それはちょっとうれしいかも……!」
レイスはまた微笑んだ。その頃、フレイと一緒に行動しているジークは呟く。
「何か冷たい気配を感じる。でもその中にどことない暖かさが感じられる…」
ジークが呟き終えると放送がかかった。
「こちら、対抗戦司令部です。現在の状況をお送りします。追加の脱落クラスは、2-2、3-2、以上のクラスが脱落しました。次の禁止エリアは校舎2階、 3階となります。30分後に禁止エリアとなりますので、早めに出るようにしてください」
「フレイ、聞いたか」
「あぁ、聞いた。これで残ったのは、1-4、1-1、2-1、3-1、だけになったな」
「たぶん、2、3年の2組を倒したのは1-1だ」
「え、そうなのか?でもなんでそんなことを……」
「今年の1年は能力値〈10〉が3人もいる。お前含めな。他にも〈8〉や〈9〉も沢山いる。だから今年の1年は 最強と呼ばれているんだ。そしてハデスの姿は1階には見られない…」
「2、3階で喧嘩売りに行ってるってわけか……上位クラスにそんなことを……じゃぁ、1-3は誰が!?」
「たぶんだが、ディオスとレイスたちがやってくれた。 この辺の空気が冷たいだろ?」
「た、確かに。お前、よく気付けるな」
「じゃあ、フレイ、ここから俺たちはどうすべきだと思う?」
「え?ディオスたちの元に戻るとか?」
「それもありだが結果的には負けるな。俺らがずっと隠れ続けるとやがて1-1の連中が来る。そしてただでさえ生き残りの少ないクラスが1組に急襲でもされてみろ」
「確かに、やられる……じゃあ、どうするんだよ」
「俺らも2階に上がるんだ」
「は?お前!そんなんしたらお前がやられて俺らは全滅だぞ!」
「俺のことまだ舐めてんのか?お前は目の前で俺を見てきただろ。それにお前は能力値〈10〉だ。いい感じに戦えば倒せる。それに俺はもう実力を隠さない。誰にも邪魔はさせない。こっからは全部…………[太字]俺のターンだ[/太字]」
[大文字][太字]1章 第7話「恐怖を超えて」 終わり[/太字][/大文字]
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