1章 デストロイワールド-Destroy World
[大文字][太字]1章 第1話「入学」[/太字][/大文字]
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
フレッド先生
_____________
"俺って何だろうな……"
"家族もいなくて人と関わることもできない"
"一人で寂しく生きるだけの[太字]『カイブツ』[/太字]か……"
"だが、これからは違う。俺もみんなと同じ『普通の子』になる、はずだったんだ……"
ここは[太字]『デストロイワールド』[/太字]完全実力主義の世界だ。 強いものは慕われ、弱いものはゴミのように扱われる。それがこの世界のルールだ。その「強さ」を決める上で重要になってくるもの、それは[太字]『スキル』[/太字]だ。生まれてくるとき、誰だって一つ『スキル』をもって生まれてくる。例えば、火をつけたり、水を操れたり、土の中を潜れたりなど種類は無数にある。そして人々はそれを使い、[太字]能力値[/太字]というものを作った。1から12までで表され、その数字で強さを表すものだ。もちろん高ければ高いほど世間から優遇され、低いものは気持ち悪がられ、社会から捨てられる、このように成り立っているのだ。そしてこの男も辛い社会を生きるものだったのだ。その名は[太字]『ジーク』[/太字]世間はジークのことを「能力社会のゴミ」という。理由はもちろんジーク自身の能力値に問題があるからだ。そう、ジークの能力値は「1」世間のお荷物と呼ばれている。
「はぁ…疲れたな今日も」
ジークはひそかに街の静かな場所を歩いていた。
「それにしても風が冷たい。早く帰らないとな。だって明日は……入学式だからな」
そしてジークは歩いた。「はぁーねっむ。今日から毎日これかよ……」
いつもより早く布団から起きてジークは呟いた。
「てか、荷物いらないってマジか?しかも入学式だけじゃなくて毎日らしいしな」
そして学校に着く。それからジークにとって重要な時でもある。クラスの奴らに良い印象を持ってもらう。非常に大事な時だ。
「頑張らないとな」
ジークはそう言い、校舎へと歩いた。すると後ろから声をかけられた。
「おい、そこのお前」
少し怒っているような男の人の声だった。
(誰だ?まぁ、誰であろうと能力値が高い奴だろうな)
「おい、聞こえないのか?イライラしてるから早くどけ」
(はぁー、気分さがるなぁ……今日は入学式だってのに)
仕方なくジークは口を開くことにした。
「あの……何でそんなに怒っているんですか?」
「お前死にたいのか?偉そうにしやがって…お前の能力値はいくつだ?」
(うん、知ってた。多分シカトしたら潰されるんだろうな……)
ジークは答えた。
「能力値は………〈1〉です……」
するとその男は少し間をおいて言った。
「は?お前マジで言ってんのか?本当に〈1〉の奴なんて初めて見た……」
それで終わると思いきや、まだその男は口を開く。
「よし、今なら許してやる。だから俺がキレる前にさっさと消えろ」
(こいつはだいぶイカれてるな)
そう心に思ってジークは言った。
「でもなんで能力値が低いからって、道を通さないといけないんでしょうかね」
そう言うと相手の方から炎のようなものでできた弾が数発とんで来た。おそらく相手の『スキル』だろう。
「っち……まさかこんなとこで騒ぎを起こすなんてな」
ジークは素早く避け、男は構えながら話す。
「いいか、この世界は実力主義だ。強いものに逆らうとこうなってしまう。だが、世間はそれを間違ってるとは言わない。強いものの言うことは絶対だ。だからお前は間違ってる。これが現実なんだ」
「ふっ、そんなことぐらい知ってるさ」
そう言ってまた心の中で呟く。
(俺はそんな世の中をぶっ潰すためにここにいるんだよ)
その瞬間に学校のチャイムが鳴った。
「っち…もう時間がない。おい貴様、次会ったら殺す」
そう言い残して男は高く飛び上がりどこかへ行った。
「やっと行った…たぶんあいつ学生だよなそしてこの辺りには学校は1つしかない。なんか嫌な予感してきた」
そして学校のクラス名簿が貼られている場所へジークは行った。
「あれに書いてあるのかな?」
そこには4組のクラスの名簿があった。ジークのもある。そしてそこには能力値〈10〉の名前があった。
「能力値……〈10〉…?なんだろう、嫌な予感が強くなってる。そして後ろから殺気を感じる……」
ジークが振り向くとそこには先ほどの男がいた。
(いやまずい、入学早々にやらかしたな…まずは、何事も話しかけないと始まらない……冷静になれ……)
ジークは焦っていたが冷静を取り戻し話しかけた。
「あの……あなたは……」
「消えろ」
「……いや、違うんで……」
「もういい、消えろ」
はっきりと言われたジークは、何も言えないままそっと後退りしてその場を去り、教室にある自分の席についた。
「はぁ、朝から波乱だなぁ」
待っていると始まりのチャイムが鳴り、先生が来る。
(先生、どんなひとだろう……)
先生がやって来た。口元には牙があり、黒いマントを羽織った吸血鬼のような姿をしている。そして教卓へ移動すると口を開いた。
「皆さん!入学おめでとうございます!今日からこのクラスの担任を務める『フレッド』です!『フレッド先生』と呼んでください!」
軽い自己紹介を済ませると、みんなも自己紹介をしようと言い、順番に自己紹介をすることになった。そして1番の人が前に出て自己紹介する。
「はじめまして!ディオス・ブラウスです!能力値は〈5〉で、好きなことはサッカーです。よろしくお願いします!」
そうして一人目は終わって二人目が始まる。ちなみにジークは3番目だ。
「………レイス・フロギストンです………好きな物はコーンスープです。能力値は〈5〉です……喋るのが苦手なので、喋り掛けてくれるとうれしいです……」
その人は自分で言い終えると照れくさそうにして席に戻った。そして、ジークの番になる。
「ええと、ジーク・デストロイです。能力値は〈1〉です……よろしく………」
そうしてジークの自己紹介は終わった。そして四人目の番だ。それは、ジークに「消えろ」と言った人物だった。
「フレイ・べルージュだ。能力値は〈10〉だ。先に言っておく、俺の邪魔はするな。以上」
このようにして全員分の自己紹介を行い、先生が話す。
「皆さんありがとうございます!それでは簡単にこの学校について話そうかと思います!」
こうしてこの学校の説明が始まる。
「この学校は他の所より比較的強い人たちがあつまる強豪校です。そしてクラスごとに強さで分かれています。1組には能力値の高い人たちが沢山いて、この4組は比較的弱い人たちが多いです。強さ順は1→2→3→4になります」
とのことだそう。そして3週間後にはクラスで生き残りをかけたクラス対抗戦を行うことになっている。この学校はそのような行事が沢山あるようだ。そしてそのルール説明と能力値の測定を次の授業でやることになっている。
[大文字][太字]1章 第1話「入学」 終わり[/太字][/大文字]
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
フレッド先生
_____________
"俺って何だろうな……"
"家族もいなくて人と関わることもできない"
"一人で寂しく生きるだけの[太字]『カイブツ』[/太字]か……"
"だが、これからは違う。俺もみんなと同じ『普通の子』になる、はずだったんだ……"
ここは[太字]『デストロイワールド』[/太字]完全実力主義の世界だ。 強いものは慕われ、弱いものはゴミのように扱われる。それがこの世界のルールだ。その「強さ」を決める上で重要になってくるもの、それは[太字]『スキル』[/太字]だ。生まれてくるとき、誰だって一つ『スキル』をもって生まれてくる。例えば、火をつけたり、水を操れたり、土の中を潜れたりなど種類は無数にある。そして人々はそれを使い、[太字]能力値[/太字]というものを作った。1から12までで表され、その数字で強さを表すものだ。もちろん高ければ高いほど世間から優遇され、低いものは気持ち悪がられ、社会から捨てられる、このように成り立っているのだ。そしてこの男も辛い社会を生きるものだったのだ。その名は[太字]『ジーク』[/太字]世間はジークのことを「能力社会のゴミ」という。理由はもちろんジーク自身の能力値に問題があるからだ。そう、ジークの能力値は「1」世間のお荷物と呼ばれている。
「はぁ…疲れたな今日も」
ジークはひそかに街の静かな場所を歩いていた。
「それにしても風が冷たい。早く帰らないとな。だって明日は……入学式だからな」
そしてジークは歩いた。「はぁーねっむ。今日から毎日これかよ……」
いつもより早く布団から起きてジークは呟いた。
「てか、荷物いらないってマジか?しかも入学式だけじゃなくて毎日らしいしな」
そして学校に着く。それからジークにとって重要な時でもある。クラスの奴らに良い印象を持ってもらう。非常に大事な時だ。
「頑張らないとな」
ジークはそう言い、校舎へと歩いた。すると後ろから声をかけられた。
「おい、そこのお前」
少し怒っているような男の人の声だった。
(誰だ?まぁ、誰であろうと能力値が高い奴だろうな)
「おい、聞こえないのか?イライラしてるから早くどけ」
(はぁー、気分さがるなぁ……今日は入学式だってのに)
仕方なくジークは口を開くことにした。
「あの……何でそんなに怒っているんですか?」
「お前死にたいのか?偉そうにしやがって…お前の能力値はいくつだ?」
(うん、知ってた。多分シカトしたら潰されるんだろうな……)
ジークは答えた。
「能力値は………〈1〉です……」
するとその男は少し間をおいて言った。
「は?お前マジで言ってんのか?本当に〈1〉の奴なんて初めて見た……」
それで終わると思いきや、まだその男は口を開く。
「よし、今なら許してやる。だから俺がキレる前にさっさと消えろ」
(こいつはだいぶイカれてるな)
そう心に思ってジークは言った。
「でもなんで能力値が低いからって、道を通さないといけないんでしょうかね」
そう言うと相手の方から炎のようなものでできた弾が数発とんで来た。おそらく相手の『スキル』だろう。
「っち……まさかこんなとこで騒ぎを起こすなんてな」
ジークは素早く避け、男は構えながら話す。
「いいか、この世界は実力主義だ。強いものに逆らうとこうなってしまう。だが、世間はそれを間違ってるとは言わない。強いものの言うことは絶対だ。だからお前は間違ってる。これが現実なんだ」
「ふっ、そんなことぐらい知ってるさ」
そう言ってまた心の中で呟く。
(俺はそんな世の中をぶっ潰すためにここにいるんだよ)
その瞬間に学校のチャイムが鳴った。
「っち…もう時間がない。おい貴様、次会ったら殺す」
そう言い残して男は高く飛び上がりどこかへ行った。
「やっと行った…たぶんあいつ学生だよなそしてこの辺りには学校は1つしかない。なんか嫌な予感してきた」
そして学校のクラス名簿が貼られている場所へジークは行った。
「あれに書いてあるのかな?」
そこには4組のクラスの名簿があった。ジークのもある。そしてそこには能力値〈10〉の名前があった。
「能力値……〈10〉…?なんだろう、嫌な予感が強くなってる。そして後ろから殺気を感じる……」
ジークが振り向くとそこには先ほどの男がいた。
(いやまずい、入学早々にやらかしたな…まずは、何事も話しかけないと始まらない……冷静になれ……)
ジークは焦っていたが冷静を取り戻し話しかけた。
「あの……あなたは……」
「消えろ」
「……いや、違うんで……」
「もういい、消えろ」
はっきりと言われたジークは、何も言えないままそっと後退りしてその場を去り、教室にある自分の席についた。
「はぁ、朝から波乱だなぁ」
待っていると始まりのチャイムが鳴り、先生が来る。
(先生、どんなひとだろう……)
先生がやって来た。口元には牙があり、黒いマントを羽織った吸血鬼のような姿をしている。そして教卓へ移動すると口を開いた。
「皆さん!入学おめでとうございます!今日からこのクラスの担任を務める『フレッド』です!『フレッド先生』と呼んでください!」
軽い自己紹介を済ませると、みんなも自己紹介をしようと言い、順番に自己紹介をすることになった。そして1番の人が前に出て自己紹介する。
「はじめまして!ディオス・ブラウスです!能力値は〈5〉で、好きなことはサッカーです。よろしくお願いします!」
そうして一人目は終わって二人目が始まる。ちなみにジークは3番目だ。
「………レイス・フロギストンです………好きな物はコーンスープです。能力値は〈5〉です……喋るのが苦手なので、喋り掛けてくれるとうれしいです……」
その人は自分で言い終えると照れくさそうにして席に戻った。そして、ジークの番になる。
「ええと、ジーク・デストロイです。能力値は〈1〉です……よろしく………」
そうしてジークの自己紹介は終わった。そして四人目の番だ。それは、ジークに「消えろ」と言った人物だった。
「フレイ・べルージュだ。能力値は〈10〉だ。先に言っておく、俺の邪魔はするな。以上」
このようにして全員分の自己紹介を行い、先生が話す。
「皆さんありがとうございます!それでは簡単にこの学校について話そうかと思います!」
こうしてこの学校の説明が始まる。
「この学校は他の所より比較的強い人たちがあつまる強豪校です。そしてクラスごとに強さで分かれています。1組には能力値の高い人たちが沢山いて、この4組は比較的弱い人たちが多いです。強さ順は1→2→3→4になります」
とのことだそう。そして3週間後にはクラスで生き残りをかけたクラス対抗戦を行うことになっている。この学校はそのような行事が沢山あるようだ。そしてそのルール説明と能力値の測定を次の授業でやることになっている。
[大文字][太字]1章 第1話「入学」 終わり[/太字][/大文字]
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