[中央寄せ]新月の真っ暗な空を星がきらきらと染め上げている。
そんな空の下、大都市の郊外に建つ洋館に向けて、銃口を向ける一人のスナイパーがいた。[/中央寄せ]

「…ターゲット発見。」

[中央寄せ]どうやら、洋館内にいる”彼”を撃ち抜こうとしているようだ。
彼は窓辺で読書をしている。スナイプにはうってつけの状況だ。[/中央寄せ]

「…あばよ。”大怪盗”。」

[大文字]バンッ！[/大文字]

[中央寄せ]銃声が響いた。
狙いは勿論頭。即死だろう、そう思った。

だが違った。[/中央寄せ]

[大文字]バチンｯ！！！[/大文字]

[中央寄せ]まるで強力なゴムを弾いたような音が0.1秒後に響いた。[/中央寄せ]

「？！」

[中央寄せ]銃弾は彼に当たらなかった。

本で、銃弾を弾いたのだ。[/中央寄せ]

「！？！？！？」

『……はぁ～…』

「！！」

[中央寄せ]スナイパーは彼の殺気に耐えられず、逃亡した。[/中央寄せ]

『も～…釈放されてからずっとこれだよ～…鋼仕込みの本いつも持ち歩くのめんどい～～～』
『僕の命取って何になるんだか！全く意味が分からない』

[中央寄せ]彼はかつて、世界を騒がせた大怪盗、アカ。
本名、[漢字][太字]青雲 赤兎[/太字][/漢字][ふりがな]あおぐも あかと[/ふりがな]（17）
釈放こそされたが彼はピンピンしている。[/中央寄せ]

これからどうなるのか？どうするのか？
元大怪盗の楽しい楽しい第二の人生、始まり始まり！