貴方とまた巡り会う
『し、らぶ、せんぱい......』
勢いよく振り返った。
「.......○○。お前な「○○、知り合いかなんか?」....チッ」
白布先輩の言葉を遮るように、国見くんが喋る。
『あっ、えっと.....中学の、先輩、だよ......!』
回らない脳を必死に回して答えを出す
笑顔を作って国見くんに伝える。視界の端で白布先輩の顔が歪むのが見える
「○○、なぁ、本当に」
『白布先輩お久しぶりです〜!白鳥沢偏差値高すぎて.......落ちちゃいましたっ!』
2人の顔が驚きへと変わる。国見くんは、お前そっち受けてたのって顔。白布先輩は、多分.......
な訳ねぇだろって顔
私、白布先輩ぐらい頭良かったですもんね。落ちるわけない。自分でも分かってる。だから、アリバイ作りにちゃんと、青葉城西では中の上ぐらいに居るんです。
「お前、白鳥沢受けてたの」
『国見くんには言ってなかったね、そういえば!そうなんです、受けてたんです........私の学力では足りなかったみたい........』
「いやお前.......」
白布先輩はやっぱり思うところがあるみたいですね。何言ってんだって顔してる
「まぁ、中の上くらいだしな。ギリギリ落ちるだろ」
「は?」
あーあ、言っちゃった。先輩、高校に入ってから成績落ちたって思ってくれないかなぁ.......
先輩変なとこで鋭いもんなぁ
『.....頭はいい方だが!?』
「頭"は"な、運動できないよな、本当」
まだ白布先輩は顔を顰めてる。あぁ、泣きそう。
顔を下に向ける。
『.......そろそろ帰りますね、白布先輩。また会えると嬉しいですねっ、さようなら』
この場から早く去りたいと思いを胸に、国見くんの手を掴んで、早歩きで歩く。
「○○っ.....!」
頬に生暖かいモノが伝う
もう、会いたくない。
「賢くん!早いんだけどーっ!」
後ろで女の人の声がうっすら聞こえた。
ガッ......シャラ......
今日も歯車は動き出した
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