文字サイズ変更

wolf

#16


「まさかそんなことがあったなんて」

「若気の至りとは言え、彼女には申し訳ないことをした」

「それで、その彼女が今回の事件のウルフの正体、だと」


コバルトは無言で頷いた。


「ポタシさんに見てもらいたい物があります」


そう言うと、コバルトは少女が写った古い新聞の切り抜きを取り出した。


「彼女は?」

「15年前のリンの写真です。それから……ちょっと失礼しますね」


コバルトは机に置かれていたパソコンをおもむろに操作し始めた。
店内の監視カメラのデータが入ったフォルダーを開き、お目当ての映像を見つけたのか、その場面で停止させてポタシに見せた。


「これが、現在の彼女です」

「なんと!」

「彼女がこのアルゴンへ入っていく姿を見たと言う情報を得ましてね」

「何故、彼女がここに!」

「それは……と、その前に……」


コバルトは続きを話す前に勢いよく裏口の扉を開けた。


「うわあっ!」

「盗み聞きとは感心しないな、ネオン」


ネオンは急にドアが開いたことに驚き、尻もちをついてしまった。


「ちっ……」


コバルトは無理やりネオンを立たせるために腕を引っ張ったかと思うと、頭を鷲掴みにした。
ただ掴んでいるように見えるが、実は指が高速に動いており、的確にとあるツボを突いている。


「なに、をっ……くっ……」


ネオンは意識を失い、コバルトの方へと倒れ込んだ。


「おっと」


それを受け止めるコバルト。


「コバルトさん、何を」

「なーに、ちょっと記憶を操作しただけですよ」

「記憶操作……」

「彼を家まで送った後にまた来ます」


コバルトはネオンを担いでアルゴンを後にした。

このボタンは廃止予定です

2024/09/28 15:37

edp ID:≫apGJHCLxK3/iQ
小説を編集
/ 19

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL