高嶺の花にはトゲがある
「ねぇ、君…」
後ろから、肩を掴まれた。
(誰だ、これ…?背高いなぁ…)
僕と20㎝は差がありそう。髪は金髪だし、服装も…なんていうか、チャラそう…?
僕でも見たことあるブランドものをたくさん身につけてるし、リングとかネックレスとかピアスとか…
「あの、何か…?」
おそるおそる話しかけると、男の人はにこっと笑った。
(やばい、やっぱり不審者かも…)
「あのっ、離してくださっ…」
[太字]「君、菫の彼氏?」[/太字]
「菫…って…」
乃美さんの下の名前は菫だったはず。
「彼氏、じゃないし、貴女は誰ですか!?」
(もしかして、乃美さんのストーカーとか…!?)
[大文字]「お兄ちゃんっ…」[/大文字]
乃美さんの声がして、振り返る。
(部屋着だ…って、そうじゃなくって!)
「お兄さん!?」
お兄さん、と呼ばれた男の人は乃美さんに近づいた。
「なんでよ…」
「なんでってひど~い、せっかくお兄ちゃんが実家に返ってきたのにさ~?」
似てないっていうか…真面目な乃美さんと正反対、って言ったらあれだけど…
チャラそうだし、あんまりイメージなかったかも…
「えっと…?」
情報量が多くて、僕がフリーズしてたらお兄さんが今度は僕のほうに。
「初めまして、菫の兄の晴人、大学3年生だよ」
(大学生か…)
「乃美さんのクラスメイトの、花倉旭です…」
「へぇ、同い年なんだ~!彼氏ではないんだっけ?」
「違いますっっっっ」
お兄さん、グイグイくるなぁ…
「お兄ちゃん、花倉くんに絡むのやめてよ…もう遅いし、花倉くんも帰らなきゃ…」
「じゃ、送ってあげるよ」
「いやっ、申し訳ないです…」
乃美さんが、ずっとお兄さんのことを睨んでるのは気のせい、かな…
「いいよいいよ~、旭くんとおしゃべりしたいし~」
「ちょっと、お兄ちゃんっ…」
お兄さんに車まで(ほぼ強制的に)連れて行かれて、助手席に乗った。
「曲がるとこ教えて~」
「あ、はい…すみません、ありがとうございます…?」
「あはは、疑問形~」
なんていうか、明るい人だなぁ。
「菫、学校でどう?嫌われてる?」
「えぇ…っと…」
正直に言った方がいいのかな。
「嫌われてる、というか…誤解されてます」
「誤解って、どんな?」
「本人は、仲良くなりたいと思ってても…どうしても、彼女の優しさが伝わらないんです」
「そっかぁ…あいつね、中学でいじめられてんだ」
「えっ?」
いじめ…やっぱり、あれが原因かな。
「話してないか。ごめん、これ内緒ね!」
「いえ…あの、でもっ…僕は、乃美さんのいいところ、たくさん知ってます。僕が、守ります」
「…旭くん、菫のことよろしくね」
「はいっ」
「結婚報告みたいでお兄ちゃんどきどきするなぁ~」
(けっ……!?)
やっぱり、似てない。
「家、ここです」
「じゃあ、またね~」
「…はい」
お兄さんは、全然似てないけど…乃美さんのこと、お兄さんが支えてきたのかな。
後ろから、肩を掴まれた。
(誰だ、これ…?背高いなぁ…)
僕と20㎝は差がありそう。髪は金髪だし、服装も…なんていうか、チャラそう…?
僕でも見たことあるブランドものをたくさん身につけてるし、リングとかネックレスとかピアスとか…
「あの、何か…?」
おそるおそる話しかけると、男の人はにこっと笑った。
(やばい、やっぱり不審者かも…)
「あのっ、離してくださっ…」
[太字]「君、菫の彼氏?」[/太字]
「菫…って…」
乃美さんの下の名前は菫だったはず。
「彼氏、じゃないし、貴女は誰ですか!?」
(もしかして、乃美さんのストーカーとか…!?)
[大文字]「お兄ちゃんっ…」[/大文字]
乃美さんの声がして、振り返る。
(部屋着だ…って、そうじゃなくって!)
「お兄さん!?」
お兄さん、と呼ばれた男の人は乃美さんに近づいた。
「なんでよ…」
「なんでってひど~い、せっかくお兄ちゃんが実家に返ってきたのにさ~?」
似てないっていうか…真面目な乃美さんと正反対、って言ったらあれだけど…
チャラそうだし、あんまりイメージなかったかも…
「えっと…?」
情報量が多くて、僕がフリーズしてたらお兄さんが今度は僕のほうに。
「初めまして、菫の兄の晴人、大学3年生だよ」
(大学生か…)
「乃美さんのクラスメイトの、花倉旭です…」
「へぇ、同い年なんだ~!彼氏ではないんだっけ?」
「違いますっっっっ」
お兄さん、グイグイくるなぁ…
「お兄ちゃん、花倉くんに絡むのやめてよ…もう遅いし、花倉くんも帰らなきゃ…」
「じゃ、送ってあげるよ」
「いやっ、申し訳ないです…」
乃美さんが、ずっとお兄さんのことを睨んでるのは気のせい、かな…
「いいよいいよ~、旭くんとおしゃべりしたいし~」
「ちょっと、お兄ちゃんっ…」
お兄さんに車まで(ほぼ強制的に)連れて行かれて、助手席に乗った。
「曲がるとこ教えて~」
「あ、はい…すみません、ありがとうございます…?」
「あはは、疑問形~」
なんていうか、明るい人だなぁ。
「菫、学校でどう?嫌われてる?」
「えぇ…っと…」
正直に言った方がいいのかな。
「嫌われてる、というか…誤解されてます」
「誤解って、どんな?」
「本人は、仲良くなりたいと思ってても…どうしても、彼女の優しさが伝わらないんです」
「そっかぁ…あいつね、中学でいじめられてんだ」
「えっ?」
いじめ…やっぱり、あれが原因かな。
「話してないか。ごめん、これ内緒ね!」
「いえ…あの、でもっ…僕は、乃美さんのいいところ、たくさん知ってます。僕が、守ります」
「…旭くん、菫のことよろしくね」
「はいっ」
「結婚報告みたいでお兄ちゃんどきどきするなぁ~」
(けっ……!?)
やっぱり、似てない。
「家、ここです」
「じゃあ、またね~」
「…はい」
お兄さんは、全然似てないけど…乃美さんのこと、お兄さんが支えてきたのかな。