高嶺の花にはトゲがある
「…どうしたの、…乃美さん?」
もう1件のメールは、乃美さんからので。
今、僕の目の前にいて、焦って、肩で息をしてるのも、乃美さん。
(どうしたんだろ…こんなに焦って…)
「大丈夫…?」
とりあえず、電車の中だから僕が座ってたところに座ってもらった。
「あ、えっと……」
乃美さんは、目を合わせないでずっとこんなかんじ。
僕とは、普通に話せるって言ってたのに…何かあったのかな。
「さっき、女の子と………」
「…アヤメ?」
「そう、あの子…この前の子」
アヤメが、どうかしたのかな。
「付き合ってるの?…あの子と。」
やっと、目が合った。けど、すぐに逸らされた。
「違うよ。アヤメ、今好きな人いるらしいし。って、それだけ……?」
「そう、だけど!?」
「しーっ…電車だよ、乃美さんっ」
「あ、ごめん…」
やっぱ、慌ててる。そんなふうに見えてたなんて、アヤメに申し訳ないなぁ。
ちゃんと、好きになった人がいるのに。
「気になったの…あの子と付き合ったら、私の苦手の克服、手伝ってくれなくなっちゃうんじゃないかって…」
「あぁ、そういうこと…大丈夫だよ、違うし。もしそうだとしても、約束は必ず守るから!」
「…そう」
ちょっと嬉しそう。機嫌、直ってよかった。
「…そういえば、乃美さんもこの電車なの?」
会ったことないし、時間が違うのかな。
[太字]「…あ……」[/太字]
「行動力、すごいね…」
「ごめんなさい……」
乃美さん、全然逆方向だったみたい。
(変なとこ抜けてるなぁ…)
もう暗いから、僕が送ることにした。
「私、家ここだから。ありがとう」
「ううん!大丈夫だよ」
「…花倉くん…」
乃美さんが、僕の肩を掴んだ。
[太字]「…本当に送らなくて大丈夫…??」[/太字]
「それじゃあ僕が送った意味ないじゃん…大丈夫だよ。いざとなったら兄ちゃん呼ぶから。」
「お兄さんいるの?」
「うん。妹と兄、僕が真ん中。兄ちゃんは、もう大学生なんだ」
「そうなんだ…」
「乃美さんは?兄姉いるの?」
「兄が一人…」
「じゃあ、男の人と喋るの慣れたりしない?」
「…あれは、…[太字]ノーカン。[/太字]」
「あはは…」
「じゃあ、ありがとう。気をつけてね。」
「うん。おやすみ」
手を振って、僕は乃美さんと反対方向に歩き出す。
(暗いなぁ…やっぱ兄ちゃん呼ぼうかな~…)
そう思って、スマホを取り出した。
[太字]「…ねぇ、君」[/太字]
もう1件のメールは、乃美さんからので。
今、僕の目の前にいて、焦って、肩で息をしてるのも、乃美さん。
(どうしたんだろ…こんなに焦って…)
「大丈夫…?」
とりあえず、電車の中だから僕が座ってたところに座ってもらった。
「あ、えっと……」
乃美さんは、目を合わせないでずっとこんなかんじ。
僕とは、普通に話せるって言ってたのに…何かあったのかな。
「さっき、女の子と………」
「…アヤメ?」
「そう、あの子…この前の子」
アヤメが、どうかしたのかな。
「付き合ってるの?…あの子と。」
やっと、目が合った。けど、すぐに逸らされた。
「違うよ。アヤメ、今好きな人いるらしいし。って、それだけ……?」
「そう、だけど!?」
「しーっ…電車だよ、乃美さんっ」
「あ、ごめん…」
やっぱ、慌ててる。そんなふうに見えてたなんて、アヤメに申し訳ないなぁ。
ちゃんと、好きになった人がいるのに。
「気になったの…あの子と付き合ったら、私の苦手の克服、手伝ってくれなくなっちゃうんじゃないかって…」
「あぁ、そういうこと…大丈夫だよ、違うし。もしそうだとしても、約束は必ず守るから!」
「…そう」
ちょっと嬉しそう。機嫌、直ってよかった。
「…そういえば、乃美さんもこの電車なの?」
会ったことないし、時間が違うのかな。
[太字]「…あ……」[/太字]
「行動力、すごいね…」
「ごめんなさい……」
乃美さん、全然逆方向だったみたい。
(変なとこ抜けてるなぁ…)
もう暗いから、僕が送ることにした。
「私、家ここだから。ありがとう」
「ううん!大丈夫だよ」
「…花倉くん…」
乃美さんが、僕の肩を掴んだ。
[太字]「…本当に送らなくて大丈夫…??」[/太字]
「それじゃあ僕が送った意味ないじゃん…大丈夫だよ。いざとなったら兄ちゃん呼ぶから。」
「お兄さんいるの?」
「うん。妹と兄、僕が真ん中。兄ちゃんは、もう大学生なんだ」
「そうなんだ…」
「乃美さんは?兄姉いるの?」
「兄が一人…」
「じゃあ、男の人と喋るの慣れたりしない?」
「…あれは、…[太字]ノーカン。[/太字]」
「あはは…」
「じゃあ、ありがとう。気をつけてね。」
「うん。おやすみ」
手を振って、僕は乃美さんと反対方向に歩き出す。
(暗いなぁ…やっぱ兄ちゃん呼ぼうかな~…)
そう思って、スマホを取り出した。
[太字]「…ねぇ、君」[/太字]