高嶺の花にはトゲがある
未開封のメールが2件。だいぶ前のと、ついさっきの。
「アヤメ…?」
電話掛けてくれてたみたいだ。
(出るかなぁ…)
アヤメは、ワンコールで出てくれた。
「もしもし、アヤメ?ごめん、すぐ取れなくって…」
『別に、いいよ。ごめん、わざわざ…』
「ううん。何かあった?」
アヤメと電話、何気に久しぶりだな。
メールもそんなに頻繁にはしないし。
『…話したいこと、あって…』
アヤメは、深刻そうに言った。
「…仲直り…?」
アヤメが言わなそうな言葉がするっと出てきて、ちょっと驚いた。
学校近くのファミレス。
ブラックコーヒーを飲むアヤメと、期間限定の苺パフェを頬張る僕。
「…本当、可愛いよねぇ、旭…」
「うるっさいなぁ!…で、仲直りって?」
「…この前、【高値の花】に酷いこと言ったじゃん…?」
アヤメは、申し訳なさそうに言った。
(気にしてるんだなぁ…)
乃美さんも、謝っておいてって言ってたけど…
案外、仲良くできるんじゃないかなぁ。
「私、あの時イライラしてたし…冷静じゃなくて…って、言い訳だよね。謝りたいんだ。…あと、ちょっと、興味あるし…」
「じゃあ、仲良くなろうよ!」
「…あっちも、もう私のこと嫌いでしょ…」
「大丈夫だよ」
乃美さんが言ってたこと、伝えたほうがいいのかなって思ったけど。
アヤメが仲直りする気なら、そのときに一緒に伝えた方がいいよね。
「あ、ていうか。彼氏は?どうなの?」
「あ~、別れたよ?」
「えぇっっっ」
サラッと言ってのけるアヤメ。
コーヒーを一口飲んで、話し出した。
「…やっぱ、合わなかった。それに、今はもう好きな人いるし~?」
アヤメは、すぐ彼氏ができて、あんまり続かない。本人も、そこまで重くないから、またすぐに好きな人ができるんだ。
男好き、とかって噂してるのを聞いたことがあるけど、僕はいいことだと思う。
だって、人の良いところをたくさん見つけて、好きになれる。それは、すごいことだから。
「そっか。頑張ってね」
「うん。話聞いてくれてありがと。明日、クラス行って謝ってみるよ」
会計は、アヤメが出してくれた。
「付合ってくれたお礼。ありがとね」
アヤメは、白い歯を見せて笑った。
駅で別れて、電車に乗った。
(あ、メール…)
もう1件来てたのを忘れてた。
スマホを出して、メールを開く。
「…乃美さん?」
「アヤメ…?」
電話掛けてくれてたみたいだ。
(出るかなぁ…)
アヤメは、ワンコールで出てくれた。
「もしもし、アヤメ?ごめん、すぐ取れなくって…」
『別に、いいよ。ごめん、わざわざ…』
「ううん。何かあった?」
アヤメと電話、何気に久しぶりだな。
メールもそんなに頻繁にはしないし。
『…話したいこと、あって…』
アヤメは、深刻そうに言った。
「…仲直り…?」
アヤメが言わなそうな言葉がするっと出てきて、ちょっと驚いた。
学校近くのファミレス。
ブラックコーヒーを飲むアヤメと、期間限定の苺パフェを頬張る僕。
「…本当、可愛いよねぇ、旭…」
「うるっさいなぁ!…で、仲直りって?」
「…この前、【高値の花】に酷いこと言ったじゃん…?」
アヤメは、申し訳なさそうに言った。
(気にしてるんだなぁ…)
乃美さんも、謝っておいてって言ってたけど…
案外、仲良くできるんじゃないかなぁ。
「私、あの時イライラしてたし…冷静じゃなくて…って、言い訳だよね。謝りたいんだ。…あと、ちょっと、興味あるし…」
「じゃあ、仲良くなろうよ!」
「…あっちも、もう私のこと嫌いでしょ…」
「大丈夫だよ」
乃美さんが言ってたこと、伝えたほうがいいのかなって思ったけど。
アヤメが仲直りする気なら、そのときに一緒に伝えた方がいいよね。
「あ、ていうか。彼氏は?どうなの?」
「あ~、別れたよ?」
「えぇっっっ」
サラッと言ってのけるアヤメ。
コーヒーを一口飲んで、話し出した。
「…やっぱ、合わなかった。それに、今はもう好きな人いるし~?」
アヤメは、すぐ彼氏ができて、あんまり続かない。本人も、そこまで重くないから、またすぐに好きな人ができるんだ。
男好き、とかって噂してるのを聞いたことがあるけど、僕はいいことだと思う。
だって、人の良いところをたくさん見つけて、好きになれる。それは、すごいことだから。
「そっか。頑張ってね」
「うん。話聞いてくれてありがと。明日、クラス行って謝ってみるよ」
会計は、アヤメが出してくれた。
「付合ってくれたお礼。ありがとね」
アヤメは、白い歯を見せて笑った。
駅で別れて、電車に乗った。
(あ、メール…)
もう1件来てたのを忘れてた。
スマホを出して、メールを開く。
「…乃美さん?」