高嶺の花にはトゲがある
「乃美さんっ!待っ…[太字]ぎゃ![/太字]」
「…はぁ……」
廊下で、派手に転んでしまった。しかも、乃美さんの前で。
「…はい。大丈夫?」
手を、貸してくれた。
「…ありがとう」
「それで、何?」
「…乃美さん、ごめんって…」
ぷいっと、顔をそむける。
「私、いつも言い過ぎちゃうの。言いたくない、酷いこととか、悪口とか。そのせいで、嫌われて…当たり前だけどね。それで、自分を守るために、もっともっと口が悪くなって…」
「…私、もうちょっと、[太字]素直になりたい。[/太字]花倉くんみたいに」
「え、僕?」
「うん。すぐ顔に出る。分かりやすい。でも、だから…絡みやすい。」
「そうかなぁ…」
確かに、よく凪と周に言われる。顔に出てるぞって。
「どうして、そんなに思ったことをストレートに言えるの?」
「えぇ…なんだろうな。考えたことなかったや」
「ふぅん」
乃美さんは、通学バッグを持って、「早く」と言った。
「…うんっ」
「…ねぇ、この前私に絡んできた女子、花倉くんの友達?」
「うん。アヤメだよ」
「謝っといてほしい。…自分では、まだ言えないから」
「分かった。また会ったら言っておくよ」
(そうだ…)
「乃美さん、誰かと仲良くしたい、とか思う?」
「…あんまり。そこまで興味ないし。まぁ、でも…よく男子が話しかけてくる、かな」
さすが、高嶺の花。
「そのとき、どうしてる?」
「…返事しようと思って、相手の顔見たら…なんか怖がられて、言葉出なくなっちゃって…結局、無視したみたいになっちゃった」
「…じゃあ、僕で練習しようよ。話す練習。」
「なにそれ。ていうか、私花倉くんは普通に話せるし」
「えぇ…?なんでっ」
「なんか、うちの犬みたいで」
乃美さんは、くすっと笑う。
(わぁ、綺麗に口角上がるんだな…)
「これ、うちの犬。柴犬の、おまめ」
「可愛い」
乃美さんが、写真を見せてくれた。
「…あ、そうだ。乃美さん」
「…はぁ……」
廊下で、派手に転んでしまった。しかも、乃美さんの前で。
「…はい。大丈夫?」
手を、貸してくれた。
「…ありがとう」
「それで、何?」
「…乃美さん、ごめんって…」
ぷいっと、顔をそむける。
「私、いつも言い過ぎちゃうの。言いたくない、酷いこととか、悪口とか。そのせいで、嫌われて…当たり前だけどね。それで、自分を守るために、もっともっと口が悪くなって…」
「…私、もうちょっと、[太字]素直になりたい。[/太字]花倉くんみたいに」
「え、僕?」
「うん。すぐ顔に出る。分かりやすい。でも、だから…絡みやすい。」
「そうかなぁ…」
確かに、よく凪と周に言われる。顔に出てるぞって。
「どうして、そんなに思ったことをストレートに言えるの?」
「えぇ…なんだろうな。考えたことなかったや」
「ふぅん」
乃美さんは、通学バッグを持って、「早く」と言った。
「…うんっ」
「…ねぇ、この前私に絡んできた女子、花倉くんの友達?」
「うん。アヤメだよ」
「謝っといてほしい。…自分では、まだ言えないから」
「分かった。また会ったら言っておくよ」
(そうだ…)
「乃美さん、誰かと仲良くしたい、とか思う?」
「…あんまり。そこまで興味ないし。まぁ、でも…よく男子が話しかけてくる、かな」
さすが、高嶺の花。
「そのとき、どうしてる?」
「…返事しようと思って、相手の顔見たら…なんか怖がられて、言葉出なくなっちゃって…結局、無視したみたいになっちゃった」
「…じゃあ、僕で練習しようよ。話す練習。」
「なにそれ。ていうか、私花倉くんは普通に話せるし」
「えぇ…?なんでっ」
「なんか、うちの犬みたいで」
乃美さんは、くすっと笑う。
(わぁ、綺麗に口角上がるんだな…)
「これ、うちの犬。柴犬の、おまめ」
「可愛い」
乃美さんが、写真を見せてくれた。
「…あ、そうだ。乃美さん」