今日も一人で帰る。私はいつもぼっちだ。
小学校から仲のいい友達もいるが、帰る方向が真逆なので一緒に帰ることはできない。
「はぁ」
私は小さくため息をつく。
今日もつまらなく終わるのだろうか。
いや、今日だけは違うんだ！
今日は三年ぶりに友達と遊ぶ。
髪型はいつものままで、服装はどうしようか。
そんなことを考えていたらいつのまにか家に着いていた。
急いで支度をして待ち合わせ場所のベンチへ向かう。

待ち合わせのベンチには友達の吉沢杏奈(よしざわあんな)が座ってスマホを触っているのが見えた。
「杏奈」
杏奈一度こちらをみたがすぐにスマホを見てしまった。
私は仕方なく杏奈の目の前まで行った。
「あーんーな！」
「えっ、私ですか？」
「何で敬語なの？」
「ん？もしかして汐恩！？」
「え、あ、うん。そうだけど？」
「え、何でそんな格好してんの！？」
ああ、そりゃそうか。
学校では黒髪のロングでメガネに白マスク。
スカートも折らないインキャだ。
しかし、今の私は毛先が青いウルフカットにコンタクトレンズをつけ、黒マスク。
服は黒く、「bad」という文字が入ったＴシャツに長いダメージジーンズだ。
私は身長が高く、足が長いのでダメージジーンズを履くと足の長さがよく際立つ。スタイルも悪くはないので自分でもおしゃれだと思う。
「これがいつもだよ」
「か、かっこよすぎでしょ！絶対モテちゃうよ！」
「かっこよくてもモテないと思う。」
可愛くないとモテないのは当たり前だ。
「いやいや、てか、髪どしたの！？」
「いつもの髪はカツラ。」
「カツラほんとに使う人いたんだ、、」
「じゃ、行こう。」
「う、うん。」
杏奈にここまで驚かれると思わなかった。
まあ、いいか！