【僕は俺>俺が勇者になった理由】〜異世界行って人探しのついでに英雄になってやる〜
「俺、本当に倒したのか…」
傷のディアは俺の目の前で倒れている。土魔力砲弾が頭に直撃したせいか見事に首から頭までが爆散している。
「マジで反動がエゲツない…」
自分自身にまで、影響がくる技…
「これは絶対に人向けたらダメなやつだ」
こんなの普通の人がくらったら骨すら残らない。いや、リュカなら普通にぶった斬るか、拳で破壊してくるだろうな。
そんなことは置いといて二度と使わないことに俺は心の中で深く決意したのだった。
「おお、何やらエゲツない音が聞こえたから急いできたらまさかこんなことになってるとは」
リュカが、全身血だらけで来たので俺は頬が引き攣った。
「りゅ、リュカ大丈夫なの?」
「ん?ああ、問題ない。雷なんて痒いくらいだ。それに、返り血だから安心しろ」
いや、全然安心できないんですけど。てか、雷もろにくらって生きてるやつの方がおかしいだろ。なんで痒いくらいで済むの?マジで人間辞めてる。
「もういいや、リュカはおかしいのだ」
「おい、なんかすごいへんな納得のされ方してるよな」
いや、何も変ではない。変なのはお前なんだよ!!とりあえず毎回真っ赤に染まって出てくるのはやめろ!!!
「しっかしあのフォールディアをまさかこんな木っ端微塵に吹き飛ばしなんてな…すげえ威力だ。ワテも流石に驚いた…」
驚いた顔して俺を見るリュカに少し新鮮味を感じた。
「いや、俺もびっくりですよ…まさか本当に魔法が使えるなんて思ってもなかったす」
「フハハハハ!!そうだろうな!まさかこの短時間でお前が自力で魔法を習得するなんてワテも予想外だった!よくやったぞ」
豪快に笑うリュカに俺は苦笑するくらいしかできなかった。
「本当ならワテが教えるはずだったんだがな…もういいか」
剣の血を振り払い、仁王立ちするリュカ。
「じゃあ、全部解体していくか」
「本当に言ってる?」
●
解体は以外とスムーズに進んでいった。フォールディアの皮膚は分厚く硬くて切りにくいはずなのだが、貸してもらったナイフがすげえ切れ味がいいためかバターのように切れる。
「お前、解体できるのか?」
「俺ですか?」
「ああ、もっと嫌がると思った」
「ははは、俺はそんな子供じゃないっすよ。それにこう言うのは嫌いじゃないんで」
「そうなのか」
気持ち悪いが言うほど苦ではない。魚の解体業とかよく見てたしな。まあ父さんが趣味で魚釣ってきて解体していたのを見てたし。
解体が終了した。取れたのは26本の角、13個の魔石、その他諸々…相当な量になった。一体これをどうやって運ぶのだろうか。
「よしいくか」
「え?どうやって運ぶんですかこれ…」
「んなもん、そりゃワテの風魔法で持ち上げて余ったもんは担ぐに決まってんだろ」
「か、かついで帰るの?」
「おう」
「いやだああああああああ」
そして俺らは3kmある道を30kg以上の荷物を抱えて走った。歩いてない。走った。もちろん道中は魔獣や魔物に出会ったさ。クソバッタに、クソグモに…マジであいつら許さねえ。
[水平線]
「ついたあああ!!」
俺はガクガクになった足を押さえながら、その場に倒れ込む。これがまだ朝起きての3時間以内の話なんておかしい。
行きは魔物との戦闘に、帰りは荷物担いで全力で逃げ切る。ろくなことやってないな。
「ふう…やっと飯が食えるな」
「俺は、腹減って死にそうです。それになんか頭がふらふらします」
「魔力切れと酸素切れだな。あんなデカいやつぶっ放して、そこから全力疾走だもんな。そりゃ魔力も酸素も大量に消費するさ。まあこれから魔法の使用回数を増やしていけばある程度増えていく。体力もそうだ。これからたっぷり叩き込んでやる」
ニヤリと笑うリュカに、頬が震えて頭の中に地獄が思い浮かぶ。
解体したディア肉をさばいて、ジャンジャン焼いていくリュカ…もしかしてこいつは料理まで上手なのか?嘘だろ…こんなやつが?ちょっとびっくりだんだが…
「よしできた。食え」
「ありがとうございます…ふう、やっと食べられる、」
焼きたてのディア肉にかぶりつくと、口の中で溢れかえる肉汁は最高だった。
「うますぎる」
「だろう?」
リュカも俺の反応に嬉しかったのか笑顔になる。ああ、これが平和なんだろうな。
「さてと、これからの動きについて話そうか」
「はへ?」
肉を頬張る俺は石のように固まった。え?まだあるの何か?これ以上のことあるの?
「昨日言っただろう?ワテの拠点、親がいるところに戻るんだ」
「ああ、ひってまひたね」
「ちゃんと食ってから話せ…」
口の中にある肉を飲み込み、再びリュカを見る。
「ここから東に20kmだ。肉、魔石、など全部バックに入れて走って向かう」
そ、そんな!せっかく平和が来たと思ったら次は20kmマラソンですか!?俺は陸上選手じゃないんだぞ!
「いやいや、そんな距離を大荷物背負った状態で走って行くんですか?」
「だからそう言ったろ。いつまでもここにいても意味がないだろ…それに、お前の魔法を上達させないといけない。やることは多いんだ。知識に関しては向こうについた後に教えてやるから、今はその貧弱な体をワテがこの20kmの間で鍛えてやる」
拳を鳴らしながら、鬼のような笑みを浮かべるリュカは何か目的があるような感じがした。
「1時間で全部片付ける。今からやらないと到着が明日の朝になるかもなあ。」
「あわわわっ!!」
ディア肉を慌てて口の中に入れて、疲労して激痛立ち上がり準備をするのだった。
[水平線]
20kmのマラソンはとても過酷だった…
まず、持っている荷物の量が半端ない。朝の荷物が可愛く思えるくらいだ。キャンプ道具、食料、魔石、色々だ。特にやばいのは魔石の量だ。リュカはここに2ヶ月いたらしく、その理由は黒渦の観察…食料で動物を狩るんだが基本ここは魔物と魔獣しか湧かないため無理にでも魔石が増えてしまう。
魔石の数、500個。それに重さ、大きさそれぞれ全く違う。
250ずつで分けたが、重いことに変わりはない。
まあ、20kmもあるわけだ。当然色々な魔物や魔獣に出会った。
『サーベルモンキー』:森の木の上に巣を作り、単独で行動する。モンキーって言ってるがこいつは普通に170cmあるゴリラだ。風魔法で斬撃を飛ばしながら、腕に生える刃のような武器で攻撃してくる。怪力だが所詮ゴリラ。俺が土魔法でワンパンしてやった。
『ポイズンスネイク』:名前の通り、毒…魔法ではなく普通に毒を口から出して飛ばしてくる。強烈な毒だから、当たった瞬間からがドロドロになって死ぬ。めっちゃ臭い。幻影魔法で平行感覚をバグらせるがリュカの風魔法と剣技で8枚下ろしにされた。
『サイクロプス』:一つ目の15mある巨人。ただただでかい…棍棒振り回して暴れるだけの雑魚だった。魔力は感じるが、魔法を使えるだけの頭の賢さはなく、俺一人でなんとか倒せた。臭そうな足で踏み潰されかけたがセーフ。
『シェネラルスライム』:紫色に光るぷにぷにした液体て感じだ。魔法というより、魔力を自分の体液に混ぜて飛ばす。そこそこに強かった。動きも思ったより俊敏で、俺の土魔法が全部溶かされたり、吸い込まれたりでイラってしたから、とりあえず土魔力乱舞弾っていう技を編み出し数の暴力でゴリ押してやった。
『アースゴーレム』:土でできたロボット?的な。よくアニメやゲーム出てくるのにまんま似てた。特に内臓とか筋肉、骨はなく魔石を核、動力に動いている感じだった。腕や足の関節に極小土魔力弾っていう、簡単に言ったら操作可能な弾丸…これで崩していって核である魔石を取り出した。
『アサシンホーク』:普通に強かった。でかい鷹…賢いようで、見事に俺の土魔法を交わしてきた。風魔法の扱い方がリュカほどではないが、すごい長けていた。だが、いつまでも舐められちゃ困る。土槍魔力弾…通常の土魔力弾とは違って槍のような長いミサイル。当たると破裂する仕組みだ。これをさらに改良して極土槍魔力弾にする。操作が自由にできるため、アサシンホークの翼をぶち抜いて、落ちるところを土魔力弾でやってやった。
『ワームドラゴン』:無理無理!!!!マジいかれてる!本当に!初心者が相手していいような生き物じゃない!いや、そもそも生き物なの!?
落ち着こう…深呼吸して。一体こいつの何がやばいか…まずサイズだ20m超える巨体。鋼を超える鱗、皮膚、ドラゴンではあるが体は蛇のようなクネクネ動かしながら高速で移動する…水魔法、いや、氷魔法で当たり一面氷漬けにしてくる。
話にならん…強化魔法を使う魔物なんて俺が勝てるわけない。なんと言っても存在感、覇気、圧、今までの魔物が可愛く見えた。
リュカがいなかったら確実に死んでただろう。まあ、まさかリュカがあのワームドラゴンを本気も出さずに魔法だけで倒すなんてな…風魔法で無数の斬撃をぶっ放した後、そこから爆風で上空まで飛ばして落下の勢いで殺す。
ワームドラゴンも気の毒だ…本当の化け物はリュカだったのだから。
『ヘルハウンド』:こいつもマジ尋常じゃない強さだった。ワームドラゴンほどではないが、漆黒の毛並みに赤い燃えるような目を持つ。森の木を四足歩行で壁蹴りしながら、鋭い歯で噛みつきにきたり、長い爪引っ掻きにきたり…口から放つ火魔法も厄介だった。そこで俺が考えたのは土魔法を自分の腕に纏わせ物理的に殴ることができるのでは?って考えた。
案の定できた。右腕に魔力を集中させ、纏うように土魔法を発動させる。名付けて、アースガントレット!!ただただ硬く、殴るだけに特化した武器…自由自在に重さを変えることができるから威力が変えられるようになった。
壁を蹴って飛び回るヘルハウンドの動きをよみ、思い切り地面に頭を叩きつけてやったさ…!
『ミノタウルス』:10mの二足歩行する牛。大きな剣、鋭い角、引き締められた体、身体能力を上げるために使う魔力…まさに脳筋!!サイクロプスとは違い、本当の脳筋。力負けしそうだったが、アースガントレットのおかげで勝てた。
そしてようやく…
「つ、ついたあああああああああああああああ!!!」
「おう、よくやったさ」
合計15時間。俺は完走したのだ!!!ついに!ゴールすることができたんだ!!泣きそう!でも、キツすぎて涙も出ない!ああ、フラフラしてきた!!さあ、死ねるぞ俺は!!
「ほお、帰ってきたようじゃな。リュカオーン」
「ああ!ケオス!ただいまだ!」
大きめの木でできた平屋から出てくる一人のおじいさん?ってはいえないほどの筋肉だ。背は小さいが、ゴツゴツした体に長いヒゲ…
「おお、どうやらお客がいるようだな」
「は、はい!俺はリョウタ_・サクマと言います!お世話になります!」
とりあえず自己紹介は大事だ。好印象でいられるよう大きな声で挨拶をする。
「これまた、おもしろそうなやつを連れてきたのう。わしは、ケオス・アッカーマンじゃ。よろしく」
サクマがこの英雄ケオスの凄さを知るのはここから先の話だった。
傷のディアは俺の目の前で倒れている。土魔力砲弾が頭に直撃したせいか見事に首から頭までが爆散している。
「マジで反動がエゲツない…」
自分自身にまで、影響がくる技…
「これは絶対に人向けたらダメなやつだ」
こんなの普通の人がくらったら骨すら残らない。いや、リュカなら普通にぶった斬るか、拳で破壊してくるだろうな。
そんなことは置いといて二度と使わないことに俺は心の中で深く決意したのだった。
「おお、何やらエゲツない音が聞こえたから急いできたらまさかこんなことになってるとは」
リュカが、全身血だらけで来たので俺は頬が引き攣った。
「りゅ、リュカ大丈夫なの?」
「ん?ああ、問題ない。雷なんて痒いくらいだ。それに、返り血だから安心しろ」
いや、全然安心できないんですけど。てか、雷もろにくらって生きてるやつの方がおかしいだろ。なんで痒いくらいで済むの?マジで人間辞めてる。
「もういいや、リュカはおかしいのだ」
「おい、なんかすごいへんな納得のされ方してるよな」
いや、何も変ではない。変なのはお前なんだよ!!とりあえず毎回真っ赤に染まって出てくるのはやめろ!!!
「しっかしあのフォールディアをまさかこんな木っ端微塵に吹き飛ばしなんてな…すげえ威力だ。ワテも流石に驚いた…」
驚いた顔して俺を見るリュカに少し新鮮味を感じた。
「いや、俺もびっくりですよ…まさか本当に魔法が使えるなんて思ってもなかったす」
「フハハハハ!!そうだろうな!まさかこの短時間でお前が自力で魔法を習得するなんてワテも予想外だった!よくやったぞ」
豪快に笑うリュカに俺は苦笑するくらいしかできなかった。
「本当ならワテが教えるはずだったんだがな…もういいか」
剣の血を振り払い、仁王立ちするリュカ。
「じゃあ、全部解体していくか」
「本当に言ってる?」
●
解体は以外とスムーズに進んでいった。フォールディアの皮膚は分厚く硬くて切りにくいはずなのだが、貸してもらったナイフがすげえ切れ味がいいためかバターのように切れる。
「お前、解体できるのか?」
「俺ですか?」
「ああ、もっと嫌がると思った」
「ははは、俺はそんな子供じゃないっすよ。それにこう言うのは嫌いじゃないんで」
「そうなのか」
気持ち悪いが言うほど苦ではない。魚の解体業とかよく見てたしな。まあ父さんが趣味で魚釣ってきて解体していたのを見てたし。
解体が終了した。取れたのは26本の角、13個の魔石、その他諸々…相当な量になった。一体これをどうやって運ぶのだろうか。
「よしいくか」
「え?どうやって運ぶんですかこれ…」
「んなもん、そりゃワテの風魔法で持ち上げて余ったもんは担ぐに決まってんだろ」
「か、かついで帰るの?」
「おう」
「いやだああああああああ」
そして俺らは3kmある道を30kg以上の荷物を抱えて走った。歩いてない。走った。もちろん道中は魔獣や魔物に出会ったさ。クソバッタに、クソグモに…マジであいつら許さねえ。
[水平線]
「ついたあああ!!」
俺はガクガクになった足を押さえながら、その場に倒れ込む。これがまだ朝起きての3時間以内の話なんておかしい。
行きは魔物との戦闘に、帰りは荷物担いで全力で逃げ切る。ろくなことやってないな。
「ふう…やっと飯が食えるな」
「俺は、腹減って死にそうです。それになんか頭がふらふらします」
「魔力切れと酸素切れだな。あんなデカいやつぶっ放して、そこから全力疾走だもんな。そりゃ魔力も酸素も大量に消費するさ。まあこれから魔法の使用回数を増やしていけばある程度増えていく。体力もそうだ。これからたっぷり叩き込んでやる」
ニヤリと笑うリュカに、頬が震えて頭の中に地獄が思い浮かぶ。
解体したディア肉をさばいて、ジャンジャン焼いていくリュカ…もしかしてこいつは料理まで上手なのか?嘘だろ…こんなやつが?ちょっとびっくりだんだが…
「よしできた。食え」
「ありがとうございます…ふう、やっと食べられる、」
焼きたてのディア肉にかぶりつくと、口の中で溢れかえる肉汁は最高だった。
「うますぎる」
「だろう?」
リュカも俺の反応に嬉しかったのか笑顔になる。ああ、これが平和なんだろうな。
「さてと、これからの動きについて話そうか」
「はへ?」
肉を頬張る俺は石のように固まった。え?まだあるの何か?これ以上のことあるの?
「昨日言っただろう?ワテの拠点、親がいるところに戻るんだ」
「ああ、ひってまひたね」
「ちゃんと食ってから話せ…」
口の中にある肉を飲み込み、再びリュカを見る。
「ここから東に20kmだ。肉、魔石、など全部バックに入れて走って向かう」
そ、そんな!せっかく平和が来たと思ったら次は20kmマラソンですか!?俺は陸上選手じゃないんだぞ!
「いやいや、そんな距離を大荷物背負った状態で走って行くんですか?」
「だからそう言ったろ。いつまでもここにいても意味がないだろ…それに、お前の魔法を上達させないといけない。やることは多いんだ。知識に関しては向こうについた後に教えてやるから、今はその貧弱な体をワテがこの20kmの間で鍛えてやる」
拳を鳴らしながら、鬼のような笑みを浮かべるリュカは何か目的があるような感じがした。
「1時間で全部片付ける。今からやらないと到着が明日の朝になるかもなあ。」
「あわわわっ!!」
ディア肉を慌てて口の中に入れて、疲労して激痛立ち上がり準備をするのだった。
[水平線]
20kmのマラソンはとても過酷だった…
まず、持っている荷物の量が半端ない。朝の荷物が可愛く思えるくらいだ。キャンプ道具、食料、魔石、色々だ。特にやばいのは魔石の量だ。リュカはここに2ヶ月いたらしく、その理由は黒渦の観察…食料で動物を狩るんだが基本ここは魔物と魔獣しか湧かないため無理にでも魔石が増えてしまう。
魔石の数、500個。それに重さ、大きさそれぞれ全く違う。
250ずつで分けたが、重いことに変わりはない。
まあ、20kmもあるわけだ。当然色々な魔物や魔獣に出会った。
『サーベルモンキー』:森の木の上に巣を作り、単独で行動する。モンキーって言ってるがこいつは普通に170cmあるゴリラだ。風魔法で斬撃を飛ばしながら、腕に生える刃のような武器で攻撃してくる。怪力だが所詮ゴリラ。俺が土魔法でワンパンしてやった。
『ポイズンスネイク』:名前の通り、毒…魔法ではなく普通に毒を口から出して飛ばしてくる。強烈な毒だから、当たった瞬間からがドロドロになって死ぬ。めっちゃ臭い。幻影魔法で平行感覚をバグらせるがリュカの風魔法と剣技で8枚下ろしにされた。
『サイクロプス』:一つ目の15mある巨人。ただただでかい…棍棒振り回して暴れるだけの雑魚だった。魔力は感じるが、魔法を使えるだけの頭の賢さはなく、俺一人でなんとか倒せた。臭そうな足で踏み潰されかけたがセーフ。
『シェネラルスライム』:紫色に光るぷにぷにした液体て感じだ。魔法というより、魔力を自分の体液に混ぜて飛ばす。そこそこに強かった。動きも思ったより俊敏で、俺の土魔法が全部溶かされたり、吸い込まれたりでイラってしたから、とりあえず土魔力乱舞弾っていう技を編み出し数の暴力でゴリ押してやった。
『アースゴーレム』:土でできたロボット?的な。よくアニメやゲーム出てくるのにまんま似てた。特に内臓とか筋肉、骨はなく魔石を核、動力に動いている感じだった。腕や足の関節に極小土魔力弾っていう、簡単に言ったら操作可能な弾丸…これで崩していって核である魔石を取り出した。
『アサシンホーク』:普通に強かった。でかい鷹…賢いようで、見事に俺の土魔法を交わしてきた。風魔法の扱い方がリュカほどではないが、すごい長けていた。だが、いつまでも舐められちゃ困る。土槍魔力弾…通常の土魔力弾とは違って槍のような長いミサイル。当たると破裂する仕組みだ。これをさらに改良して極土槍魔力弾にする。操作が自由にできるため、アサシンホークの翼をぶち抜いて、落ちるところを土魔力弾でやってやった。
『ワームドラゴン』:無理無理!!!!マジいかれてる!本当に!初心者が相手していいような生き物じゃない!いや、そもそも生き物なの!?
落ち着こう…深呼吸して。一体こいつの何がやばいか…まずサイズだ20m超える巨体。鋼を超える鱗、皮膚、ドラゴンではあるが体は蛇のようなクネクネ動かしながら高速で移動する…水魔法、いや、氷魔法で当たり一面氷漬けにしてくる。
話にならん…強化魔法を使う魔物なんて俺が勝てるわけない。なんと言っても存在感、覇気、圧、今までの魔物が可愛く見えた。
リュカがいなかったら確実に死んでただろう。まあ、まさかリュカがあのワームドラゴンを本気も出さずに魔法だけで倒すなんてな…風魔法で無数の斬撃をぶっ放した後、そこから爆風で上空まで飛ばして落下の勢いで殺す。
ワームドラゴンも気の毒だ…本当の化け物はリュカだったのだから。
『ヘルハウンド』:こいつもマジ尋常じゃない強さだった。ワームドラゴンほどではないが、漆黒の毛並みに赤い燃えるような目を持つ。森の木を四足歩行で壁蹴りしながら、鋭い歯で噛みつきにきたり、長い爪引っ掻きにきたり…口から放つ火魔法も厄介だった。そこで俺が考えたのは土魔法を自分の腕に纏わせ物理的に殴ることができるのでは?って考えた。
案の定できた。右腕に魔力を集中させ、纏うように土魔法を発動させる。名付けて、アースガントレット!!ただただ硬く、殴るだけに特化した武器…自由自在に重さを変えることができるから威力が変えられるようになった。
壁を蹴って飛び回るヘルハウンドの動きをよみ、思い切り地面に頭を叩きつけてやったさ…!
『ミノタウルス』:10mの二足歩行する牛。大きな剣、鋭い角、引き締められた体、身体能力を上げるために使う魔力…まさに脳筋!!サイクロプスとは違い、本当の脳筋。力負けしそうだったが、アースガントレットのおかげで勝てた。
そしてようやく…
「つ、ついたあああああああああああああああ!!!」
「おう、よくやったさ」
合計15時間。俺は完走したのだ!!!ついに!ゴールすることができたんだ!!泣きそう!でも、キツすぎて涙も出ない!ああ、フラフラしてきた!!さあ、死ねるぞ俺は!!
「ほお、帰ってきたようじゃな。リュカオーン」
「ああ!ケオス!ただいまだ!」
大きめの木でできた平屋から出てくる一人のおじいさん?ってはいえないほどの筋肉だ。背は小さいが、ゴツゴツした体に長いヒゲ…
「おお、どうやらお客がいるようだな」
「は、はい!俺はリョウタ_・サクマと言います!お世話になります!」
とりあえず自己紹介は大事だ。好印象でいられるよう大きな声で挨拶をする。
「これまた、おもしろそうなやつを連れてきたのう。わしは、ケオス・アッカーマンじゃ。よろしく」
サクマがこの英雄ケオスの凄さを知るのはここから先の話だった。
このボタンは廃止予定です