【僕は俺>俺が勇者になった理由】〜異世界行って人探しのついでに英雄になってやる〜
(また夢?)
俺は、また眠っているのか。ああ、確かリュカオーンってやつが…
あいつは人間じゃない。うん、絶対人間ではない!化け物だ
無理やりのでも自分を納得させる。
そして見覚えのある風景。俺はまたあの広い荒野に立っていた…?いや、どちらかというと浮遊しているのか。まるで俺に物体がないようにふわふわと…
(あの時と同じ…ではないのか)
さらになぜか声が出ない。最初の夢は感覚も声なにもかも感じていたのに…不思議だ。見えるだけであとは何も聞こえたりしない。
『すまない…』
俺が浮遊していると、あの時の仮面の少女が俺の真下で立っていた。苦しそうな顔で、いや顔はみえないけど、なんだか苦しそうにしながら、左腕を押さえていた。目を凝らしてよく見ると肘から下がなくなっていて、服には血が滲んでいる。ひどい姿だった。それだけでなく、身につけている鎧は凹んだり傷跡が残っている。
仮面の少女の背中は寂しそうだった。まるで、誰かの死を悼んでいる…
(あれは…)
仮面の少女が見ているのは、あの時の白いドラゴン…だがもうすでに死んでいた。白い鱗は赤い血で染まっていて、内臓が出ているところもある。…とても見れる状態ではなかった。
(ひどいな…)
俺がじっと見つめていると、ドラゴンの姿が変わっていく。まるでそれは人間…頭からはまっすぐ生えたツノに、真っ白な髪…色白く一言で言うなら美少年だった。今この状態でなければさらに綺麗だったのだろう。15歳…それくらいの幼さを感じられる。
まさか、この子があのドラゴンになっているとは…
仮面の少女は、その姿をじっと見て、膝から崩れ落ち、少年を抱き寄せ仮面のしたから涙をこぼす。泣き叫ぶ姿は俺の目には痛すぎるものだった。
あ残酷すぎる光景に俺はただひたすら見届けることしかできなかった。
(…)
場面は変わる。まるで映画のようにシーンが変えられる。
場所は、荒野ではなくそれと反対に、どこかの建物の中だった。複数の柱に支えられて造られ、上には大きなシャンデリア…俺の考えが正しきればここはどこかの王国でその王様がいる城だろう。
『よく、帰ってきたら勇者よ…』
一番奥の椅子に座る、長いひげに少し痩せ細った服に纏った赤と白のローブは明らかに、この国の王であることがわかる。痩せ細って弱々しく感じるかもしれないが、そんなことはない。この人から感じられるオーラは国を背負っている覚悟が感じられた。
(何か話しているのか…?)
俺はそこに疑問を抱いた。どうやら俺が見てきた仮面の少女はもしかして軍の団長か、勇者とか?そこら辺なのか。周りには、大臣、幹部らしき人に、護衛や明らかに強うそうなかをしている人がいる。
それでも仮面の少女は相変わらずの後ろ姿で仮面を外しているのに、顔を見ることができない。
『今回の件に関してはお主のせいではない…むしろこれは私たちの不注意だったんだ…気に病むことはない』
『いえ、これは私の失態です。まさかあいつに厄介なやつが絡んでいることは予想外でした…』
何かを話しているが、あいにく俺には聞こえない。
『お主も疲れたであろう、今は体を休めてくれ…あとのことは私たちがしておこう』
『ですが…』
『頼む…今の私たちにはこれくらいしかできないのだから』
『わかりました』
王様は仮面の少女のなくなった腕を見る。顔は一段と暗くなり、もう一度少女を見る。
『腕に関しては、この国の鍛冶師に頼んで義手を作ってもらおう。本当はお主には今、この場で解雇するべきなのだろう…だが、まだこの国、いや大陸のために戦ってくれ…』
『もちろんです。私はそのためにここに召喚されたのだから』
最後に見たのは、困った笑顔で少女をみる王様の姿だった。
[水平線]
「ううっ…」
体を起こすと、あたりは真っ暗でもりの中だった。仮で作られたテントに、キャンプファイア…これはあのリュカオーンってやつがしたのだろうか。
「またさらに濃くなってる…」
ブレスレットの下に見える痣の色が濃くなった。絶対おかしいよね…
それにしてもなんだか長い夢だったな…竜と少女と王様。もしもこの夢が本当だとするのならば、俺はあの少女を探す必要があるだろう。夢だから本当なのかもわからない。それにこの世界の話かもわからない。一つわかったことがあるならここは、地球ではないこと…
それを証明するのは、あの植物の化け物、黒い渦あれはリュカオーンが黒渦とか言っていたな。ていうかリュカオーンってやつが一番おかしい気がする。あれは絶対に人間じゃないし地球にはいない。よってここは地球ではないどこか…
「異世界転生…」
俺の頭の中にはその言葉がポンっと出てくる。あの男の子が一度は憧れる中二病の極み…もちろん俺だって憧れるさ。魔法とか剣とか使ってみたい。なにせここにくる前の俺は家に300巻以上本があったしな。先輩もちょくちょく読みにきていた。
「先輩…」
急に寂しく、虚しい気持ちになった。先輩との思い出が溢れ出てくる。一緒に過ごした時間は一年にも満たないが、それでもとても濃い思い出ばかり…
急に目がうるっとした時、後ろからリュカオーンが出てくる。
「おう、起きてたか」
「はい、えっと…リュカオーンさん?」
「呼び捨てでかまわん」
「リュカオーン、その背負ってるものは…」
背負ってるって言うか、大工が木を運ぶ時みたいに肩に乗せているだけなのだが…とてつもなくでかいイノシシ。
「ああ、こいつはフォールボアだ。あの花のやつ倒して、くろうもぶった斬ったから魔物が沸き始めたんだ。それにそろそ夜飯だからなワテが狩ってきたんだ」
「ええ…」
フォールボア、、、みたところ多分全長3mだろうか。茶色というより赤みがかった毛に、30cmの牙。普通であったら死ぬよな。
「あ、俺ってどれくらい寝てましたか?」
「うん?3時間くらいだな」
左手でボアを押さえつけ、解体を始めるリュカオーンに俺は頬が引き攣った。
「マジかよ」
「ん?どしたサクマよ。あっ、もしやキサマ初めてかこういうの」
「初めてっす」
「そうか、ちょうどいい!こっちに来い」
「ええ…」
渋々、リュカオーンの隣にいく。
「お前も、いつかあるだろうから見ておけ」
リュカオーンは持っていたナイフで黙々とフォールボアを解体していく。そして心臓近くに白く光る石?が出てきた。とても綺麗で透き通っていた。
「これはな魔石っていうんだ。ここの世界には魔物、魔獣がいる。そしてこいつらは心臓と一緒にこの魔石をつけている。この魔石の色によって魔法の属性が変わる。そうだな、こいつは風魔法だな。戦ったときも風魔法で攻撃してきた。」
「へえ〜」
やはり、魔法が使えるのか…
なんか、見た目と違って結構頭がいいのか知らんが結構物知りなんだな。てか、俺もう別の世界から来たことバレてるくね?
「魔物、魔獣はこの魔石のサイズによって強さも価値も変わる。でかけりゃデカいほど価値が上がるし、魔物も強くなる。この魔石は…そうだな風魔法でサイズもそこそこだからそこそこの値段がつく」
「はへえ…リュカオーンはもしかして風魔法ですか?」
「おっ!お前わかるのか」
わかるも何も、あの花見てえな化け物と戦った時にめっちゃ魔法使ってたでしょ。
「ワテの魔法はな、サクマの言った通り風だ。だがしかあああし!一味違うんだぞ!」
「は、はあ…」
胸を張って大声で言う。よほど自信があるのだろう。
「ワテの魔法は風から爆風という強化魔法に変えることができるんだ。」
「強化魔法?」
「ああ、これは四大元素、エレメント言うならば、基本魔法のさらに強化して発展させたものなんだ。エレメントは、水、火、土、風があり、強化魔法が氷、雷、森、爆」
俺も頑張れば使えるのだろうか…属性とかあるのかな。使うなら火とか水がいいな。強化魔法できなくてもいいからとりあえず、魔法やりてえ。土魔法とかなんかいまいちピンとこねえな…せめて風であってくれ。
「俺も使えるのかな」
「ああ?そうだな…今の所、お前には魔力を感じるからな。それも今は抑えられてるが、結構な量だろうな。あの黒渦の瘴気に耐えたんだからな」
「瘴気、魔力…」
「まあ、難しいことは明日教えるさ」
「難しい…」
「ああ、なんせ魔法は細かいんだ。強化魔法を習得するの20年かかった」
「20年…え?今何歳ですか」
「今か?そうだな…明確には覚えていなな…」
そう言って指を折って数えるリュカオーン。
「ざっと250くらいか」
「そうですか250歳ですか…」
「…」
「…」
「え?」
[水平線]
まるまる2時間くらいだろうか…リュカオーンとずっと話をしていた。この世界のちょっとした歴史、国、魔法、剣、食べ物、ある程度教えてもらった。
その代わりに俺は、正直にこの世界の人間ではないことを教えた。どこから来たのか、どう言う世界で魔法はなく、科学の世界だと話した。
「ふああ、さて寝るか」
リュカオーンの大きなあくびを見ると俺も眠たくなってきた。てかリュカオーンって言いにくいな…
「よし、俺は今日からリュカって呼ぶことにします」
「ん?なんだいきなり…まっ好きにしろ」
なんだノリが悪いな。まあ、いいか…俺も寝よう。
「明日は、ここからさらに移動するからな」
俺が寝ようとした瞬間、リュカがそう言った。
「え?移動ってどこにいくんっすか」
「今いる場所の反対側だ。そこにワテの親がいる」
「親…」
こいつの親ってますます意味わからねえ…
(父さん、母さん、双子たちは元気かな)
「俺はどれくらいあの場所から移動したですか」
「ああ、だいたい20kmくらいかな」
もうだめだ追いつかない…一旦寝よう。そしよう。
(なんかずっと寝てる気がする)
俺は、また眠っているのか。ああ、確かリュカオーンってやつが…
あいつは人間じゃない。うん、絶対人間ではない!化け物だ
無理やりのでも自分を納得させる。
そして見覚えのある風景。俺はまたあの広い荒野に立っていた…?いや、どちらかというと浮遊しているのか。まるで俺に物体がないようにふわふわと…
(あの時と同じ…ではないのか)
さらになぜか声が出ない。最初の夢は感覚も声なにもかも感じていたのに…不思議だ。見えるだけであとは何も聞こえたりしない。
『すまない…』
俺が浮遊していると、あの時の仮面の少女が俺の真下で立っていた。苦しそうな顔で、いや顔はみえないけど、なんだか苦しそうにしながら、左腕を押さえていた。目を凝らしてよく見ると肘から下がなくなっていて、服には血が滲んでいる。ひどい姿だった。それだけでなく、身につけている鎧は凹んだり傷跡が残っている。
仮面の少女の背中は寂しそうだった。まるで、誰かの死を悼んでいる…
(あれは…)
仮面の少女が見ているのは、あの時の白いドラゴン…だがもうすでに死んでいた。白い鱗は赤い血で染まっていて、内臓が出ているところもある。…とても見れる状態ではなかった。
(ひどいな…)
俺がじっと見つめていると、ドラゴンの姿が変わっていく。まるでそれは人間…頭からはまっすぐ生えたツノに、真っ白な髪…色白く一言で言うなら美少年だった。今この状態でなければさらに綺麗だったのだろう。15歳…それくらいの幼さを感じられる。
まさか、この子があのドラゴンになっているとは…
仮面の少女は、その姿をじっと見て、膝から崩れ落ち、少年を抱き寄せ仮面のしたから涙をこぼす。泣き叫ぶ姿は俺の目には痛すぎるものだった。
あ残酷すぎる光景に俺はただひたすら見届けることしかできなかった。
(…)
場面は変わる。まるで映画のようにシーンが変えられる。
場所は、荒野ではなくそれと反対に、どこかの建物の中だった。複数の柱に支えられて造られ、上には大きなシャンデリア…俺の考えが正しきればここはどこかの王国でその王様がいる城だろう。
『よく、帰ってきたら勇者よ…』
一番奥の椅子に座る、長いひげに少し痩せ細った服に纏った赤と白のローブは明らかに、この国の王であることがわかる。痩せ細って弱々しく感じるかもしれないが、そんなことはない。この人から感じられるオーラは国を背負っている覚悟が感じられた。
(何か話しているのか…?)
俺はそこに疑問を抱いた。どうやら俺が見てきた仮面の少女はもしかして軍の団長か、勇者とか?そこら辺なのか。周りには、大臣、幹部らしき人に、護衛や明らかに強うそうなかをしている人がいる。
それでも仮面の少女は相変わらずの後ろ姿で仮面を外しているのに、顔を見ることができない。
『今回の件に関してはお主のせいではない…むしろこれは私たちの不注意だったんだ…気に病むことはない』
『いえ、これは私の失態です。まさかあいつに厄介なやつが絡んでいることは予想外でした…』
何かを話しているが、あいにく俺には聞こえない。
『お主も疲れたであろう、今は体を休めてくれ…あとのことは私たちがしておこう』
『ですが…』
『頼む…今の私たちにはこれくらいしかできないのだから』
『わかりました』
王様は仮面の少女のなくなった腕を見る。顔は一段と暗くなり、もう一度少女を見る。
『腕に関しては、この国の鍛冶師に頼んで義手を作ってもらおう。本当はお主には今、この場で解雇するべきなのだろう…だが、まだこの国、いや大陸のために戦ってくれ…』
『もちろんです。私はそのためにここに召喚されたのだから』
最後に見たのは、困った笑顔で少女をみる王様の姿だった。
[水平線]
「ううっ…」
体を起こすと、あたりは真っ暗でもりの中だった。仮で作られたテントに、キャンプファイア…これはあのリュカオーンってやつがしたのだろうか。
「またさらに濃くなってる…」
ブレスレットの下に見える痣の色が濃くなった。絶対おかしいよね…
それにしてもなんだか長い夢だったな…竜と少女と王様。もしもこの夢が本当だとするのならば、俺はあの少女を探す必要があるだろう。夢だから本当なのかもわからない。それにこの世界の話かもわからない。一つわかったことがあるならここは、地球ではないこと…
それを証明するのは、あの植物の化け物、黒い渦あれはリュカオーンが黒渦とか言っていたな。ていうかリュカオーンってやつが一番おかしい気がする。あれは絶対に人間じゃないし地球にはいない。よってここは地球ではないどこか…
「異世界転生…」
俺の頭の中にはその言葉がポンっと出てくる。あの男の子が一度は憧れる中二病の極み…もちろん俺だって憧れるさ。魔法とか剣とか使ってみたい。なにせここにくる前の俺は家に300巻以上本があったしな。先輩もちょくちょく読みにきていた。
「先輩…」
急に寂しく、虚しい気持ちになった。先輩との思い出が溢れ出てくる。一緒に過ごした時間は一年にも満たないが、それでもとても濃い思い出ばかり…
急に目がうるっとした時、後ろからリュカオーンが出てくる。
「おう、起きてたか」
「はい、えっと…リュカオーンさん?」
「呼び捨てでかまわん」
「リュカオーン、その背負ってるものは…」
背負ってるって言うか、大工が木を運ぶ時みたいに肩に乗せているだけなのだが…とてつもなくでかいイノシシ。
「ああ、こいつはフォールボアだ。あの花のやつ倒して、くろうもぶった斬ったから魔物が沸き始めたんだ。それにそろそ夜飯だからなワテが狩ってきたんだ」
「ええ…」
フォールボア、、、みたところ多分全長3mだろうか。茶色というより赤みがかった毛に、30cmの牙。普通であったら死ぬよな。
「あ、俺ってどれくらい寝てましたか?」
「うん?3時間くらいだな」
左手でボアを押さえつけ、解体を始めるリュカオーンに俺は頬が引き攣った。
「マジかよ」
「ん?どしたサクマよ。あっ、もしやキサマ初めてかこういうの」
「初めてっす」
「そうか、ちょうどいい!こっちに来い」
「ええ…」
渋々、リュカオーンの隣にいく。
「お前も、いつかあるだろうから見ておけ」
リュカオーンは持っていたナイフで黙々とフォールボアを解体していく。そして心臓近くに白く光る石?が出てきた。とても綺麗で透き通っていた。
「これはな魔石っていうんだ。ここの世界には魔物、魔獣がいる。そしてこいつらは心臓と一緒にこの魔石をつけている。この魔石の色によって魔法の属性が変わる。そうだな、こいつは風魔法だな。戦ったときも風魔法で攻撃してきた。」
「へえ〜」
やはり、魔法が使えるのか…
なんか、見た目と違って結構頭がいいのか知らんが結構物知りなんだな。てか、俺もう別の世界から来たことバレてるくね?
「魔物、魔獣はこの魔石のサイズによって強さも価値も変わる。でかけりゃデカいほど価値が上がるし、魔物も強くなる。この魔石は…そうだな風魔法でサイズもそこそこだからそこそこの値段がつく」
「はへえ…リュカオーンはもしかして風魔法ですか?」
「おっ!お前わかるのか」
わかるも何も、あの花見てえな化け物と戦った時にめっちゃ魔法使ってたでしょ。
「ワテの魔法はな、サクマの言った通り風だ。だがしかあああし!一味違うんだぞ!」
「は、はあ…」
胸を張って大声で言う。よほど自信があるのだろう。
「ワテの魔法は風から爆風という強化魔法に変えることができるんだ。」
「強化魔法?」
「ああ、これは四大元素、エレメント言うならば、基本魔法のさらに強化して発展させたものなんだ。エレメントは、水、火、土、風があり、強化魔法が氷、雷、森、爆」
俺も頑張れば使えるのだろうか…属性とかあるのかな。使うなら火とか水がいいな。強化魔法できなくてもいいからとりあえず、魔法やりてえ。土魔法とかなんかいまいちピンとこねえな…せめて風であってくれ。
「俺も使えるのかな」
「ああ?そうだな…今の所、お前には魔力を感じるからな。それも今は抑えられてるが、結構な量だろうな。あの黒渦の瘴気に耐えたんだからな」
「瘴気、魔力…」
「まあ、難しいことは明日教えるさ」
「難しい…」
「ああ、なんせ魔法は細かいんだ。強化魔法を習得するの20年かかった」
「20年…え?今何歳ですか」
「今か?そうだな…明確には覚えていなな…」
そう言って指を折って数えるリュカオーン。
「ざっと250くらいか」
「そうですか250歳ですか…」
「…」
「…」
「え?」
[水平線]
まるまる2時間くらいだろうか…リュカオーンとずっと話をしていた。この世界のちょっとした歴史、国、魔法、剣、食べ物、ある程度教えてもらった。
その代わりに俺は、正直にこの世界の人間ではないことを教えた。どこから来たのか、どう言う世界で魔法はなく、科学の世界だと話した。
「ふああ、さて寝るか」
リュカオーンの大きなあくびを見ると俺も眠たくなってきた。てかリュカオーンって言いにくいな…
「よし、俺は今日からリュカって呼ぶことにします」
「ん?なんだいきなり…まっ好きにしろ」
なんだノリが悪いな。まあ、いいか…俺も寝よう。
「明日は、ここからさらに移動するからな」
俺が寝ようとした瞬間、リュカがそう言った。
「え?移動ってどこにいくんっすか」
「今いる場所の反対側だ。そこにワテの親がいる」
「親…」
こいつの親ってますます意味わからねえ…
(父さん、母さん、双子たちは元気かな)
「俺はどれくらいあの場所から移動したですか」
「ああ、だいたい20kmくらいかな」
もうだめだ追いつかない…一旦寝よう。そしよう。
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